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医師と僧侶のカケコミ相談室 第5回 人生が加速する「知覚×行動」サイクル 

脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」。
カケコミをはじめた経緯、無料公開のQ&Aはこちらです!

あっという間に6月後半ですが、今年は本州の梅雨入りが例年よりだいぶ遅かったようです。遅い梅雨入りのおかげ?で、私は先週雨に降られることなくアジサイ鑑賞ができました。友人たちとアジサイ園を訪れて色とりどりのアジサイを観察、「こんな品種もあったのか!」「同じ株なのに花の色が違うのはなんで?」と新たな発見も。

花びらの切れ込みがかわいい!ガクアジサイの一種

アジサイ園までは最寄りの駅から山道を登り、徒歩で約80分の道のり。山ではだいたい走っている私ですが、この日はアジサイを愛でるのが目的なので、写真を撮ったり、ワイワイ会話を楽しみながら歩いて目的地へ向かいました。走るのと歩くのでは、見える景色も感じる風も違うものですね。

「InTrip」6月24日(月)配信の記事では、認知科学の「知覚と行為のカップリング」という概念を紹介しています。なにがどこにあり、そこまでの距離はどれくらいか。まずは目の前の環境を知覚してから行動します。そして、行動するにつれて知覚が敏感になり、新たな気づきを得たり、行動範囲が広がっていく。知覚→行動。行動→知覚。このサイクルを循環させることで、感覚が研ぎ澄まされ、より自由に大胆に行動できるようになっていきます。

アジサイ園へ向かって歩いているだけでも、すれ違うハイカーさん達と会話が生まれ、近道を教えてもらったり、お互いが履いている靴の情報交換をしたり、たくさんの刺激が生まれました。そして、アジサイ園の池にぽつりと咲いたスイレンを見て、次のお花見は初夏が見頃のスイレンに決まり!
京都大原野神社の池が「モネの睡蓮の池」と呼ばれるスイレンの名所らし
く、見に行こうかと画策中です。

今日のQ&Aでは、「適切な食事量を知りたいです。暴飲暴食が止まりません」という質問に対して、「まずは自分の体の現在地を確認して、行動しながら調整しましょう」と、将太郎さんが具体的な方法をアドバイスしています。体づくりも、人生そのものも、知覚と行為のカップリングを意識すると、望む方向へスピードアップして進みそうですね。

東凌さんも、AIがあらゆる分野に進出する現代で、人間ならではの感覚、感性を育てることの重要性についてお話してくれました。今回も医師と僧侶のアンサーをお楽しみください!

Q1 イラストレーターをしていますが、生成AIに指示してイラストを作成すると、驚くほどレベルの高い作品ができます。今後、クリエイティブな分野で人間が担う仕事が減っていく中で、自分の存在価値をどう高めていけばいいのか悩みます。新しい時代に対する心構えやスキルなど、ご意見を伺いたいです。

Q2 自分の気持ちを言語化するのが苦手です。相手の気持ちを聞きたいときも、どう聞いたらいいかわかりません。どうしたらよいでしょうか。

Q3 46歳。適切な食事量が知りたいです。なかなか暴飲暴食がとまりません。

Q4 二児の母です。ゲーム、タブレットなど使い過ぎは子どもの発達に悪影響があるというデータもあり、使う時間を決めています。息子は約束を守らず、注意すると隠れて使います。そんなやりとりの繰り返しにストレスが溜まって怒鳴ってしまうことも。親としてどう対応したらいいのでしょうか。


Q1 
イラストレーターをしていますが、生成AIに指示してイラストを作成すると、驚くほどレベルの高い作品ができます。今後、クリエイティブな分野で人間が担う仕事が減っていく中で、自分の存在価値をどう高めていけばいいのか悩みます。新しい時代に対する心構えやスキルなど、ご意見を伺いたいです。

A1
「人ならではの感性、センスはますます重要になります」東凌

テクノロジーの発展により、単純作業だけではなくクリエイティブな分野の仕事もAIが担う流れは、今後も加速するでしょう。だからといって人間の仕事が無くなってしまう訳ではなく、人ならではのセンスや感性を発揮することは、ますます重要になっていくはずです。

例えば、AIが描いた複数のイラストを見極め、テーマや現場、時勢の空気感にふさわしい1枚を選択することは、人間にしかできません。案件ごとのテーマを深く理解し、人の感情を動かす温度感のある作品に加工するのは、人間の仕事ですね。今から磨いておきたいのは、

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