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かしこさラボ【分析編4:コミュニケーション能力】
賢さの構成要素の分析編 第4回は、「コミュニケーション能力」にアプローチする。
およそコミュニケーションの目的とは、自分の立場やテリトリーを明らかにしつつ、目的を共有した人々とチームを形成し、能力を相互に補完しながら効率よく成果を生み出すことにあると考える。
日本にはコミュニケーションを不得手とする人が多い。企業文化を中心に、トップダウンの「命令」を遂行する習慣が定着しているからと考える。そこに必要なのはカリスマと従順性で、双方向的なコミュニケーション能力ではない。
しかし、より高度な判断を行い、組織の生産性を最大化していく必要が生じた場合には、組織の成員の多くにコミュニケーション能力が求められるようになる。本来、コミュニケーション能力はリーダーのみに必要な能力ではないが、組織で一定の立場になった人が、いきなりコミュニケーション能力を求められて困惑するという構図が発生する。
コミュニケーションを他人任せにする習慣は、日本でリーダーになりたがる人が少ないことにも繋がる。ある調査では、リーダーシップの強い生徒になりたい日本人は15%に留まった(アメリカ人54%・中国人53%・韓国人48%)。かなり深刻な問題だと思う。
①自己分析
コミュニケーションは、自分のことは分かっていることを前提に進められることが多いためか、意外と自己分析の取り組みは軽視されがちである。
Patrick Bet-David著の『勝者の先読み思考』という本に、「パーソナル・アイデンティティ調査票」というものが付いている。25項目の質問に対して深く考察しながら自己分析するというものだ。自分の性質や価値観を深堀りする内容となっているが、「自分の強みや弱点」「性格」「周りからどのように見えているか」「どうなりたいのか」などをしっかりと把握していることは、自分の行動原理にも大きく関わる。
とかく日本人はこういう作業を嫌う傾向が強いように思う。就職活動の時に自己PRを書かされて、後付けで付け焼刃の言語化をする程度だ。ゆえに、言語化された行動原理に即した経験が少なく、適当な経験の記憶の断片が散らばっているため、面接などで困るということになる。
例えば、私はライフワークのテーマを「天下国家を支える人材の育成」としているが、設定からすでに20年近く経った。ゆえに、副業で運送業をするときでも、雇用の調整弁としての機能、生活スタイル、地域特性など様々な視点から考察を深めつつ経験値を溜めることができる。仕事も少し楽しくなる。
②情報発信力
分かりやすさ、タイミング、話の長さなど、情報発信において求められる要素は多いが、情報ツールが増えて、シチュエーションが多岐に渡る昨今の状況に特に求められる要素について深掘りしたい。
【印象に残るための工夫】
メディアの選択
多くの人(伝えたい対象)が利用し、伝えたい情報の性質に適していて、費用対効果が高いメディアを考えれば良い。テレビというメディアがかつての絶対的な地位から陥落したことは、選択肢の多様性を生み出したが、逆に言えば、選択を間違えると誰にも響かない無駄な作業になる。
私にとってnoteは非常に好ましいメディアとなっている。絶対的な視聴者数はYouTubeなどには適わないかもしれないが、視聴者層の知的水準が比較的高く、滞在時間も多分長いだろう。深いテーマについての考察をアップデートしながら進められるし、他のメディアとの親和性も十分兼ね備えている。収益性の難しさはあるが、十分に活用できるメディアだと思う。
個人的にTwitterは、広く情報を収集する窓口として利用している。
検索にかかる
SEO(検索エンジン最適化)の技術としてのハッシュタグや、動画のサムネイルにおける工夫は、多く実践されている。ホワイト化が進んで、ネガティブな興味を満たす情報が減っているからか、「絶対やってはいけない」「本当の理由・隠された真実・〇〇を暴く」などのキーワードが横行する傾向にあるのは興味深い。
あらぱぱさんのアイキャッチ技術についての考察は、役に立つ。
これも使い勝手が良いだろう。
【ブクマ推奨】
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また、情報発信者が濫立するからこそ、逆に知名度の重要性が高まっている。特定の論客ばかり動画で出てくるのは、希少価値の高い情報を提供しうるポジションにいる人は限られているという側面を表しているように思う。
その他にも、「自分から絡んでいく」「有益な情報になるまで練り上げる」など工夫は盛りだくさんだ。
【好感度を生み出す工夫】
美しく清潔な外見
圧倒的な美を前にすれば、説得の必要すらなく、自動的に協力者が増えるということか。「美しい」は主観であり、遺伝的要素で決定することも多いので何とも言えないが、化粧・コスプレ・プチ整形やアバターなど様々な選択肢を駆使することはできる。清潔については、努力次第なので分かりやすい。
ただし、お金をかければよいというものでもない。令和の成功者たちはシンプルな服装が多い。服装の判断にリソースをなるべく使わないことだ。
謙虚に見える態度
立場や能力に関わらず、謙虚な姿勢で接することを美徳にする。挨拶をきちんとする、敬語を使いこなす、お礼を言うなどの習慣が普通にできれば問題は起きにくい。相手によって対応が変わると偽善のレッテルが貼られやすいが、誰に対しても「ですます調」で対応するなど対策はある。議論におけるマウントなど高圧的態度も敬遠される傾向が強い。
そのほか、非暴力、非差別、倫理的などホワイト社会で求められる要素は多い。
③聴く力
一時、ファシリテーションの技法がかなり持てはやされた。メンバーの考えを知り、帰属意識を高めることは、チームのコンセンサス形成や生産性を高めるために不可欠な作業で、様々なチームビルディングゲームなどが試されてきたことだろう。ただ、ファシリテーター自身のスキルが高くないと、形式的なことが優先されて、「ごっこ」に終わることも多い。
これについては、実践編で深めていきたいと思っているが、重要だと思っている要素を列挙しておく。
・目的の事前確認
・相手も自己分析を終わらせていること
・適切な議題設定と質問
・相手の個性や多様性を尊重すること
逆に、『ありのままの自分で人がついてくる リーダーの習慣』という本で、話を聴いてないことがばれる要素として次のような点が挙げられていた。
・スマホの画面を見ている
・話の内容を確認しようとしない
・疑問点を尋ねてこない
・会話をさえぎったり、話題を変えたりする
一緒に楽しく遊ぶだけならば、どれだけ楽なことか。
自分の立場やテリトリーの主張だけならば、どれだけ楽なことか。
【1】語彙力と論理性
【2】スピードと正確性
【3】情報収集能力
【5】判断力
【6】行動力
【7】創造力
【8】シンかしこさ
(2022/8/4)
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