見出し画像

FPビジネスにおけるオンライン移行と展望① -これまでの前提


コロナ禍で対面ビジネスが大幅に制限されている現在、対面ビジネスを主流としてきたファイナンシャルプランナーや保険外交員、リテール金融パーソンにとっても大きな転換点となっています。

SYN Groupは【ミレニアル世代に特化した金融アドバイザー】の企業であり、保険代理業を主軸としております。


まだ20名ほどの小さな会社ではありますが、FP業界に於けるいち経営者として、個人的なアウトプットも含めて、今後の展望を考えてみます。

※ 客観的事実を基に記載しておりますが、個人的見解であることをご留意下さい。

これまでの前提


私自身、SYN Groupを立ち上げる以前は、総合証券会社を経て外資系保険会社にてプランナーとして従事しておりました。


生命保険業界は、国内で約40兆円にも及ぶ巨大市場でありますが、2000年時点では約45兆円であり、長らく横ばい、微減の市場です。

人口減少に歯止めが効かない前提とすると、今後もこのトレンドは変わらないでしょう。
ちなみに日本の生命保険業界は、米国の6000億$超に次ぐ、世界第2位の巨大市場です。


一方で、保険商品の販売チャネルは多様化の歴史を辿ってきました。

「生保レディ」に代表される伝統的な日本社の営業職員チャネルから、コンサルティングをベースとした「ライフプランナー」と呼ばれる外資系チャネル、損保系生保や銀行窓販、近年では来店型保険ショップ、というように、一般消費者が保険商品を購入する「経路」は時代と共に変化しております。

中でも、近年では来店型保険ショップの存在感が大きく、代表的な企業の年平均成長率(CAGR)を見ると11%超と、市場規模の推移に反して大きな成長を遂げています。

これは「数ある商品選択肢の中から最適なものを選択する」という顧客ニーズに即したビジネスモデルが功を奏した形でしょう。
余談ですが、このような来店型保険ショップは日本独特のビジネスモデルであり、欧米諸国を見てもこのような店舗はほとんど存在しません。

つまり、日本の生命保険業界は【成熟しきった巨大市場の中で、そのパイを奪い合う形で各プレイヤーは競争をしていた】ということになります。
(ミクロで見ると、大手生保は海外事業に注力しています。



対面ビジネスという大前提


上記のように、販売チャネルは多様化の歴史を遂げてまいりましたが、ごく一部の通信販売を除いて、それらのチャネルの大前提は「対面ビジネス」でありました。

古くは「G・N・P営業」と言われた、G(義理)・N(人情)・P(プレゼント)というような人間関係の構築を土台とした営業スタイルから、専門的なライフプランシミュレーションツール等を用いたコンサルティング営業、コンサルティングに加えて各社取扱が可能な優位性を活かしたショップ型に至るまで、対面でのビジネスが業界の常識になっていた訳です。

むしろ、AIやロボアドなどが台頭してきて資産管理が「コモディティ化」していく中で、「Final 3 feet」というように対面ビジネスでの人間関係に優位性を持たせて、差別化を図っていく戦略も存在しています。
語弊を恐れずに申し上げると、属人的であることを強みとするビジネスであったと言えます。


対面ビジネスにおける「縮小再生産」


生命保険を取り扱うアドバイザー・プランナー単位で考えると、対面ビジネスであることから「縮小再生産」という経済学の概念と向き合わなければなりません。


彼らは税務上「保険外交員」という扱いであり、弁護士報酬や税理士報酬と同じように、外交員報酬として受け取っている個人事業主です。
つまり、事業における会議費・移動費等は、全て自費精算となるため「いかに経費を抑えて売上を増やすか?」という経営視点が欠かせません。

しかし、キャリアを積むにつれて、多くのクライアントに恵まれて保全業務(アフターフォロー)が増えてくると、新契約(≒新規売上)に充てられる時間が減少するため、「生産活動を反復するたびに規模が縮小する」というような現象が起きてしまいます。

この「いかに営業時間が限定されていく中、事業を拡大するのか」というイシューに対する答えとして、「法人マーケット」や「富裕層マーケット」などの、顧客単価が上昇するマーケティングに取り組んでいくことが、これまでの正解であり、FPビジネスのスケールに伴う「大きな壁」でもあったと思います。


次のnoteで、今回の前提を基にした展望を、私なりにまとめていきたいと思います!

↓↓



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?