彼を支配しているのは。

ダンッ、ダンッ、ダンッ、ダンッ。鈍い音が夜の路地裏に響き渡る。嫌な想像を掻き立てるそこは、能面を付けた僕が行かなくてはならない場所だ。忍足で近付いて、恐る恐る覗く。街灯の下。血塗れの男が倒れていた。それを見下ろす、口元だけを覆うガスマスクを付けた男。彼を支配しているのは、憎しみ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?