それでもいいと思えた。

初めて、街の空気を美味いと感じた。悪意と狂気と暴動で汚れた夜はただの毒だった。そんな害悪な酸素を全細胞が喜んで吸っていた。被り物も武器も何もかも、あの地獄に置いて来た。
「あはははは!」
「あぁぁぁ……」
笑い狂う相棒と正気を失った大男。
「ふっ、ふ、ふ……」
それでもいいと思えた。

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