笑えるじゃないか。

ボクは美しい顔をした男の左側の口角を、硝子の破片で斜め上に裂いた。綺麗な形の頬に赤黒い線が刻まれる。虚ろだった男の目に黒く濁った光が宿った。
「あはははははは!」
突然、男が狂ったように笑い出した。
「この街ではなぁっ、まともな奴から死んでいくんだぁっ!」
何だよ。笑えるじゃないか。

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