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「ルーティン」はとても大事です。

ルーティン(ルーチンとも)というコトバの元は、「道」「決められた道」を意味する”routine”だそうです(よくみれば、”route”ルート、という文字が入ってますね)。
プロアスリートが行う「儀式」のような所作を表現するときにも使われますし、有名人が「モーニング/ナイト・ルーティン」というタイトルであげている動画も目にします。これらは、「ゲン担ぎ」や「習慣」と近い意味で使われ、比較的プラスのイメージです。
一方、仕事・業務で「ルーティン・ワーク」というフレーズは、ややマイナスイメージの文脈で使われることもあります。「きまりきったこと」「創造・クリエイティブとは対極にある」のように...ホントにそうでしょうか?仕事における「ルーティン」を今一度見つめなおしてみます。


「きまりきったこと」を、あたりまえに遂行する大切さ

「ルーティンはデジタル化して機械に任せて、ヒトはクリエイティブな場面に時間とアタマを使おう」と聞くと、なんだか創造的な、新しい、発展的な気持ちになるかもしれません。が、(古いタイプなので)私としては、どこか違和感を感じてしまっています。「ルーティン」を自力でこなせるようになってこそ、次の段階としての「クリエイティブ」が活きる、と考えています。
ルーティン=土台・基礎であって、ここをアタマだけではなくカラダで覚える、滞りなく進められることができて初めて、それを効率化するアイデアや、それを拡げるアイデアを持てる、と思います。もちろん、アイデアを実行する推進力、実行力、あるいは調整力は「実現」のためには必須です。その前段階、どのようなアイデアを組み立てるか、そのアイデアが継続性があって、本質的なものかどうか、はルーティン=土台・基礎ができているか、にかかっています。


「基礎ができている」からこそのアイデア

ルーティンを愚直に繰り返してきた人から出てくるアイデアは、効率化であったり、拡張性であったり、その業務に基づいた改善点が「見えている」ことが多いです。基礎がない(経験していない)ところから出てくるアイデアは、少々表面的な、流行に乗った、刹那的な、ということに陥りがちです。
あくまでも「ルーティン」という土台=1階部分があって、そのうえに「創造的な付加策」という2階が”しっかりと”乗っかる、というイメージ。どんなに斬新な、最先端な(イメージの)「2階」があっても、土台・1階がスカスカならうまく乗せることができない、グラグラしてしまう、ということになりかねません。
そして、多くの場合、「新たに2階を建てる」よりも「1階をリフォームする」方がベターです。土台をより強固にする、という意味です。「見た目」としてはマアタラシサは感じない分、つまらなく思えちゃうこともありますが、何が起こるかわからない「未来」に向かっては、1階を「より強く、美しくする」ことこそが、最良のソリューションです。


「ルーティン・ワーク」に誇りをもつ

新しい、創造的な、という点だけで「ルーティン・ワーク」をヒクくみるようなことがあっても、信念を持って「ルーティン」していきましょう。考えてみれば、世の中は「偉大なルーティン」で成り立っています。電車やエネルギーなどのインフラだって、会社の中で行われるルーティンだって、「それがなければ始まらない」大事な仕事なんです。慣れ、という習性によって「あたりまえ」のことが見えにくくなってしまうこともありますが、「あたりまえ」のことを愚直に、真摯に、そして「前向き」に進めていける力、これこそが全てを支えているんです。ルーティンが「あたりまえ」にできている人、かっこいいです。プライドをもって歩んでいきましょう。


世の中の「変化」はあるけれど

直近、社会環境の変化が大きく、「ひとつの土台を強化する」ことよりも、「複数の土台を作ること」が推奨されている傾向が見えます。時代の流れ、これはこれで「正」なのでしょうが、土台を作る、というのはそんな簡単なことではありません。それ相応の時間、オカネ、ヒトが必要であるということを覚悟することが肝要かと思います。
「アドホック」「スポット」「イレギュラー」「非定型」にどう対応するか、そのフレキシビリティが求められる時代になっても、「基礎・基本を強固にする」考え方は変わらないはずです。


少し意味合いは違うかもしれませんが、北海道球団の”ビッグボス”が会見で話していたコトバに、ルーティン・基礎・土台の重要性を垣間見た気がします。
曰く、


『人間性というものが大事であって、人の悪口を言わない、いただきます、ありがとうございました、の言える選手は育てていきたいですね。』

『夜、他人が寝ている時に練習すればいいんですよ。厳しくさせるつもりはない。僕がやってほしいことをすれば厳しくなるだけ』


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