色気を感じない。

夜の路地裏。街灯の下に男が立っていた。彼はとても綺麗な顔をしていた。サラサラな黒髪、高い鼻、左目の斜め下辺りと顎にある黒子。だけど、色気を感じない。答えはすぐに分かった。ボクは男を壁に押さえ付けた。
「なぁ……笑えよ」
男はピクリとも表情を動かさない。ボクは硝子の破片を奴の口元へ。

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