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【超短編小説】細(その2)#140字小説

季節ごとに定められた文字を使った140字小説コンテストです。
「春の文字」は「細」。

細心の注意を払って、細目に開けた扉から一条の光が、熟睡する母の寝顔を意図せず射った。一瞬、不機嫌そうな顔をした母だったが、眼を凝らしながら、ボクを見つけて柔和な表情になる。その柔らかな笑み返しが、青春を犠牲にし心身ともに疲れ切った介護疲れを霧散してくれる。ボクの胸に幸せが満ちた。

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