見出し画像

【やまのぼエッセイ No.2】人生相談をする理由#未来のためにできること

 先日、家人に「ネットで人生相談をやっているんだ!」と打ち明けたら、「あなたが?」と言って呆れられ、それっきり、会話が続かなった。想像すると、家人はきっと「あなたが、他人様ひとさまの人生相談ができるわけがないでしょ!」とか「身の程しらずに・・・」とか言いたかったのだろう。

 私だって、始めるまでは、自分が人生相談などできるわけがないと思っていた。そのきっかけは、来年、後期高齢者になるからだ。七十と四年、生きてきて、経験した喜怒哀楽の処し方を、ご相談者への回答という形を借りて、総決算して置こうと思ったのだ。

 そもそも、人生は選択の連続でできていて、これが正解だという回答はない。模範解答がないからこそ、悩みもし、苦しみもし、ますます混迷することもあるのだ。だから巷では、高名な先生方が回答する人生相談に、多くの人々が相談されている。

 私は初めから、そんな先生方のような、立派な回答などできないことぐらい承知の上だ。どこの馬の骨かもわからない老人の回答など、聞きたくもないだろう。

 でも、あえて無謀にも挑戦するのは、後に残る子供や家人のために、生きた証を残したいと思ったのだ。つまり、デジタルのエンディングノートにしたいと思ったからだ!

 そんなわけで、千人回答を、ひとつの目標に、市井の老人の回答を、noteで続けている。現在は200人様への回答を目の前にしている。

 ところで、100人様ほどの回答を過ぎたあたりから、この人生相談が自分のプロフィールになっていることに気づいた。どんどんと相談に回答していくと、自分の考えがだんだんと、まとまってくることに、ある種の快感を覚えるようになったのだ。

 きっと、この人生相談の回答を一番楽しみにしているのは、ご相談の回答を通して、丸裸にされていく私自身なのだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?