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東証一部のミドルマネジメントから、スタートアップ1人目PMへの転職で変わったこと

こんにちは。プロダクトマネージャーのたけまさです。
プロダクトマネージャー Advent Calendar 2021の5 日目の記事です!

シリーズA/Bのスタートアップの報酬水準が、上場企業と遜色ないレンジに上がっているのを採用活動で実感します。背景としてあるレベル以上の人不足があるのだと思います。そんな背景もあり、

「成長した企業のミドルマネジメントから、スタートアップへの転職」のダウンサイドが驚くほど改善されているケースが増えています。

キャリアの選択肢の1つとして増えていくのではないでしょうか。転職の課題設定は人それぞれだと思います。

・一定専門性を身につけたので、自分の新しい価値に挑戦したい
・CxOが同世代で転職以外に次のロールに進む方法ない
・SOで働く時間と報酬にレバレッジをかけたい
・創業メンバーとして、ビジョンや文化からつくっていきたい など

今回はいざスタートアップへの転職で何が変わるのか?
仕事における3つの変化
・役に立っている過去の経験
についてお話します。成功でも失敗でもない等身大の事例です。

前提.私の環境変化

私は産業変革プラットフォームのラクスルから、異常検知AIのアダコテックに1人目のプロダクトマネージャーとして転職しました。

【環境の変化 Before → After 】
・会社:ラクスル → アダコテック 
・事業フェーズ:東証一部 → シリーズA
・従業員規模:400人 → 11人
・在籍期間:4年半 → 3ヶ月
・ロール:ミドルマネジメント → 経営(CPO候補)

⑴時間軸と向き合う日常になる変化

1番大きな変化はここです。日常の中で現在と未来の時間軸について向き合う機会が増えました。常にアタマの片隅で積上と逆算を行き来しています。

寿命=資金限界があるスタートアップは、目の前のことを一生懸命だけで成功は難しい。なぜなら現在の活動の成功/失敗や投資対効果を決めるのは、時間差のある未来だからです

・どの時間軸で最大成果を出すかを定めて、そこに至る段階と状態を設計
・無数にある目先の選択肢から未来につながるアクションを実行する

前職事業責任者時代の時間軸と向き合うタイミングは、年度やQごとの計画など節目の感覚でした。今思えば優れたCxOたちが常に時間軸と向き合っていたから、自分は現在と少し先に意識を集中することが出来ていたという実感があります。

⑵ビジョンを作る力が問われるようになる変化

大企業に比べて信頼も実績も安定もない小さなスタートアップが、お客さまに声をかけてもらえるためには何が必要しょうか?

顧客課題の解決だけではなく「産業の未来を描いてビジョンとして提示できる者」である必要があると感じています。

  • 業界の未来のWhy/What/How

  • まだ誰も整理していない世界の散らばった事実を集めて、誰もが実現を信じられる世界を強度をもって描ける能力

スタートアップは社会と共同で描いた幻想を、仲間と資本をあつめて、顧客と共に事実として実装していく面白さがあります。

⑶成果(中長期と短期)と向き合い方の変化

一方で、1人が中長期成果と短期成果を両立する難しさも感じています。

アクションと成果に大きな時差がある職種や、ハイレイヤーかつ部下がいないタイミングの入社ほど難しさがあるかもしれません。

中長期成果との向き合い方

私の鑑賞領域であるプロダクト開発では中長期で最大成果をだすことに集中しています。基本的にプロダクトは成果が中長期の時間軸で動くからです。成果を急いで小粒な球を仕込みたい気持ちと日々戦っています。笑

事業計画に紐づけてプロダクトロードマップや開発計画の策定、投資のリソース配分や調達、未来につながる開発/改善を開発チームと行っています。

短期成果との向き合い方

シリーズAでPMが入社後数ヶ月で大きな成果を作るのは難しいです。なぜなら成果をつくるための開発リソース、ユーザー数、データ量もスケールした企業に比べてまだ小さいためです。レバレッジを効かせられる資源がない。

個人的には短期成果は30%位のリソースで、やりたいけどやる人いないボールを拾う、短期成果が出せる人たちにレバレッジを効かせられる立ち回りを心掛けています。採用、事業開発、業務フローの整理、営業資料やLPの作成、リスティング広告の運用など何でもやっています。笑

小さなスタートアップへの転職で役にたつ経験

管掌領域の責任者の経験

事業や管掌領域の責任者として、ヒト/モノ/カネを調達して動かした経験。スタートアップの1人目になる前に、強いCxO達の下で挑戦できた経験は本当に役に立ちます。今となっては昔に言われたことが身に沁みます。笑

採用オーナーの経験

前職が「自分の仲間は自分で採用しましょう」という採用オーナー制でした。現在の採用市場を生き抜くために必要なスタンスと技能が身につきます。このフェーズで仲間が1人ふえるインパクトは本当に大きい!

成長フェーズの企業で働いた経験

次にやるべきことがクリアだったり、問題が起きても一通り経験して入れば「はいはい、またこれね。こう対策しましょう」とタイムマシン的な立ち回りができます。

一定規模の大きなグロースを達成した経験

グロース感覚は成長企業の成功しやすい環境で身につけておきたい。これは個人能力だけでなく、いつどこにいたかも要因として大きいので。新規事業の立ち上げの繰り返しと、グロースは使う脳みそと筋肉が違います。

最後に

以上、等身大の事例でした。正解はない世界ですが、スタートアップへの転職は新しい社会課題と仕組み、自分の価値に挑戦したい方の1つの選択肢になると思います。一方でどんな職種でも1人目入社は専門性に集中できる環境が整っていないのも事実です。自分への課題設定次第ですね。

私自身も新しい目線の獲得で「違うフェーズの成長期に入ったなぁ」という実感もあり日々の課題に取り組んでいます。


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