野田光太郎

フリーペーパー「勝手にぶんがく新聞」40号を発刊しました。即興や歌手のライブを企画した…

野田光太郎

フリーペーパー「勝手にぶんがく新聞」40号を発刊しました。即興や歌手のライブを企画したり、音楽サイト「jazz tokyo」に寄稿などで批評活動をする。

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  • And music continues to evolve

    即興ライブ記録

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ダンス素人の見方⑪ Government Alpha+田中直美+今井琴美+白鳥雄也

岩屑流 vol.2 即興者: Government Alpha (Noise/Electronics) + Naomi Tanaka, Kotomi Imai, Yuya Shiratori (Contemporary Dance) opening / closing dj:jam (地底都市アガルタ) まさにまさに、これぞアンダーグラウンドという店で、めちゃめちゃカッコいいダンスを見る。こういう場所に自分のような人間が足を運ぶようになるなんて、面白い。 暗い。何が起ころ

    • 【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉕ 角裕子カルテット

      7月13日、大阪府・道頓堀川沿いの「Garth Music Live & Bar(ガースミュージックライブ&バー)」へ。角裕子カルテットを聴く。 角の演奏を聴くのはじつに十年ぶりになる。彼女は東京のジャズ・イベントの路上演奏コーナーで活躍していたアルトサックス奏者で、その当時はウォッシュ・ボードやバンジョー、ハーモニカなどと一緒にジャグ・バンドに入っていた。ジャグというのは、替え歌や演奏の合間に軽妙なしゃべりが入って笑いを誘うような、ちょっとボードビリアン風のバンドで、その

      • ライブ自主企画の記録

        And the music continues to evolve vol.1 2020年1月19日 鈴木美紀子(Vo, guitar) 小川京子(EG, Vo) 本田ヨシ子 (voice, vocalization) 清水亮司(Drums) 阿佐ヶ谷「Yellow Vision」 And the music continues to evolve vol.2 「Conference of the birds ~即興演奏と詩の朗読の夕べ」 2021年2月21日 加藤チャ

        • 【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉔ 「アコースティックランデヴー」 松岡美穂(daTTTo) 、川口純平(断絶交流)、丸橋ミケ(黒猫財閥)、アンカライズ、じゅんじゅん×吉美四季

          〈出演順〉 松岡美穂 (daTTTo) 川口純平 (断絶交流) 丸橋ミケ (黒猫財閥) アンカライズ じゅんじゅん×吉美四季 2024年7月11日 「三軒茶屋HEAVEN'S DOOR」 今言いたいこと、言うべきことを全力でぶつけてくる姿勢がすがすがしい松岡。ライブハウスで「優れた男性ボーカルが少ない」と言ってたら、隣の人から「いいよ」と言われていた「断絶交流」の川口は、吉田拓郎と吉幾三を同時に感じさせる暑苦しさが好ましい。「サンボマスター」とかが好きな人は気に入るだろう

        ダンス素人の見方⑪ Government Alpha+田中直美+今井琴美+白鳥雄也

        • 【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉕ 角裕子カルテット

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          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉓ アボカドチーズ(梶山真代・島千晶)

          梶山真代 (fl) 島千晶(p) 2024年7月7日 豊島区東長崎・某所 梶山真代さんのクラシックのミニ・コンサートへ。自分はクラシックは未知なので批評とかいうことはなく、ゆっくり楽しんできました。だからレビューなどは書けないのだが、自分がクラシックを聴くのは珍しいことだし、記録していかないとどんどん忘れてしまうので文章を残しておく。会場はお客さんが入っても最大10名程度の規模なので、これも「アンダーグラウンド・シーン」の一部ではあるだろう。 この日は自分が知らないいろい

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉓ アボカドチーズ(梶山真代・島千晶)

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉒ 斉藤圭祐、チェロしおり

          斉藤圭祐 (alto sax) チェロしおり(cello) 2024年7月4日 江古田「フライングティーポット」 And the music continues to evolve vol.29 「Dual Archeologism」 いやはや、自分で企画しておいて言うのも何だが、この日もすばらしいライブでしたね。「こういうものが聴きたかったんだよ!」という気持ちにさせてくれる出演者にはいつも敬服のいたりです。 斉藤圭祐のサックスは驚嘆すべき達成度。今回は叙情的な内向性

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          ダンス素人の見方⑩「空間をなぞる人たち」 江村夏樹といろんな人によるコンサート(ダンス:板垣あすか)

          江村夏樹(作曲・ピアノ) 近藤治夫(リコーダー) 板垣あすか(ダンス) 日仏文化協会・汐留ホール(新橋) *曲目 ピーター・スカルソープ:夜の曲集(3曲;1971) ゾルタン・コダーイ:ドビュッシーの主題による瞑想(1907) ジョン・ケージ:夢(1948) ダンスとピアノ マルコ・ファコーリ:パドアナが最初にマルチーナを指差す など3曲(1588) 江村夏樹:嘆きのアリア(2024)リコーダーとピアノ アーロン・コープランド:ピアノ変奏曲(1930) エルンスト・ブロッホ

          ダンス素人の見方⑩「空間をなぞる人たち」 江村夏樹といろんな人によるコンサート(ダンス:板垣あすか)

          ダンス素人の見方⑨ 「project muon no oto "無音音" vol.12」 五十嵐あさか、岡川怜央、古茂田梨乃、細川麻実子

          五十嵐あさか (チェロ) 岡川怜央 (電子機器類) 古茂田梨乃 (からだ) 細川麻実子 (からだ) 2024年5月29日(水) 祖師ヶ谷大蔵「カフェ・ムリウイ」 このムリウイという店、店主がかなりの通らしく、行くと必ず新しいダンスの才能と出会える。この日は以前に加藤チャーリー千晴との共演YouTube動画で知っていた細川麻実子を見ようと思ったのだが、今回は古茂田梨乃の踊りがすばらしかった。まったく未知の名前なので何の先入観もなかったのだが、まず柔らかいです。イソギンチャク

          ダンス素人の見方⑨ 「project muon no oto "無音音" vol.12」 五十嵐あさか、岡川怜央、古茂田梨乃、細川麻実子

          五十嵐あさか「チェロと声の音楽会~音みる夜 Vol.9~ チェロと小さいギター、声と歌、声帯模写による自作曲公演」感想

          2024年5月16日(木) 会場:ルーテル市ヶ谷ホール これはいわゆる「チェロ・リサイタル」ではない。歌の比率がかなり大きい。手ならしにモンテヴェルディを援用した小品、そして以前からのオリジナル曲を二曲。そのあとにカザルスの有名な「鳥の歌」を普通と異なる編曲で、カタルーニャの歌詞を歌いながら弾くという試みだった。荘重で重厚なクラシックの権化のように見なされがちなこの曲が、歌が入ると急に軽やかに、日常的になる。マイクを用いず、自然かつ「鳴りすぎない」ホールの響きは、ややもする

          五十嵐あさか「チェロと声の音楽会~音みる夜 Vol.9~ チェロと小さいギター、声と歌、声帯模写による自作曲公演」感想

          ダンス素人の見方⑧ DaKaTz 〈ウタ(dance)、ヨシア(bass)〉

          2024.5.15 MEETS presents 「ABBIE FROM MARS JAPAN TOUR 2024」 (https://meets.rinky.info/events/19823) DaKaTz:ウタ(dance)、ヨシア(bass) 大塚の「Meets」という初めて入る店。お目当ては「DaKaTz」! ベースの448(ヨシア)とダンサーのウタを中心にしたユニットで、存在は薄々知っていたが今になってようやく見ることができた。公式サイトにあるライト(照明)やサ

          ダンス素人の見方⑧ DaKaTz 〈ウタ(dance)、ヨシア(bass)〉

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉑ 「Tribute to 解体的交感」加藤一平、斉藤圭祐

          2024年4月16日(火)  大泉学園 in”F” (インエフ) 「Tribute to 解体的交感」加藤一平(g) 斉藤圭祐(As) これは「いい演奏」という以上に一つの「事件」でしたね。その目撃者は店主を除くと私を含め3人でした。「解体的交感」というのは1970年に出た高柳昌行と阿部薫のデュオ・アルバムのタイトルです。ノイズ・インプロの元祖ともいわれる内容。ぶっちゃけ、今やってる人は、海外勢も含めて、ほとんどはこれの模倣です。それの延長。そういう歴史的名盤の名前を出し

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          【漫画評論】藤本タツキ「チェンソーマン」第17巻を読む

          起き抜けに、それも朝飯前に一気に読んでしまった。 画力はあいかわらず荒れているが、話は一応進行している。じっくり練り上げて描く時間は無いということでしょう。ゆえに、作品としてすごく面白いわけではないのだが、すごくあがいています。ほとんど苦しまぎれの展開が続く。つまり、作者は重要なことを提起しており、そのことを理解する必要がある。 まず、現代ではヒーローという概念を解体しないと、ヒーロー漫画は成り立たない。ヒーローという現象はファシズムの源泉だからだ。ここまで自己言及的な作品

          【漫画評論】藤本タツキ「チェンソーマン」第17巻を読む

          ダンス素人の見方⑦ 小暮香帆『Body Weather』

          小暮香帆 作品『Body Weather』(ダンス専科2024 小暮香帆クラス) 出演:石井團、市橋杏子、大堂智子、城あすか、杉村心々虹、鈴木麻美、工田春、田中直美、寺尾茉理加、濱上香帆、翠月瞳、宮澤未佑、武藤杏実、渡邊愛蓮 2024年4月6日(土) 13:00の回 「神楽坂セッションハウス」 いやはや、いきなりここまでいいものを見られるとまでは思っておらず、驚異でした。今のコンテンポラリー・ダンスはこんな高度で複雑なことを、こんな風にさりげなく軽やかにやってしまうのか。し

          ダンス素人の見方⑦ 小暮香帆『Body Weather』

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から⑳ Kirsten Carey , 松丸契, 山本達久

          2024 / 03 / 11 (月) POLARIS(小川町) Kirsten Carey (guitar), 松丸契 (saxophone), 山本達久 (drums) 相場より高いチャージでドリンク代も別にかかるのだが、30~40代の客が中心に20名弱程度でテーブル席は満席でした。ファーストセットは山本がドラムにいくつか金具やおもちゃを乗せたり、松丸も機材を試すような面があり、実験色が強く、間合いの多い演奏で、途中でいきなり演奏を終わらせたりもした。山本と松丸はおそらく

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から⑳ Kirsten Carey , 松丸契, 山本達久

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から⑲ tsubaticsソロ

          2024年3月1日(金) TEN SOLOs tsubatics(b) 阿佐ヶ谷「阿佐ヶ谷天」 他にサックス、ベース、舞踏、ギターという四人の出演者のソロがあったが、ここでは tsubatics のエレクトリック・ベース・ソロについて紹介する。 今の彼は上り調子だ。見るたびに良くなっていますね。声も「発する」という感じになってきた。機材の使い方もいい。そもそも、エレキ・ベースのソロを表現として成立させるのは大変な力技だ。有名なのはジャコ・パストリアスだが、ジャコのテクニッ

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から⑲ tsubaticsソロ

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から⑱ テルピアノ(p) かずみんぐ(fl) 鹿野亮介(sax) アキオジェイムス(ds)

          2024年2月29日(木) テルピアノ(p) かずみんぐ(fl) 鹿野亮介(sax) アキオジェイムス(ds) 入谷「なってるハウス」 この日は、鹿野亮介というサックス奏者を知ることができたのが大きな収穫。サックスをしっかり鳴らすという基礎に抜かりがないうえに、私が植川縁の演奏で初めて見た現代音楽っぽい?奏法(厳密にいえば井上敬三やエヴァン・パーカー、カン・テー・ファンの録音で似たような音を聴いたことはあるのだが、正確なことはわからない)と、もろにジャズのバップのフレー

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から⑱ テルピアノ(p) かずみんぐ(fl) 鹿野亮介(sax) アキオジェイムス(ds)