ただの廃人だ。

重い扉を開ける。異臭が漂う。鼻がぶっ壊れる程のイカれた臭いが好きだ。人間が正気を保てなくなったサインのようだから。壁に頭を打ち付ける大男の元へ。側にボロボロになったパンダのマスクが転がっていた。奴はもう何者でもない。ただの廃人だ。奴の頭を捻り潰そうとした時、俺の右腕が溶け始めた。

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