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あなたは「差別」していますか

ニュージーランド在住で、総合診療科医、ライフコーチ、Havening technique ®️プラクティショナーなどをしています。

メンタルヘルスにはずっと興味があったのですが、
最近は「発達障害」に、以前より注意を払う様になりました。
「ADHD」とか「ASD」とか「LD(学習障害)」とか。
グレーゾーンの人も含めてです。

自分が子供の時を考えると、
明らかに「知能の発達が遅れている」と外見や行動から分かる子供は
子供の私にも分かりましたが、
「先生にいつも怒られている子」や
「テストの成績がいつも悪い子」が
生まれながらに、何かのスキルに欠けている、と私が考える事はありませんでした。

私の父は、人種差別丸出し、学歴主義の人間だったので
家庭では「馬鹿」とか「利口」とか「とろい」とか「頭が良い」
とかいう言葉が、頻繁に行き交っていました。

彼の子供(私と兄妹)の中でも、誰が一番頭が良いか、という事が
頻繁に、話のトピックになっていました。
「頭の良い子」として扱われていた私は、
自然と、「優越感」を感じて生きていたと思います。
(だからといって、他の人に酷い言い方をしたり、他の人を苛めたりはしていませんが。)

だからこそ、進学校へ行って「頭の良い」人ばかりに囲まれ
自分が一番「頭が良い」訳ではない事が明らかになると
それだけで、挫折感を感じる。


少し話がそれてしまったのですが、
本題は、この、本質的に根拠のない「優越感」故に、心の中に起こる「差別」の事です。

皆さん、ジェーン エリオットいう先生が
マーチン ルーサー キング jr 牧師が暗殺された翌日に始めた、
この授業をご存知ですか。

私がこのビデオを見たのはかなり前のことなのですが
未だに、強く心に刻まれています。

彼女は同じ様な授業を様々な場所で行っており、
以下のビデオは学生や、刑務所で働く人達に対して行ったものです。
(下のビデオは英語で、日本語字幕がありません。)


人種が違うだけで、ある人種が、他の人種に対して「優越感」を感じ
それを権力を使って行使していくと、双方の人々のメンタルや、パフォーマンスにも影響を与える。

性別に関しての「優越感」も同じ。

そして私は、生まれながらの「才能」や「スキル」が与える「優越感」も同じだと思うのです。

この「差別」問題を複雑にするのは、
人が、どんな特質を「優れている」と感じるか。
それは人間に自然に備わった感じ方かも知れないからです。

例えば、
「早く走る」のと「遅く走る」のは、どちらが「優れて」いるか。
「難しい問題を解く」のと「簡単な問題を解く」のは、どちらが「優れて」いるか。
「力が強い」のと「力が弱い」のはどちらが「優れて」いるか。
「語彙が多い」のと、「語彙が少ない」のはどちらが「優れて」いるか。
「白」と「黒」では、どちらが「きれいな」色か。

でも、たまたま「力が強い」男として生まれたから「力が弱い」女より
人間として優れている訳ではない
それは「白人」と「黒人」も同じだし
「定型」の人と「発達障害」の人も同じ。

私も子供の時
「あなたが試験でいい点を取れるのは、あなたの努力もあるけれど、それができるスキルを持つという幸運に恵まれた為。
世の中には同じ様に努力しても、同じ結果を出すのが難しい人がいる。
それはあなたが人間として優っている、という事の証明ではない。」
という事を、周りの大人が教えてくれたら、
考え方が変わったと思うのです。

人間が根拠のない「優越感」や「偏見」を手放して
生まれながらに「能力」や「スキル」に「優れている」人が、それに驕らず
その能力を「能力やスキル」が発達の遅い人達を補う様に生活していけたら
もう少し世界は、住みやすい場所になるのではないかと思います。

このジェーン エリオット先生の授業は、今ニュージーランドや日本の学校でやったら、親から色々文句を言われそうで、難しいかも知れません。

でも少なくとも、ビデオを見せて、子供達に考えてもらう事は可能だと思います。

インターネットがどこでもある現代。
家庭でも子供と一緒にこのビデオを見る事が可能です。
この週末にでも、どうですか。

今日も長文を読んで頂き、ありがとうございました。

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