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医師と僧侶のカケコミ相談室 第1回 Q&A無料公開します!

脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」がいよいよスタート!
記事の配信は、InTrip編集室から「カケコミ編集長」に任命頂いたライター・よしみが担当、6月から月4回定期配信でお届けします。

毎回Q&Aの前に、「今週のキーワード」「注目テーマ」「季節の話」「医師と僧侶のこぼれ話」などのイントロと、InTripアプリで配信する睡眠音楽のご紹介も。

今回は、将太郎さんと東凌さん(親しみを込めて、みなさんも下の名前で呼んでくださいね)2人の共通点についてお伝えさせてください。

2人の共通点は……職業柄生と死に常に向き合っている。医師と僧侶の枠を超えた活動を多方面、海外でも展開しており肩書がたくさんある。そして、カウンセリング、診療、コーチング、講演会、法話、対談、連載etc…を通して、人から相談を受け、アドバイスをしてきた経験が桁外れに多い!

環境宇宙航空医学認定医、国際盆踊り協会理事など気になる肩書が並ぶ将太郎さん(左)
「Newsweek」の世界が尊敬する日本人100人に選出された東凌さん(右)

私は、みなさんからお受けした質問をお2人に直接ぶつけてQ&Aの文章を作成していますが、将太郎さんと東凌さんとお話していると、バックグラウンドや視点が違う人が何人も背後にいるような厚みを感じます。人の死に立ち会ったり、経営者のコーチングをしたり、その中で多くの人の悩みや葛藤にともに向き合い、正解や答えがない問いにも向きあい続けているからこその厚み!

相談役としてこれ以上の適任はなかなかいないのでは?というお2人ですが、マンツーマンの相談やコーチングの受付枠はごくごくわずか。けれど、この場を使えば医師と僧侶が蓄えてきた知恵、経験、視点をガンガン引き出すことができます。

講演やセミナーだけでは答えきれない質問にカケコミでお答えします!

第1回目となるこちらの記事は無料公開、第2回目以降は有料配信(月額980円・月4回・月曜配信予定)となるので、今回の無料公開記事、カケコミ相談室開設の経緯を紹介した対談記事を合わせてお読み頂き、ぜひ購読をご検討ください!

道下将太郎、伊藤東凌の対談記事はこちらから↓
毎週届く医師と僧侶の「言葉の処方箋」で人生を本気で変える!

それでは、今週のQ&Aを4つご紹介します。仕事、人生、健康についてです。


Q1仕事で居場所を感じるには?
Q2四季を感じるコツ!愛に気付くコツ!時間を大切にするコツは?
Q3生きている意味とは何なのでしょう?
Q4ストレスの症状が体に出る前に知る方法は?


Q1 
仕事での自分の居場所が見つけられません。居場所を感じるにはどうすればいいですか?

A1
「感じ方ではなく行動を変えることで居場所ができます」東凌

仕事での「居場所」が見つけられない。そして居場所を「感じる」という表現をしているのが、この相談のポイントです。仕事がうまくいかないとか、やりがいが無いなどではなく、会話の輪に入れない、雑談がうまくできない、なんとなく肩身が狭いなどの、居心地の悪い感覚があるのだと拝察します。

居場所が無いと感じるのは、さみしがりやだとか、不安感が強いという心の状態のせいでしょうか。そんな心の感じ方を変えれば、居場所を感じられるようになるのでしょうか。そうではありません。

自分の居場所を感じるためには、職場を居心地の良い場所にする必要があります。そのためには、仕事とコミュニケーションの2つを向上させましょう。目の前の仕事に打ち込み、できる仕事が増えていけば、周囲から信頼され、コミュニケーションも自然と増えていきます。周りから信頼され、声を掛け合えるようになれば、居心地が良くなります。

仕事とは直接関係ないコミュニケーションも、見直してみましょう。自分から笑顔で挨拶をする。仕事の最新情報や時事問題にアンテナを張り、職場の人たちに有益な情報を提供する。距離を縮めたい人がいれば、自分から話しかける。周囲へ貢献するという気持ちを持って、自分から小さな行動をはじめましょう。

居心地が悪いと感じているならば、自分の行動、振舞いを振り返るチャンスです。感じ方を変えたり、心を強くすることで居場所を感じられるようになるのではなく、行動を変えることで、あなたの居場所ができていきます。
今日からできる小さな行動をはじめましょう。応援しています!

小さな行動からはじめる!

Q2
四季を感じるコツ!愛に気付くコツ!時間を大切にするコツを教えてください!

A2
「あなたの暮らしに憎しみに満ちた瞬間はどれだけありますか?」東凌

四季を感じて、愛に気付き、時間を大切にする。相談者さんは人生を深く味わい、愛に満ちた人生を送りたいのだと拝察します。すてきですね。
四季を感じる、愛に気付く、時間を大切にする。この3つについて、それぞれ具体的な方法を考えました。

まず四季を感じるためには、ジョギングです。ジョギングするときは、普段より薄着になり、気温や風を感じやすくなります。春は外気の心地よさ、夏は強い日差し、秋は木枯らし、冬は肌を刺すような寒さなど、一年を通して四季を体感できます。
景色を眺めながら、苦しくないスピードで走れば、咲いている花、鳥の鳴き声、風の強さ、雲の形など、身近な自然からも四季を感じられますね。

次に、愛に気付くためには、愛と反対の憎しみを探してみましょう。相談者さんの暮らしの中に、憎しみに満ちた瞬間はどれだけありますか?
世界規模の出来事ではなく、自分が感じて触れることのできる、身近な世界について考えてください。ほとんど思い浮かばなければ、あなたの周りには愛が満ち、愛を基盤に世界が動いているということでしょう。
愛とは思いやり、慈しみの心で対象を大切にすること。家族や友人とのあたたかなやりとり。職場や学校、地域が安全で平和に保たれていること。レストランでおいしい食事が提供されるのも、愛があるからです。

最後に、時間を大切にしたいなら、15分間なにもせずじっとしたまま過ごしてください。サウナに入って15分とか、絶景を見ながら15分ではなく、ただ家の中でじっとして、スマホも触らず、何も話さず過ごします。すると、気付きが降りてきます。
無駄な刺激を求め過ぎていたこと、SNSに奪われていた時間。いったん15分間を無駄に過ごしてみることで、これまでどれだけ多くの時間を浪費してきたか分かり、時間の大切さを実感できます。

相談者さんに、禅語を1つ贈ります。

「薫風自南来(くんぷうみなみよりきたる)」

「若葉の薫りを乗せた風が南から吹いてくる」という爽やかな言葉ですが、単に風の爽やかさを表現した言葉ではありません。

悟りを求めて修行している僧が、この言葉を聞いて「自分は思考の世界に迷い込み、今この瞬間に吹く風にすら気付いていなかった。今を無自覚に生きていて、どうして悟りが開けるものか」とハッと気付き、深い感動を得たという深い意味があります。

風を感じ、今一瞬という時間の大切さに気付いたら、人生への愛が自然と湧いてくるでしょう。

風を感じに出かけてみませんか?

Q3
生きている意味とは何なのでしょうか?物事すべてに疑問を持ってしまい、生きづらさを感じています。

A3
「自分のことを知らないと、生きるのがつらくなります」将太郎

生きる意味とは何なのか?その明確な答えはなく、意味を考え続けることが人生ではないでしょうか。生きている意味が見いだせず無力感や不安を感じるなら、それは言い換えると「好きなこと、嫌いなこと、楽しいこと、つらいことがわからない」という状態ですね。自分のことが分からないから、何をしたいのか分かず、人生の意味を感じられないのでしょう。

まずは自分を知るために、感情、感覚に意識を向けていきましょう。日々加速する時代の中で、あらゆる情報に囲まれて生きる現代人の暮らしは、変化し続ける外の景色に常に注意を払い、猛スピードで車を運転しているようなもの。そんな状態が続いていると、外の情報で頭がいっぱいになり、自分のことが分からなくなってしまいます。意識してアクセルを緩め、自分の内側へベクトルを向ける時間を増やしていきましょう。

リラックスして好きな音楽を聞く、寝る前に5分間1日を振り返るなど、1人でゆったりと過ごす時間を作ってください。今日は何に楽しさ、つらさを感じたか。どんな音楽を聞くと気分が良くなり、どんな飲み物を飲むとリフレッシュできるのか。少しずつ自分を知っていき、「今日はいい1日を過ごせた」と思える日を増やしていけば、生きる意味を感じられるようになっていきます。そんな日々を重ねていけば、人生最後の日にも「良い人生だった」と思えるはず。

そして、「すべてに疑問を持ってしまい生きづらい」ということですが、何か疑問を感じたとき、どうしているでしょうか。「なぜ?」「どうして?」と疑問を感じるのは、問題解決や探求のきっかけであり、人生を豊かにするために大切なことです。苦しくなるのは、疑問があるのに見て見ぬふりをしてしまったときです。

世間的なルールや定義に当てあまらなくても、正解が分からなくても、自分なりの感想や結論を持つことができれば、日々納得感を持って生きられます。6~7割は自分で考え、3~4割は外部の情報や意見を取り入れるくらいのバランスでいると、自分軸ができて外の情報に振り回されなくなり、気持ちが楽になっていきます。

ゆったり過ごす時間で自分にベクトルを向ける。疑問には自分なりの感想や結論を持つ。外に捉われがちな意識を内側に向けていくことで、確実に今より生きやすくなっていきます!

立ち止まって自分にベクトルを向ける時間を持つ

Q4 
ストレスが症状として身体に出る前に、自分で気づく方法を知りたいです。

A4
「1日5回のチェックポイントで早めの対処を!」将太郎

大きく体調を崩したり、立ち直れないくらいメンタルにダメージを受けてから、はじめてストレスに気付くという人が増えています。そうなってからでは回復に時間がかかるので、普段から自分へ意識を向けておくことが大切です。

どれくらいの頻度で自分を振り返り、メンテナンスしているでしょうか。年に1回、年末だけという人も多いのですが、それでは自分の変化に気づけません。医師をしている私でも、マメに自分をチェックしていないと不調を見逃してしまうので、1日5回の「チェックポイント」を設けています。

5回とは、
①朝の自分時間②朝食③昼食④夕食⑤夜の自分時間です。

①朝の自分時間では、ヨガ、ストレッチ、ジョギングなどの運動か掃除などをします。軽く体を動かして、体の重さ、心拍数、やる気などをチェックします。

②、③、④の食事では、食欲、胃の状態など、食事をとったときの状態をチェックします。

⑤夜の自分時間は、1日の振り返り、坐禅などでゆったり過ごし、その日の体調やメンタルを振り返ります。

この5つのチェックポイントを毎日のルーティンにすることで、小さな変化に気付けるようになります。毎日チェックするからこそ「いつもと違う」という気付きが起きるので、習慣化することが大切です。

「なんとなくおかしい」「いつもより調子が出ない」という感覚は、心身からのサイン。そんな違和感をキャッチしたら無理をせず休み、セルフケアを念入りにしてください。毎日に5つのチェックポイントを取り入れて、早めはやめにストレスや不調に対処していきましょう。

セルフチェックをしないと異変に気付けません

いかがでしたか?

私は、「愛を感じるには、反対の憎しみを探してみる」にハッとしました。殴り合い、罵りあいばかりだったらそこに愛は感じられないけれど、そんな状況は身近にない!意識していないだけで、今日も愛に包まれて生きているんですね。

1日5回のチェックポイントも早速取り入れてみます。最近少し太ってしまい、運動しているのになんでだ…と思っていたけれど、振り返ってみたら「運動してるから食べていいや!」と子どもと一緒におやつをむしゃむしゃ、白ご飯もおかわりの日々。胃も重たかったような気がする。本当に、意識しないと変化に気付けないものです。

意識の向け方次第で、世界も自分の見え方も変わりますね。

次回の配信は6月3日(月)am7:00!

すでに寄せられている以下の質問にどんどんお答えしていきます。


・新しい職場につく度に、覚えの悪い自分がとても嫌になります。どうしたら自信を持てますか?

・「モラハラ」な人に、どう相対したら良いでしょうか?そもそもなぜ「モラハラ」な人になるのでしょうか?

・「身口意」ができていないと気づいた時のリセットの方法を知りたいです。どこから手をつけていったらよいでしょうか。

・期待を裏切られて失望する可能性があるなら最初から期待しない方がいいですか?自分に対しても期待しないほうがいいでしょうか。

・「自分を大切にする」「愛する」「他人を許す」ということが、イマイチわかりません。どうすればいいのでしょうか。

・長女42歳とうまくいきません。私とは正反対の性格で、合わそうと思うほど心がつらくなります。

・老いを生きるとはどういうことでしょうか。医師と僧侶の立場からの答えを聞きたいです。

・人前で話すのがとても苦手です。克服するために色々試してみましたが、効果がありませんでした。どういう心構えが必要ですか?

・仕事を真面目にやらない人がいて、イライラしてしまいます。気持ちの切り替えをどうしたらいいか、教えて下さい。

・頭も心も疲れていて、休む時間も取れない時の対処法があれば教えてください。やはり瞑想するのがよいでしょうか?

・余命宣告を受けた家族、友人とどう向き合ったらいいか、お伺いしたいです。

・どうして緊張するとお腹が痛くなるのでしょうか?

・医療従事者は死をどのように学び、どのように受け止めているのでしょうか?

・社会人10年目、メーカーで営業職をしています。具体的な予定はありませんが、転職や独立も視野に入れて社会人大学院で学ぼうかと考えています。ただ、数百万円の費用は重く、仕事との両立を考えると踏み切れない思いも。自己投資にどのくらい時間や費用をかけたらいいのか、心構えなどアドバイスを頂きたいです。

・イラストレーターをしていますが、生成AIに指示してイラストを作成すると、驚くほどレベルの高い作品ができます。今後、クリエイティブな分野で人間が担う仕事が減っていく中で、自分の存在価値をどう高めていけばいいのか悩みます。新しい時代に対する心構えやスキルなど、ご意見を伺いたいです。


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