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「過ぎる」ことはよくない。じゃあ、どこからが「過ぎる」なの?

気温があがり、夏・湿気の季節とマスク生活の折り合いが必要になってくる時期。水分補給の必要性も言われます。マスクをしなくてよい(しないようほうがよい)新しい「基準」も示されました。
暑い季節に必要な水分補給も、感染症対策も、「過度」になるとよろしくない事態になってしまうこともあります。「程度」「バランス」が大事になりますね。この「バランス」を考えてみようと思います。

「ほとんど」の基準

厚生労働省によれば、
・他者との距離が確保できていて、会話がほとんどない場合
にはマスク必要なし。
・通勤電車など、距離が確保できない場合で、会話をほとんど行わないとき
は着用を推奨、ということです。
距離と会話がキーになっているようです。その中でも「会話」をするかどうか、がポイントのようですが、
ほとんどない、ほとんど行わない
この程度が難しい。まったく、ではなくて、ほとんど、なんですね...ひとことふたこと、というレベル感に、私はイメージしますが、中には「30分行動しているうちの5分間なら”ほとんどない”に当たる」と解釈する人もいるかもしれません。
個人的には、高齢者に接することも多いし、高齢者施設に行くこともあるので、周りの方がそれぞれの解釈で「はずす」以上、これまでよりも「厳重に」対応するしかない、と考えています...

水分補給も過剰だと...

梅雨時、真夏を控えている時期、「水分補給」が気になってきます。「熱中症」が毎日報道されるようになると、水分補給の大切さを改めて感じるようになりますが、一度に過剰な水分を摂取すると、「水中毒」という中毒症状の心配があるそうです。
出ていった水分量と摂取する水分量のバランスを意識しながら」
ということですが、これは難しいですね...「出ていった水分量」は、環境や気温、体質、体調によって異なります。のどが渇いた、と感じたら、あるいは感じそうになったら、という「感覚」に頼るしかなさそうです。

運動も、そしてお酒も

水分補給と関連して、運動量も「バランス」が大切になります。体調管理やストレス解消のためにカラダを動かすことも、体質・体調・環境を考慮して判断することになります。これも明確な基準、というよりも「ムリをしない」程度、に感覚を身につける必要がありそう。
そしてお酒に関しては、これも体調・体質と自覚をバランスよくコントロールする必要がありそうですが、これをコントロールするのは、大変難しいようです。「ここまで」という基準や目安が最も設定しにくい、そして設定しても守りにくい分野である気がします。

「○○(し)過ぎる」ことはよくない。わかっちゃいるけど...


いくつか例で挙げたように、「過ぎる」「過剰」「過度」はよくないことが起こりそうです。バランスが大切なのは、すごく理解できます。できますが、その基準(ここを超えてはいけない)は、他の人から言われる前に、自分で(体調、体質、経験、知識などを考慮しながら)決めることになりますね。昨日と今日で違う、ということも当然にありそうです。

この「判断」は、(今の)AIではできないものと思われます。数字で「線引き」していくデジタルの苦手な領域なのかもしれません。人間の持つ感覚、人それぞれが違ってあたりまえの
「塩梅」
が大切なので、「50%ならこっち」というデジタル思考ではなく、「この状態を、今の自分ならこう判断する」という、ちょっとした曖昧さと、決める力がポイントかもしれません。AIが進化しても、この分野は「人それぞれの判断」のほうが優位な気がします。

そして、おそらく他の場面でも、例えばビジネスや人との付き合い方も、この「感覚」「人それぞれの判断」が大事になる場面がありそうです。相手がどういう環境、感情、コンディションかはわかりません。でも、こうじゃないかな、と推測することは(たとえその推測の根拠がアヤシイとしても)人間の”なせるワザ”だと信じます。

冷静に、客観的に、「何が大切か」を考えながら、その都度、置かれた状況に応じて考えていかねばならない...難しい、難しいけど、これができるのが、「オトナ」「できるオトナ」そして「気配りできるオトナ」なのかもしれません。

※自分自身の「感覚」で進めていければいいかな、と。
のどがかわけば水を飲む。危険を感じたらマスクする。「ちょっとだけ過剰」くらいなスタイルで生活しようと思います。


過ぎたるは猶及ばざるが如し

論語にある言葉で、「孔子が二人の門人、子張と子夏とを比較して中庸の大切なことを述べたもの」だそうです。おおよそ2,500年前。人間、大事なところは何年経っても、文明が発展しても、変わらない、ってことですね。


※「過ぎる」に関する余談


もう50年も前のこと。小学生時代、国語の授業。
「~に過ぎない」という言葉を使って例文を作りなさい。という問題に対する、
ともだちA君の回答を、今もなお、はっきりと覚えています。

「肉じゃがは、煮過ぎない

鼻血がでるほど、笑った記憶が...


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