自然な相槌 オージー学生の日本語学習
自然な相槌、うってますか。
こちらの大学受験科目『日本語』の口頭試問では、面接官と受験生が日本語で会話するのですが、そこで重要なのは「自然な相槌」なのです。
自然な相槌...!?
そんなの日本で、例えば...就職試験の面接の時に「自然な相槌が重要」なんて習いましたっけ?
フォーマルな相槌とは、といえば、「そうですね」「そうなんですね」「そうなんですか」ってことになるんですかね。
そうですね。
だから、オージーの学生は「そうですね!」の相槌を練習します。「笑っていいとも」みたいですけどね。
そうですね。
私の姉は大学に入った途端に、何を思ったか真剣に学生運動を始めた人で、その後、一緒に道を歩いていても、すぐに「あ、あの人」と公安の人を見つけるので、気が散ってしょうがなかったんだけど、やはり、そういう組織の中ではむやみに人の考えに与するのはよしとされていないのか、「思ってもいないことに相槌を打つのは愚の骨頂」と思ってる風で、たまに、どうでもいい話題で、私が2時間くらい「そうなんだ」を繰り返していたら、怒りのあまりなんだか白い顔をして黙ってしまったことがありました
ウィキペディアによると「相槌は聞き手が会話に積極的に参加していることを示すことで話者を安心させるものとされる」ということだし、「餅つきの水」みたいな役割なんだから、とりあえず打っていればいいんじゃないかと思うんだけど。
母国語以外の相槌って難しいですね。
最初にオーストラリアに来た頃、一番悩んだのは相槌でした。
「Yes」「No」ではない、相槌。途中で、「Yeah」を繰り返すのにも飽きて、なんて言っていいかわからずに、「ハイ」「ハイ」って言ったら相手がすごく驚いた。そりゃそうですね、会話していた相手が急に「Hi!Hi!(コンニチハ!)」叫びだすんですもんね。
飽きもせずNetflixの話ですが、Netflixではアニメに力を入れていて、『ジョジョの奇妙な冒険』も最近始まったのです。だから、オージーの高校生たちも、今まで特にアニメ好きでもなかった人も、こぞって『ジョジョ』を見始めているのです。そして、今の若者はアニメを吹き替えで見ることをよしとしないのです。字幕で見るのです。
それがどういうことかと言いますと、オージーの高校生が「オラオラオラオラ!」とか「ムダムダムダムダムダ」とか「やれやれだぜ」と言い出すわけですね。これらのフレーズはたぶん、耳で音をとらえやすく、そして発音も容易なのでしょう。意味も分からず、相槌みたいな感じで発する高校生もいる。
しかし、こうして新しい目で見てみると「やれやれだぜ」というフレーズはわりとどんな会話の中でも相槌として成立するというか
「この資料明日までにお願いします」とか「ごはんまだ?」とか、わりといろんなシチュエーションの中でも収まるんですね、いや、自分が言われる側だったら腹が立ちますけど。