野田光太郎

フリーペーパー「勝手にぶんがく新聞」40号を発刊しました。即興や歌手のライブを企画した…

野田光太郎

フリーペーパー「勝手にぶんがく新聞」40号を発刊しました。即興や歌手のライブを企画したり、音楽サイト「jazz tokyo」に寄稿などで批評活動をする。

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  • And music continues to evolve

    即興ライブ記録

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ダンス素人の見方⑫ よしプロ「あけがらすズ」 

よしプロ「あけがらすズ」 「BUoY」(東京都足立区千住仲町) 2024年8月31日(土) 〜 9月1日(日) 柳家小春(三味線、唄) 河崎純(コントラバス) 阿竹花子(ダンス) 阿部満世(身体表現) 亞弥(舞踏) 今村よしこ(ダンス) 岩崎一恵(ダンス) 金子和世(ダンス) 平井光子(俳優) ほりえしんじ(ダンス) ○ヰ△(C.I ) ヤスキチ(C.I ) 振付構成・今村よしこ(よしプロ) https://yhdpyoyoyo.wixsite.com/-site 9

    • 【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉗ tsubatics、小山和朗

      2024/08/29(木) TEN SOLOs 会場「阿佐ヶ谷天」(杉並区阿佐ヶ谷) 出演: SANAWANA(g)、cixa(canoice)、YUTASTAR(g)、tsubatics(b)、小山和朗(g,rb,synth) *SANAWANAはこの日は欠場でした。 tsubatics による、ソロの即興演奏を集めた企画。彼は持続的に開催しているし、出演者もビギナーからベテランまで目配りして毎回組み合わせてある。「インプロ」の認知度を広めつつお互いにレベルアップを目

      • 【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉖ パンク・バンド「桃鏡」について

        2024年8月17日 土曜 桃鏡(じょん vo, e-g. 千草 ds, cho. おさむん e-b.) ねたのよい 国立「地球屋」 新生なった「桃鏡」に新しく若いベーシスト「おさむん」が参加、今回は思いがけないところでファンキーなベースラインをかけ合わせるなど、いろいろな仕込みをしてくれたおかげで、曲のイメージが塗り替えられたり、オリジナル・メンバーの二人が煽り立てられるような面もあり、これまでのスタティックで完成された世界に替わり、不安定だが刺激的で「ロック

        • 【漫画評論】藤本タツキ「チェンソーマン」18巻の感想、「第二部」迷走の理由を説き明かす

          「チェンソーマン」18巻読了。 画力は回復していない、というか、ネームが煮詰まっていてていねいに描いている時間がないのだろう。あちこち雑になってます。チーフのアシスタントが抜けたらしく、以前の売りだった大ゴマを使ったアクションシーンや「AKIRA」ばりに壮麗に描きこんだ背景もない。しかし人物の表情なんかはやはりうまいです。 話は迷走を重ねているが今回はとりあえず前に進んではいる。もはや何が「前」なのかわからない感じですが。苦し紛れで行き当たりばったりの展開といえば第一部から

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        • 【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉗ tsubatics、小山和朗

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          ダンス素人の見方⑪ Government Alpha+田中直美+今井琴美+白鳥雄也

          岩屑流 vol.2 即興者: Government Alpha (Noise/Electronics) + Naomi Tanaka, Kotomi Imai, Yuya Shiratori (Contemporary Dance) opening / closing dj:jam (地底都市アガルタ) まさにまさに、これぞアンダーグラウンドという店で、めちゃめちゃカッコいいダンスを見る。こういう場所に自分のような人間が足を運ぶようになるなんて、面白い。 暗い。何が起ころ

          ダンス素人の見方⑪ Government Alpha+田中直美+今井琴美+白鳥雄也

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉕ 角裕子カルテット

          7月13日、大阪府・道頓堀川沿いの「Garth Music Live & Bar(ガースミュージックライブ&バー)」へ。角裕子カルテットを聴く。 角の演奏を聴くのはじつに十年ぶりになる。彼女は東京のジャズ・イベントの路上演奏コーナーで活躍していたアルトサックス奏者で、その当時はウォッシュ・ボードやバンジョー、ハーモニカなどと一緒にジャグ・バンドに入っていた。ジャグというのは、替え歌や演奏の合間に軽妙なしゃべりが入って笑いを誘うような、ちょっとボードビリアン風のバンドで、その

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉕ 角裕子カルテット

          ライブ自主企画の記録

          And the music continues to evolve vol.1 2020年1月19日 鈴木美紀子(Vo, guitar) 小川京子(EG, Vo) 本田ヨシ子 (voice, vocalization) 清水亮司(Drums) 阿佐ヶ谷「Yellow Vision」 And the music continues to evolve vol.2 「Conference of the birds ~即興演奏と詩の朗読の夕べ」 2021年2月21日 加藤チャ

          ライブ自主企画の記録

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉔ 「アコースティックランデヴー」 松岡美穂(daTTTo) 、川口純平(断絶交流)、丸橋ミケ(黒猫財閥)、アンカライズ、じゅんじゅん×吉美四季

          〈出演順〉 松岡美穂 (daTTTo) 川口純平 (断絶交流) 丸橋ミケ (黒猫財閥) アンカライズ じゅんじゅん×吉美四季 2024年7月11日 「三軒茶屋HEAVEN'S DOOR」 今言いたいこと、言うべきことを全力でぶつけてくる姿勢がすがすがしい松岡。ライブハウスで「優れた男性ボーカルが少ない」と言ってたら、隣の人から「いいよ」と言われていた「断絶交流」の川口は、吉田拓郎と吉幾三を同時に感じさせる暑苦しさが好ましい。「サンボマスター」とかが好きな人は気に入るだろう

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉔ 「アコースティックランデヴー」 松岡美穂(daTTTo) 、川口純平(断絶交流)、丸橋ミケ(黒猫財閥)、アンカライズ、じゅんじゅん×吉美四季

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉓ アボカドチーズ(梶山真代・島千晶)

          梶山真代 (fl) 島千晶(p) 2024年7月7日 豊島区東長崎・某所 梶山真代さんのクラシックのミニ・コンサートへ。自分はクラシックは未知なので批評とかいうことはなく、ゆっくり楽しんできました。だからレビューなどは書けないのだが、自分がクラシックを聴くのは珍しいことだし、記録していかないとどんどん忘れてしまうので文章を残しておく。会場はお客さんが入っても最大10名程度の規模なので、これも「アンダーグラウンド・シーン」の一部ではあるだろう。 この日は自分が知らないいろい

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉓ アボカドチーズ(梶山真代・島千晶)

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉒ 斉藤圭祐、チェロしおり

          斉藤圭祐 (alto sax) チェロしおり(cello) 2024年7月4日 江古田「フライングティーポット」 And the music continues to evolve vol.29 「Dual Archeologism」 この記事は校正して以下のサイトへ転載しました。

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          ダンス素人の見方⑩「空間をなぞる人たち」 江村夏樹といろんな人によるコンサート(ダンス:板垣あすか)

          江村夏樹(作曲・ピアノ) 近藤治夫(リコーダー) 板垣あすか(ダンス) 日仏文化協会・汐留ホール(新橋) *曲目 ピーター・スカルソープ:夜の曲集(3曲;1971) ゾルタン・コダーイ:ドビュッシーの主題による瞑想(1907) ジョン・ケージ:夢(1948) ダンスとピアノ マルコ・ファコーリ:パドアナが最初にマルチーナを指差す など3曲(1588) 江村夏樹:嘆きのアリア(2024)リコーダーとピアノ アーロン・コープランド:ピアノ変奏曲(1930) エルンスト・ブロッホ

          ダンス素人の見方⑩「空間をなぞる人たち」 江村夏樹といろんな人によるコンサート(ダンス:板垣あすか)

          ダンス素人の見方⑨ 「project muon no oto "無音音" vol.12」 五十嵐あさか、岡川怜央、古茂田梨乃、細川麻実子

          五十嵐あさか (チェロ) 岡川怜央 (電子機器類) 古茂田梨乃 (からだ) 細川麻実子 (からだ) 2024年5月29日(水) 祖師ヶ谷大蔵「カフェ・ムリウイ」 このムリウイという店、店主がかなりの通らしく、行くと必ず新しいダンスの才能と出会える。この日は以前に加藤チャーリー千晴との共演YouTube動画で知っていた細川麻実子を見ようと思ったのだが、今回は古茂田梨乃の踊りがすばらしかった。まったく未知の名前なので何の先入観もなかったのだが、まず柔らかいです。イソギンチャク

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          五十嵐あさか「チェロと声の音楽会~音みる夜 Vol.9~ チェロと小さいギター、声と歌、声帯模写による自作曲公演」感想

          2024年5月16日(木) 会場:ルーテル市ヶ谷ホール これはいわゆる「チェロ・リサイタル」ではない。歌の比率がかなり大きい。手ならしにモンテヴェルディを援用した小品、そして以前からのオリジナル曲を二曲。そのあとにカザルスの有名な「鳥の歌」を普通と異なる編曲で、カタルーニャの歌詞を歌いながら弾くという試みだった。荘重で重厚なクラシックの権化のように見なされがちなこの曲が、歌が入ると急に軽やかに、日常的になる。マイクを用いず、自然かつ「鳴りすぎない」ホールの響きは、ややもする

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          ダンス素人の見方⑧ DaKaTz 〈ウタ(dance)、ヨシア(bass)〉

          2024.5.15 MEETS presents 「ABBIE FROM MARS JAPAN TOUR 2024」 (https://meets.rinky.info/events/19823) DaKaTz:ウタ(dance)、ヨシア(bass) 大塚の「Meets」という初めて入る店。お目当ては「DaKaTz」! ベースの448(ヨシア)とダンサーのウタを中心にしたユニットで、存在は薄々知っていたが今になってようやく見ることができた。公式サイトにあるライト(照明)やサ

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          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉑ 「Tribute to 解体的交感」加藤一平、斉藤圭祐

          2024年4月16日(火)  大泉学園 in”F” (インエフ) 「Tribute to 解体的交感」加藤一平(g) 斉藤圭祐(As) これは「いい演奏」という以上に一つの「事件」でしたね。その目撃者は店主を除くと私を含め3人でした。「解体的交感」というのは1970年に出た高柳昌行と阿部薫のデュオ・アルバムのタイトルです。ノイズ・インプロの元祖ともいわれる内容。ぶっちゃけ、今やってる人は、海外勢も含めて、ほとんどはこれの模倣です。それの延長。そういう歴史的名盤の名前を出し

          【ライブ・レビュー】アンダーグラウンド・シーンの現場から㉑ 「Tribute to 解体的交感」加藤一平、斉藤圭祐

          【漫画評論】藤本タツキ「チェンソーマン」第17巻を読む

          起き抜けに、それも朝飯前に一気に読んでしまった。 画力はあいかわらず荒れているが、話は一応進行している。じっくり練り上げて描く時間は無いということでしょう。ゆえに、作品としてすごく面白いわけではないのだが、すごくあがいています。ほとんど苦しまぎれの展開が続く。つまり、作者は重要なことを提起しており、そのことを理解する必要がある。 まず、現代ではヒーローという概念を解体しないと、ヒーロー漫画は成り立たない。ヒーローという現象はファシズムの源泉だからだ。ここまで自己言及的な作品

          【漫画評論】藤本タツキ「チェンソーマン」第17巻を読む