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約3年間ヨーロッパに住んで感じた 〜日本で育った学生は積極的にGap yearをとった方がいいと思う5つの理由〜

「Gap year」を知っているだろうか?
「Gap year」という言葉にはあまり馴染みがなく、日本ではなかなか聞くことがない言葉だが、僕がヨーロッパに住んでいるときによく耳にした言葉だ。
イタリアに住んでいる時も、スペインに住んでいる時も高校生でもなく、大学生でもない、中には30代〜60代(大学休学中の人もよくいた)外国人と知り合うことがあった。

一人は
「高校卒業したけどやりたい事がまだないから、自分が今までいた小さな世界を出てもっと大きな世界を見たかった。」

他には
「大学在学中だけど、勉強しかできないつまらない人間になりたくなかったから、言葉の通じないところで生活して、人生をちょっと面白くしたかった。だから大学を1年間休むことにしたの。」

はたまた40代のおじさんは
「新たな言語を習得して、人生と自分の仕事をもう少し豊かにしたかったから、仕事を一旦やめてここにいるよ!ここでの経験をこの後の人生に生かしたい。」

60代のこんなおばあちゃんもいた
「私は子育ても終わったし、人生もそろそろ終わりに差し掛かってる。だからもっと新しい文化、言葉を習得して人生にもう少し色を足したいのよ。 人生に遅すぎるってことなんてないって証明したいの!」

なんて素晴らしいんだろう。心からそう思った。
「Gap year」とは簡単に言うと、用意されているレールから一旦外れて、自分の興味に従って生きる時間、自分の殻を破って世界を肌で体感しに、自分が知らない世界で何が起こっているかを知りに行ったりする時間のことだ。

僕はヨーロッパで活躍するサッカー選手になるためにヨーロッパに行った訳で、ギャップイヤーを過ごすためにヨーロッパに渡った訳ではないけど、敷かれたレールを外れて、自分のやりたいことだけをやった3年間でサッカー以外の多くのことを学んだ。

そこで感じた周りに合わせて生きることが大事とされている日本で育った人こそギャップイヤーを取ることが人生に助けになると感じた理由を言語以外の面から5つ書きたいと思う。

〜1.こんな感じでも生きていけるんだって思う〜

イタリアでは、道を間違えるバスの運転手、ドアを開けっ放しで走るバスの運転手、自分の好きな音楽を大音量で流しながら運転するバスの運転手、ピザを片手にサングラスをかけ運転するバスの運転手、レジがめっちゃ混んでるのにコーヒーを入れに行くスーパーのおばちゃん。彼女と電話しながらレジ打ちしてるお兄さんなどあげたらきりがない笑

スペインでは、不法にメトロに乗る客が目の前にいるのに、私はバイトだし捕まえても給料上がらないからいいや!と言わんばかりの顔で、見てみないふりをする駅員さん、スーパーで客が買ったものを投げる店員さん、買う前に商品をあけ食べたり飲んだりする人々。こんな感じだ。

こんな感じでも全然生きていけるじゃん!もっと肩の力を抜いて、自分の好きに生きよう。そう思った。

〜2.やばい経験、思考をしてる人がたくさんいて、生きる勇気をもらえる〜

ちょっとここからは僕がイタリア、スペインで知り合った友達のやばい人生エピソードを何個か紹介したいと思う。

まずは、イスラエル人のダニエル

こいつは小さい頃、イスラエル、パレスチナの紛争で家の隣の隣に爆弾が落ちている。それでも生きているし人生を楽しんでいた。
そして、ヨーロッパでサッカー選手を目指したくて、国の徴兵の際に受けさせられる精神チェックでわざとおかしく振る舞い、国から「あなたは普通じゃないので戦いにはいけません。」と言う手紙をもらったおかげでイタリアで僕とプレーしていたらしい。
彼がいうには本当のプレッシャーとは、「みんなからの期待を背負うことじゃなくて、いつ爆弾が落ちてくるかわからないところでいつものように生活することだ。だから今はなんにも怖くない。だってここに爆弾は落ちてこないだろ?」らしい。
今はアメリカの大学に入学し直し、医者を目指している。

次は、ナイジェリア人のマルコ

こいつはメンタルが最強だった。
サッカーはめちゃくちゃ下手、チームメイトにもたまにバカにされるくらいだったのだけど、大真面目にコーチに向かって「俺はユベントスでプレーしたい、テスト受けさせろ」と言いに行くと言う素晴らしいメンタルの持ち主笑
ナイジェリアで、小さい頃に誘拐未遂も経験。
今はパイロットを目指している。


イラク人のサハー

小さい頃に戦争を経験。
銃の破片が目に入り左目が見えない中、サッカー選手を目指してる。
朝、家のドアを開けるとたまに死体が転がってる環境で育ったので、全ての状況、今自分の前に広がる現実に心のそこから感謝していた。
そして今はカナダに家族で移住し彼の家族は安全に暮らしている。

こう言う話を聞くと、いかに日本が安全な国かがわかる。
もうどんな話を聞いても、どんなことが起こっても、彼らの話しを聞いて驚かなくなった。まあ大丈夫でしょ。となる笑
彼らの他にも勝手に貨物船に乗り込んで不法入国し、労働もできないので、大麻を売って生活しなきゃいけないアフリカ人ともイタリアで知り合った。
彼らはそうしないと生きることもできないのだ。
セルビアで詐欺に合いそうになってギリギリ逃げた僕のエピソードが可愛いく映る。笑
そうやって今の日本を見るとどうだろう、街には24時間営業のコンビニがあり、おなかが空いたら食べ物も買えるし(このアフリカ人はいつもお腹を空かせていた)、好きな洋服も買える。要するに僕たちはなんでも持ってて、チャレンジする土台は全て揃っているんだ。そして失敗しても生きていくことは可能だ。死ぬこともまずないし、ホームレスになることも難しい。「今まで天国に住んでいたのにそれに全く気づけていなかったんだな。俺たちは何でもできるじゃん」と心からそう思った。
そして、こんなにもなんでも揃っているのに、足りないことへの不満、現状に不満を抱いている人が日本には多すぎる。
僕たちは何でも持っている。十分すぎる程整った国に住んでいる。
好きな事を学べる環境にもある。あとはちょっと勇気を出すだけだ。

〜3.いろんな国の情報が入るので、キャリア的に近道、もしくは自国でできないことができる〜

バルセロナで知り合ったドイツ人のリオンと言う友達がこう言っていた。
「俺は医者になりたいんだけど、学力が低くてドイツで医学部に入るにはかなり難しいから、学力関係なく医学部に入れるブルガリアで医学部に入って、交換留学でドイツの大学にきて勉強すれば俺でもドイツで医者になれる!」
と言っていて、発想を少し変えて、情報を持っていれば、他の人よりも簡単に目標が達成できることも彼の一言から学んだ。

〜4.一見無理そうなことも、言い方、手段主題で通ってしまうことも学べる〜

これを感じたのはバルセロナにいる時、バルセロナはスペイン1の観光地で街の中心部にいるには、ほぼスペイン語を話さない外国人だ。
それを利用し、アフリカからの移民が、風呂敷を広げ偽物の(彼らは本物と言い張る)ブランド品、サッカーのユニフォームを売っている。
そこで、アフリカ人達に値段の交渉をしてみたくてサッカーのユニフォームを交渉してみることにした。

僕「これいくら?」
アフリカ人「30ユーロ」

僕「これに30ユーロは無理。しかも今現金そんなに持ってない」
アフリカ人「じゃあ25ユーロは?」

僕「全然安くなってないじゃん。15ユーロなら考える。」
アフリカ人「それは無理だ。18ユーロでどうだ?」

僕「あー残念。君は一人客を取り損ねたね。また今度。」
アフリカ人「それは流石に無理なお願いだよ。またな。」

そこでの帰り道に名案を思いついた。
彼らはいつも仲間同士で一緒にいて、助け合ったり、仲間同士で情報を共有していたので、移民同士、もっと言うとアフリカ人同士での仲間意識が以上に強く、彼らの大多数が、アフリカでもフランス語を話す地域から多く来ていることが分かった(僕の交渉中に仲間内でフランス語を話していたため)

そこで僕はこう考えた。

「って事はアフリカ系でフランス語が話せるやつと一緒に行って、値段交渉すればいけるはず。じゃあそれにぴったりのケイタを連れて行こう!」

ケイタとは僕の友達でギニア系アメリカ人でフランス語を話せる友達だ。
僕はなぜかすごく運が良く、いつも完璧な人が近くにいる。

ケイタを連れてまたそこに戻った。
ケイタには相手が仲間だと知った時の喜びが大きくなるように初めは英語で彼らと話して、途中で出身地を聞き、そこからフランス語で話して15ユーロまで落とせるかやってみて。とお願いをして、僕はなにもしないで見ていた。

ケイタ「ハローマイフレンド!!これ欲しいんだけどいくら?」
アフリカ人「ヘイ!マイブラザー!25ユーロだよ!」

ちょっと待った、、、、アフリカ人(彼らの仲間)ってだけでスタートラインが違うぞ?
世界の路上販売は人種によってある程度値段を変えているんじゃないか?
という仮説がたった。(この記事を読んだらアジア、南米などでも値下げ交渉をして試して欲しい)
そのまま見ていると

ケイタ「えーそれはちょっと高いよ!それなら買えないな。」
アフリカ人「じゃあブラザーのお前には19ユーロにしてやる!どうだ?」

ケイタ「ちなみにどこ出身なの?」
アフリカ人「セネガルだ!」

ケイタ「じゃあフランス語話せるじゃん!○△□×○△□×○△□×○△□×○......」
アフリカ人「なんだ!お前もフランス語圏出身かよ!先に言えよ!!」

っていう感じになり最終的に15ユーロになってしまった笑

日本は全てがマニュアル通り、予定通りに物事が進むため、目の前にあらかじめ設定されたことに対して疑問や疑いを持ち、質問する、自分にとってよくなるように交渉するという発想を持っている人が少ないため、このような場面をみることはそもそもないし、そういう発想を自体を持つことが難しい。
僕はこの出来事から、目の前の出来事は誰かが勝手に決めたことなので、やり方次第で、どうにでも変えられることを学んだ。目の前にあることは仮面を被っていて、仮面をつけている方にもメリットがあったりすると、その仮面は簡単に変わることだってある。ということだ。
だから僕は、必ず質問する。書いてあるだろうとなっても、それが自分の解釈している内容と、相手の意図していることとのズレを防ぐために。そして、少しでも自分にとってよくなるように、仮面を変えられるか相手に聞いてみる。物事を額面どうりに受け取らない。これをこの一件から学んだ。


〜5.想定外がたくさん起こるので、交渉力と出たとこ勝負にめちゃくちゃ強くなる〜

予定が5分前にキャンセルされる、電車の行き先が途中で変わる、1時間に1本のバスが時間通りに来なく、1時間後に2台続けて来る、役所もしっかり働かない、1週間以上先の予定を決められない。

など、挙げたらきりがないがとにかく想定外のことが起こる割合が日本より多い。いや、多すぎる笑

しかし、彼らは結局最後にはどうにかしてしまうんだ。

例えば、次の予定があるのに、面白そうなことが目の前にあると、そっちに行ってしまう。しかし、遅刻はするがその後の予定にもちゃんと行くのだ。
待たされた側は微塵も怒っちゃいない。想定外に慣れているので、他の事をして気長に待とう。といった感じだろうか。
待たせる方も全然悪びれず、ニコニコ登場し冗談をかます。

当然、最初はめちゃくちゃ腹が立ったし、受け入れられずイライラしたりもした。しかし気づいたら彼らと同じように振舞っている事にも気づいた。

例えば、バルセロナで飛び込み営業をしてる時、行ったビルのセキュリティが固く、社員証がないと入れない事に気づいた。
昔の僕だったら完全に諦めてた。けどこうする事にした。


まず警備員のところに行って、「自分は7Fのこの会社に呼ばれてきているんだけれど、、、、」と嘘をつく。
すると警備員は「今電話するから、会社名を教えてくれ」と一言。

僕「〜〜〜」
警備員「本当にここの会社か???担当者がそんなの知らないって言っているぞ!」

僕「なんで?14時にここに来るように言われたんだけど」
警備員「でも担当者は知らんと言っているぞ」

僕「僕は英語の教師でこの会社にレッスンをしにきた。知らんと言われてもこの会社にここに14時に来るように言われたから来たんだ!」
警備員「やっぱりそんなのないってよ?」

ここで僕は怒ってみる事にした。

僕「向こうが知らないなんて俺だって知らないよ!けど14時にここって言われたんだ!警備員の仕事って人の邪魔をする事なの???あとは上で直接話すから通して!」

すると、、、
警備員「ちょっと待って、、、いいってさ。あとは上で解決してくれよ。」

となり、通してくれた。

セルビアで詐欺師から逃げてる時には、そんなに現金も持っていなく、できる限り出費を抑えたかったが美味しくバランスの良いものを食べたかった。そんなの無理だろ!となりそうだが、ある”作戦”を思いついた。

そして僕はポケットに一応5ユーロ分くらいだけ入れて、(絶対に足りないのは分かっていた笑)割と良さそうなレストランに入った。

割と良さそうなレストランだけあって、英語が喋れるスタッフがいた。お金持ちそうなお客さんも多かった。

そこで好きなものを注文して飲み物を頼んだ。
5ユーロで足りるはずがない。

そこでとなりで食べていた家族に話しかけた。
出身地から、なぜセルビアに1人でいるのかを聞かれ、詐欺に合いそうだった事を伝え、(もう半分詐欺にあっていた)今は逃げてて、次の日にハンガリーに行く事を伝えた。
そして日本の事を話すと、その家族の奥さんがちょうど来月に、僕の出身地、横浜に出張で来ることが分かり、必死に横浜の魅力を伝えた。

すると、、、、そこの家族のお父さんが、「お前最高だな!今日は俺たちが奢ってやるよ!!!明日は気をつけてハンガリー行ってこいよ!」
となかなか良い値段のするディナーをおごってくれたのである。笑

冒頭での”作戦”とはお金がなくてちゃんとしたものが食べたいなら、良いレストランに入って僕が外国人なのを利用して、隣のテーブルの人を楽しませて気持ちよく僕に奢りたくなるようにしよう!だった。笑
(良いレストランにしたのは、安いところだと、このくらい自分で払えとなるし、人に奢る文化もなければ、経済状況も悪く自分でいっぱいいっぱいな人が多い国だったから)

基本的に出たとこ勝負でもなんとかなるし、なんとかできる。
今は自信を持ってこう言える。
 

〜最後に〜
日本はレシピを見て、それに必要な食材を集め、それ通り作るのは素晴らしく上手だ。
しかしそれはコンピューターが僕たちよりももっと上手に早くできるようなるのだ。

僕はコンピューターに変えられたくないし、ずっと僕のままでいたい。
知らない家の冷蔵庫を開けて、ここにあるもので美味しいものを作って。と無茶振りされたら作れるような人でいたいしその為に常に学びつつけて柔らかい頭でいたい。

そんな柔らかい状態でいる為に、今あるもので美味しいものを作れちゃうようになる為に、自分の今までの常識、頭では理解できないことが次々に起こり場所にぜひ行ってみてほしい。
海外はそんな素晴らしい経験を僕たちにプレゼントしてくれる。

僕はこんな感じで敷かれたレールを通るのをやめたら、想像以上に大きな事を学べたし、素晴らしい経験と多くの仲間も作れた。

これを読んでくれた人たちには是非海外に長期で行ってみてほしい。
絶対にいい経験ができるって僕が保証します。
学生だけじゃない、社会人で今の現状に不満がある人、日本の生活に疲れた人、本当にオススメです。
大変なことも多いけど、それを解決する答えが必ず見つかるはず。


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