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ピープルマネージャー向け「コーチングとティーチング」のシンプルな使い分け手法

12月にプロモーションしたばかりの部下からメンバーの指導方法についての相談を受けた。

メンバーから出されるアウトプットの質を高めるにはどうすればいいか?つまり、どのように指導すればいいのか?ということだ。
一方的に指導する形を取ると不協和音が起こるリスクがある。かと言ってコーチングのようなアプローチを取れば、時間がかかり期限に間に合わない。ピープルマネージャーに昇格して間もない人が経験するジレンマである。もちろん、ベテランであってもこの問題は大きい。

一方、ピープルマネージャー経験が多い人においても「個々の人を見て指導する」など曖昧な回答が多いことも事実である。

私の対応方法はシンプルだ。
任せている「業務」とその人の「業務に対する習熟度」でアプローチ方法を決める。事例をいくつか紹介しよう。

(未熟なケース)例えば、マーケティングプランの策定において、メンバーの習熟度が低かったとしよう。その場合、いくら「問いかけても求めるアウトプットは出てこない」もしくは「求めるアウトプットが出てくるまでに相当の時間を要する」。よって、やり方をOJTで教え込むのだ。成熟度が高まれば、徐々にコーチングスタイルにシフトすると良い。

(未熟なケース)こういったケースもある。企画立案の際、企画案をまとめてくるように指示を出すと、目的、日時、対象、演者など概略は出てくるのだが、「ストーリーライン」や「KPI」などの項目が出てこないのだ。こういった場合、いくら問いかけても回答は得れれない。明らかに過去の上司の指導不足や経験不足によるものである。であれば、次からはテンプレートに項目をセットアップしてすれば良いのだ。

(成熟度が高いケース)営業向けのプランを作成する際、方向性について筋は良いが、さらにブラッシュアップすることが必要である。その場合、例えば「良い感じだね。では、この資料を見た営業の人が、次の瞬間から行動できるレベルまで理解させるためにはどのように工夫すればいいかな?」と投げ掛けてみる。翌日、劇的に質のあがった資料が出来上がってきた。本人にも自負があり、それを引き上げるというアプローチ方法が功を奏するケースだ。この場合、「〇〇にしろ」というティーチングのアプローチは効果的ではないと私は思う。

とは言え、容易に使い分け、実践できるわけではない。マネージャーになり、数か月で同じレベルで指導をされては私も立場がない。実際には様々な経験を積みながらその人の性格なども考慮して使い分けることが必要になる。私自身、いまだにアプローチ方法を失敗することもある。そのくらいピープルマネージャーは難しいのだ。



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