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【やまのぼ ブックレビュー No.12】なるほど!「孫子の兵法」がイチからわかる本 / 現代ビジネス兵法研究会・著<すばる舎>を読んだ。

お恥ずかしいお話だが、「孫子の兵法」は、孫子という人が著した、膨大な量の指南書だと<やまのぼ>は、思いこんでいた。が、まったく違っていた。「孫子の兵法」とは、呉の国の将軍「孫武」が著した兵法書である。

また、「孫子の兵法」は、文字数6000字前後で、400字詰めの原稿用紙なら20枚にも満たないエキスが凝縮したマニュアル本だ。

ところで、<やまのぼ>が、サラリーマン時代のことである。

所属していた営業部長が「鬼」のように恐ろしい人だった。その鬼部長が、京都の本社から、わが東京営業所へ出張すると聞くと、なるべく社に寄りつかず地方出張していたのが懐かしい。

その鬼部長の口癖が、「場面の想像」だった。

営業に出向く前日には、訪問する顧客情報はもちろんのこと、客先から受けるだろう質問を「想像」して、それに返答するための必要資料を準備。さらに、話されるであろう問答集も作成しておくように、繰り返し叩き込まれたものだった。

何のことはない!それは、「孫子の兵法」のパクリだった!
と本書を読んで気づいた。

それは、「兵を為すの事は、敵の意を順詳するにあり」である。つまり、相手の立場に立って意図や出方を先読みすることが大事だと説いている。うまく人間関係の築けない人は、自己中にしか世の中を見ること事ができないということだ。

2500年もの昔の兵法書が、時代を超えて、こんなに人々に愛され、読まれ続けているのは、「孫子の兵法」が軍事面のみならず、ビジネスにおいてもスポーツにおいても、勝利者になるために必要なことが書かれているからだろう。

相手を打ち負かすとか、勝利するというだけでなく、負けない自分を築き、生き残る自分のための知恵を得るための指南書として、今でも重宝がられているのだろう。

「孫子の兵法」は単に戦場における戦いだけでなく、戦う前の心得、準備のやりかたを説いているのだ。

かの武田信玄が唱えた、「風林火山」は、「孫子の兵法」からの引用であることは有名だが、「戦わずして勝つこと」つまり、「戦争はできるだけ避けるべき」という教えが最も有名だ。戦いは勝てる見込みの相手とだけ戦い、勝てる見込みのない相手とは正面切って戦わない。やるならゲリラ戦だと。

読み方によっては「恋愛」のマニュアル本にもなると思ったのは、老兵の<やまのぼ>だけだろうか?愛し合えるだろう人だけを愛すことにすれば・・・あんなに傷つかなかっただろうにと、いまごろ目覚めたのである。


<やまのぼ>のお薦め度 ★★★☆☆
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<やまのぼ>のお薦め度規準
(独断と偏見です。あしからず)
★★★★★ 蔵書にして読み返したい
★★★★☆ 読みごたえありでお薦め
★★★☆☆ そこそこ読みごたえあり
★★☆☆☆ 時間つぶしにはなります
★☆☆☆☆ 本屋での立ち読みで充分
☆☆☆☆☆ 時間の無駄使いだけです

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