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高2の娘がバイトをしたいと言ってきた。

娘:「お父さん、話があって、ちょっと聞いてほしいんだけど。」
父:「なになに、どうした?」
娘:「バイトしたいんだけど・・」
父:「バイト?!(いまのその低い成績でか?の表情で)」

この4月から高2となったJKの娘。まあ学校の勉強はさておき、部活でダンスをがんばっているようだ。自ら立候補して部長にもなったらしい。自分が高校生の時にサッカー部のキャプテンをやっていた父としてはその話を聞いた時、とても誇らしい気持ちになった。周りからの推薦ではなく、自ら立候補したというその自主性も嬉しい。娘のそのリーダーシップにはリスペクトの眼差しだ。娘は27歳も年下だがリーダーシップに年齢は関係ない。

そんな娘がある時部活中にスマホを落としてしまい、液晶画面にヒビが入ってしまった。落とした瞬間は”パン”と乾いた音がしたらしい。父も何度か落としているからその乾いた音の感じはよくわかる。スマホの液晶の左側に黒い線が入ってしまっているが、今はまだ使えるは使えると。でも画面が真っ暗になって使えなくなるのは時間の問題だろう。もちろんわざと落としたわけではないから、新しいスマホに買い換えてあげないとしゃあないな、と父は思っていた。

娘:「買い替えるんならまたアイフォンがいい。」
父:「アイフォン高いんちゃうん?アンドロイドでもええんちゃうん。どうせ使い道はLINEで連絡とりあったり、写真撮るぐらいちゃうん?」
娘:「いやアイフォンがいい」
父:「なんならインスタとかTIKTOKとか、最近だらだらとスマホばっかいじって、だから勉強する時間も無くなってるんちゃうん?」
娘:「・・・」

父である自分もスマホでYOUTUBEとかはよく見る。しょうもない動画もたくさんあるが、勉強になる・学びの多い動画もたくさんある。学校の勉強がつまらないというのであれば、神授業をしてくれるイケてる教育系YOUTUBERもいっぱいいるからそういう人から学んでくれたらそれでよい。とにかく何とはなしに漫然とYOUTUBEやTIKTOKのレコメンドのアルゴリズムにまんまと乗ってだらだらと時間を過ごすことだけはしてほしくない。ある程度の意志の強さが無いと「スマホの動画ついつい見ちゃう無限の沼ループ」にすぐにはまってしまうから本当に要注意だ。

とはいえ、娘も今どきのデジタルネイティブのJKど真ん中。スマホが無いと友達関係の維持も難しいだろうから、それが無い生活は考えられないだろう。少々出費がかさんでもやむを得ないな。「しゃあなしやで」と言いながら新しいアイフォンを買ってあげて、「お父さんありがとう」と言われたい。”お父さん大好き!”って思われたい。とも思ったりもする。娘がかわいい親バカの父としては。

ところが数日たってから、娘が「バイトをしたい」と言ってきた。「自分でバイトしてお金を貯めて、アイフォン代を少しずつ返していくから」と。「アイフォンのお金だけでなく、友達と遊ぶのにもっとお金が必要なの」と。学校の授業もあって部活もやってバイトもやって・・・娘よ、自分の生活をちゃんとセルフマネジメントできるか? これ以上赤点とることになったらちゃんと卒業できるんか??

「自分がやるべきことがたくさんあった方が頑張れる気がする」と娘は言う。
お金を稼ぐというのはそんなに簡単なことじゃないぞ。しんどいこともあるかもしれないよ。本当に大丈夫なの・・? 心配・不安・懸念がよぎる。 

とはいえ結論は、娘がアルバイトをすることを認めることにした。そもそもうちの教育方針としては、「自分ががやりたいと思ったことはどんどんやりなさい」という自主性を重んじる考え方だ。それなのに「バイトをやりたい」という娘の気持ちに対して、「学校の勉強だけをがんばれ」というのは確かに矛盾する。なんならアルバイトも社会勉強。学校の勉強では得られない学びや経験が得られるだろう。憧れの対象となる大人に出会えるかもしれないし、「大人のくせにしょうもなッ!」と思う大人との出会いもあるかもしれない。そういう人は”反面教師”として捉えて、学びに変えていってくれればよい。さらに言えば、挑戦してみて小さい失敗はたくさんしてみたらいい。世の中の理不尽な面や不公平な面、不毛地帯をリアルに感じることは決して悪いことではない。そこから自分がこれからの人生を充実させる何らかのヒントが得られるはずだから。

つまり娘のアルバイトを父が今回認めるのは、父がアイフォン代を払いたくないからというわけではない。アルバイトを通じて様々な新しい経験をして、楽しみもしんどさもいろいろ体感して、社会からいろいろ学べる機会になるだろうから、それを応援したいという気持ちだからだ。そしてお金を稼ぐ方法もいろいろある。時給1000円の飲食店の接客業もあるし、もっと賢くなって勉強を教えられる側になって家庭教師のアルバイトだったら時給はもっと上がる。なんなら起業してビジネスオーナーになったり、投資家になって自分が労働するのではなく、お金に働いてもらうという方法もある(そういえば父も昔、ロバート・キヨサキの『金持ち父さん・貧乏父さん』を読んだよ)。

とにかく娘には今という時間を大切に。自分の身体も大切にしてマインドフルに生きていってほしいと願う。自分の歩む道を周りの助けももらいながら最終的には自分で決めて行動し、それを思い切り楽しんでいってほしい。そして君にはそれが絶対にできる。俺の娘だから。娘を心から愛する父より。

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