標高からの地政学 カンボジア、スリランカ、ネパール
今回訪れた、3カ国を標高から見たいと思います。
まず
カンボジアは
メコン川の流域で 標高は低く、例えば アンコールワットは20mぐらい。
高いのは 西のタイ国境
そして 東のヴェトナム国境です。とはいえそれも 非常に低く1000mもありません。
ですから、他国が容易ににカンボジアに侵入できます、またクメール時代には
逆に、クメール人が タイの大半、ヴェトナム南部を支配していました。
稲作によって、大変豊かな地域です。面積は日本の半分。
問題は、低湿なため、蚊などによる 天狗熱、マラリアといった病気が発生することです。
ほとんど平地なので、メコン川は、海に流れないで、 逆流することがあるそうです。これは日本のような急峻な地形に生きる人には理解できない。
下流から上流に 水が流れる 因果律が成立しない。
下流から、チャム人(ヴェトナム人)が船で、クメールを侵略するのもわかります。
![](https://assets.st-note.com/img/1710828886909-suNf7bNfyy.png?width=800)
次にスリランカ。
こちらは最高地点で 2000mを超えます
とはいえ、多くの場所が1000m以内にあります。面積は北海道の0.8倍。
中部高原は、確かに住みやすいところですね。
キヤンディ は465m
![](https://assets.st-note.com/img/1710829041129-ePdFtfcPW5.png?width=800)
バドゥーラは680m
で、高原地域の東の端にあり、北の方は低くなり、南が高くなります。
この都市がコロンボからの鉄道の終点になったのも頷けます。
この鉄道は、イギリス人(といっても、植民地に来たのは貧しいスコットランドの人が多かったか?)が植民地時代に、紅茶のプランテーションを高原に作り、それを運び出すために作ったものです。高原には霧が出て、良質の紅茶が取れますが、平野部では、無理です。この鉄道は図の通り、kandyから高原部を南に大回りして、badullaに行きます。つまり、プランテーション用の鉄道であったわけです。
さてこの鉄道の最高度の地点は2000m弱です。
スリランカも、海岸や平野部は、稲作には適していましたが、マラリアなどがあり、イギリス人は気候が良いとところにすみたかったのでしょう。
文化的には、北インドからきた、アーリア インドの混血のシンハラ仏教徒の人が多数を占めるとしても、海岸部と高原部では異なるタイプだそうです。また先住民のインドのドラビダ人はヒンズー教徒であり、そして、西から来た、ムーア人もいるという具合に、複雑な様相を呈しています。
国内の気候の違い、また島国という、外部に面した環境、異なる文化習慣を持つ人たちが共存するには、知恵が必要だと感じました。
そしてネパール
数10メートルからエベレスト山まで8000m以上の標高差があります。面積は北海道の約2倍弱。
![](https://assets.st-note.com/img/1710829107458-nCQiUbqNNr.jpg?width=800)
高度差による文化の違いは、スリランカどころではありません。
世界を見ても、同じ国内で、最も高差さのある国家の一つでしょう。
南側の、インド国境沿いの平野の稲作地帯。それからカトマンズは1400mで、気候的にも、快適で、マラリアもなく、この地方にいる、ネアール人が見事な工芸技術を持っていることに象徴されるように、文化性が高かった。それである意味で、支配階級となった。
ただ、北のチベットから、南のヒンズーのインドまで多くの民族が標高別に共存している。
ヒマラヤ山間部は厳しい気候に耐える知恵を持ち、丘陵部では、低湿部のマラリアなど避けられ、安全で、安定した技術、そして、モンスーン気候のもとでの、稲作文化圏の豊かさを持つ平野。
この国ほど、高度差の文化の違いを受けいれる必要性が高い国はないかもしれまえん。それが 異教を認める、カトマンズに象徴されるとも思いました。
これらの3国はいずれも 地政学的な条件から、内戦が長く続きました。
いずれも親日国ですが、現在の異文化共存を進め、歴史的に長く、重い背景のある憎しみを超えて、平和を維持できることを、祈りたいと思いました。
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