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想いを受け継ぐ〜新陽ならではの奨学金 【週刊新陽 #130】

10月10日は開校記念日でした。

1958年(昭和33年)に札幌慈恵女子高等学校として開校、1987年(昭和62年)には共学化と併せて札幌新陽高等学校に改名され、今に至ります。

開校から66年の間、学校に関わった方は教職員、生徒、保護者のみならず多岐にわたり、多くの方の想いが繋がって今があることに感謝しながら過ごした記念日となりました。(学校はお休みでした。)


人々の想いを集めて作る学校

新陽高校は私立の高校です。創立者の荒井龍雄氏の「これからの北海道には幼児教育、そして女子教育が必要だ」という強い想いから、65年前に始まった札幌慈恵学園。現在、新陽高校の他に幼稚園と保育園2園を運営しています。

実は、系列の札幌第一幼稚園は高校よりも先に創設されており、こちらも来年創立70周年を迎える歴史ある幼稚園として、各界に人材を輩出しています。

荒井龍雄先生については、新陽高校の前校長で龍雄氏の孫である荒井ゆたかさんのnoteに詳しく紹介されているので、ぜひお読みください。

全国にある私立高校には、それぞれの創設者がいて、その想いに賛同した人たちやそれを受け繋いできた人たちがいます。特色ある独自の教育を行いながら公教育を担う、国や地域に必要な存在だと思います。

私立学校は、独自の特色ある教育を行いたいという志をもつ人々が、自分の財産や賛同してくれる人々からの寄付を集めて作る学校のことです。それぞれの私立学校では、国民の希望や期待も考えて、特色のある教育や研究がおこなわれています。私立学校は、国立学校、公立学校とともに、日本の学校教育に不可欠な存在です。

文部科学省Webサイトより

高校生のための奨学金

現在、日本の高校進学率は約98%。義務教育ではありませんが、ほとんどの人が高校に行く状況の中、私立高校に通っている生徒の環境も様々。あまり知られていないような気がしますが、必ずしも経済的に余裕がある家庭の子ばかりではありません。

そのため、国や都道府県による奨学金(就学支援金や奨学給付金)や各種財団等からの奨学金など、給付型と貸与型の奨学金が用意されています。

家庭の経済格差が、教育や体験の機会格差につながってしまわないように、こういったサポートが広がってほしいと思いますし、必要な人に届くようにもっと知られるといいな、と思っています。

新陽独自の新しい奨学金

新陽にも様々な事情の生徒がいて、就学支援金等を活用しています。また、後援会による奨学金や学校独自の奨学金をこれまで届けてきました。

そしてこの度さらに、新陽生のための奨学金を新設することが決まりました!

それが【留学のための奨学金】【進路探究のための奨学金】です。(どちらも返済不要の給付型奨学金。2024年度より開始。詳細は今後決定。)

留学のための奨学金は、「出会いと原体験」を大事にする新陽ならではの、留学に必要な費用を若干名に支給する予定です。2〜3週間の短期海外留学に必要な渡航費および現地プログラム参加費をほぼカバーする金額を設定し、「お金があれば行かせたいが金銭的に厳しい」と留学を諦めざるを得なかった家庭の生徒でも、異文化での越境体験ができるよう応援するための奨学金です。

一方、進路探究のための奨学金は、進学や就職、起業やプロ転向など様々なキャリアを拓いていく「生徒の数だけ進路がある」新陽のコンセプトを具現化するもの。進路活動に必要なコストを支給することで未来への選択肢を諦めずに済むようにと、キッズドア基金「ゴールドマン・サックス大学受験給付型奨学金」を参考に生まれました。(新陽が応援する進路選択は大学受験に限りません。)

なお既にある入学時の【本気特待生向け奨学金】と共に、これらの奨学金は故 藤田紀郎様のご厚志と故 廣田聰様のご尽力により遺贈いただいた資金をもとに創設した藤田紀郎・廣田聰記念奨学基金から給付されます。

藤田紀郎・廣田聰記念奨学基金について
※再掲・詳しくは
2021年12月のnoteをお読みください。

藤田紀郎様について:
昭和34年早稲田大学卒業。北海道日産勤務を経て、家業(備品卸および不動産業)を手伝い、引継ぐこととなりフジタ不動産を設立。昭和59年には株式会社リストを設立。平成14年まで35年以上にわたり不動産会社を経営。昭和40年に札幌不動産リスティング協会を立ち上げ(創立時メンバー)、札幌の不動産業の発展に尽力し、ここ10年ほどは同協会の名誉相談役であった。札幌慈恵学園の常任理事であった廣田氏とは、札幌不動産リスティング協会を通じて、家族ぐるみでの親交があった。令和3年2月13日ご逝去。

廣田聰様について:
昭和44年北海道大学法学部法律学科卒業。同年三和銀行入行。昭和57年、家業を継ぐため退社。同年株式会社みたか商事(札幌)に入社し、昭和60より同社代表取締役。公職として、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会理事、公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会理事、公益社団法人北海道宅地建物取引業協会副会長、公益社団法人北海道宅地建物取引業協会札幌支部支部長、札幌家庭裁判所調停員(平成14年4月〜平成22年3月)などを歴任。平成27年7月国土交通大臣表彰受賞。平成27年6月より本学園理事、常任理事。令和元年11月18日ご逝去。

【基金の目的】
教育再創造の推進と、日本の寄付文化醸成の後押し

【基金の使途】
奨学金

【奨学金企画委員会メンバー】
鶴井 亨 UHB 北海道文化放送株式会社 代表取締役社長
渡辺 由美子 認定NPO法人キッズドア 理事長
対木 孝成 IAYインターナショナルアカデミー 専務取締役 副学院長
石井 吉春 北海道大学公共政策大学院 客員教授(札幌慈恵学園 常任理事)
赤司 展子 札幌新陽高等学校 校長

藤田様や廣田様のご遺志と、奨学金企画委員会の皆様からのご意見をもとにこの度創設された新陽独自の奨学金。

「生徒が良い経験をするために使ってほしい」「自分で人生を切り拓くアクションを後押しするような奨学金を」という想いを生徒たちにしっかり届け、そしてその生徒がまた次の世代を応援してくれるように、バトンを繋いでいきたいと思います。

【編集後記】
今週末、札幌慈恵女子高校と新陽高校の卒業生で構成される恵陽同窓会の総会と懇親会が開かれます。今年、創立から66年となる両校の卒業生は1万人を超えますが、時代や社会が激しく変化してきた中で、荒井龍雄さんという創立者の想いや『自主創造、この道は自ら拓くべし』の校訓に込められた教育理念が変わらず多くの人の中で生き続けているからこそ、常に新たな挑戦があるのだと思います。これから先も何十年、何百年と受け継いでいくためにも、本校のビジョンに賛同くださる方からのご支援をお願いしています。どうぞ宜しくお願いいたします。

※寄付の詳細やお申し込みについては本校ウェブサイト(以下のリンク先)よりご確認ください。


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