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延藤 直也
2022年8月26日 22:44
身体は急いでも、心はゆっくり。急かされても、忙しなくても、ゆっくり、ゆっくりゆっくり。急ぎながらゆっくり、ゆっくりしながら、急ぐ。ゆっくり急ぐ。
2022年8月31日 16:54
蝉が鳴き、扇風機が回り、素麺が湯がかれ、スイカが切られ、鉛筆を走らせる。夏が暑さを残そうと最後の力を振り絞っている中、ぼくは宿題を残さまいと最後の力を振り絞る。右手小指の側面を真っ黒にして、秋を迎えに行く。
2022年8月30日 10:03
雲の上に浮かんで雲の中に紛れて雲の下に落ちていく。街行く人間のちっぽけさと青く広がる空の雄大さの間を行ったり来たりする。離陸してから着陸するまでに、あの日あの場所あの人あの事をひとつずつ思い出に綴じていく。
2022年8月29日 18:47
帰る場所がある、それだけ、それだけ。それだけで、ひとはまた明日昇る朝日を迎える勇気を持てる、それだけでいい。
2022年8月28日 08:26
わたしとあなたで囲む食卓、わたしだけでもあなただけでもない。わたしとあなたで囲む食卓、わたしとあなた以外にはいない。わたしとあなたで囲む食卓、盛れても映えてもない。わたしとあなたで囲む食卓、さめてもあたたかい、いそがしくてもゆっくり。
2022年8月27日 12:59
完壁じゃなくてもいい。完壁じゃないからいい。失敗しても間違えても挫かれてもいい。完壁よりももっと大切なものがあるから。完璧を間違えて完壁と書いてしまうくらいがちょうどいい。
2022年8月24日 12:25
フォークで食べると空腹感が残る、気がするから、皿を持ち上げて箸で啜って食べると満腹感を得られる、気がする。和えるだけだから、せめて目玉焼きを乗せるとほんの少し手作り感が出る、気がする。
2022年8月23日 11:28
固く心を決める、気持ち新たに強く踏み出す、いつもより一歩が遠く一歩が速く一歩が軽い、少ししてじんわり沁みる。
2022年8月22日 16:25
開かれた空より閉ざされたアスファルト、姿勢良く優雅に飛ぶ渡鳥より泥に塗れて地を這う虫、雨上がりに空を彩る虹より何者でもない自分を映す水たまり、何億光年か先にある北斗七星より今ここに落とされたいろはすのペットボトル、年一度人に見られながら打ち上がる花火より日当たりの悪い脇道に人に踏まれ曲がって咲くたんぽぽ、下見て俯いて。
2022年8月21日 20:08
ものはもの、ひとももの、おれのものはおれのもの、おまえのものもおれのもの、Vネックシャツの胸元に掛けたサングラスが黒より黒い。
2022年8月20日 09:03
大人は歩く。こどもは止まる。大人は走る。こどもは躓く。大人は見切る。こどもは待つ。大人は下向く。こどもは前向く。大人はぶつかる。こどもは掻い潜る。大人は赤に苛立つ。こどもは白を飛んで遊ぶ。大人は一歩を急ぐ、こどもは一歩を噛み締める。大人は渡り切った先の未来を歩く。こどもは渡っている今ここを歩く。
2022年8月19日 07:42
見た目は悪い、品数は少ない、冷めている、それなのに、おいしい、おなかいっぱい、あたたかい。
2022年8月18日 10:38
大きいから良い、広いから良い、多いから良い、んじゃなくて、小さくても狭くても少なくても、繋げて拡げて積み重ねて、自分にちょうどよく。
2022年8月17日 08:40
点を打つ、点を打つ、点と点が繋がり線になる、点を打つ、点を打つ、点と点が繋がり線になる、点は途切れず繋がり続けて線になる、点は点で終わらず繋がり続けて線になる、今の点も過去の点も未来の点も線になる。