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韓ドラ「未生」には色々なものが詰まっているって言わせて欲しい。(今更)

 甥っ子が、大好きだった部活を辞めた。運動部だったが、「上手くなりたい」という気持ちを常に持っていた。彼は運動が苦手なのに1年間やり切り2年目、辞める事となる。あんなに良い子なのに、どうして子どもの世界では上手くいかないのだろう。どうやら、人間関係で何かあったようだ。その事実を知った時、まるで自分の分身が苦しんでいるような何ともいえない辛い気持ちになった。代わってあげる事が出来たらな。子どもの世界は残酷だ。葛藤や嫌な経験の中からこそ学ぶ事がある、という事をわかりながらも、彼には楽しい事ばかりを経験して欲しいと思う毎日だ。

 そんな時に韓ドラ「未生」を観た。これは2014年の作品なので、もう9年も前の作品になるのか。韓ドラは詳しくないのだが、この作品は元気が無い時に観るモノとなりつつある。ホロリとするし、何だか頑張ろうと思えるような力が湧いてくるから不思議だ。

 舞台は総合商社。オフィスでのやり取りや事件が中心のストーリーだ。囲碁棋士としてプロを目指していたチャン・グレが苦労した末にコネ入社したところから物語は始まる。一応、主人公はこのチャン・グレだが他にも個性豊かなキャラクターが勢揃いしているので、メインキャスト全員主人公みたいな扱いだ。色恋は一切無しだが物凄く惹きつけられる。それは何故かと考えたら、オフィスの誰もが「理不尽さ」と自分なりに対峙し闘いどうにか自分の大切なものの為に現状を打破したいと懸命になっている姿に共感するからだ。

 上下関係、忖度、同期、ライバル心、派閥。組織に入った事があるなら誰もが感じた事のある理不尽さが細部に織り込まれている。しかしその中でやりがいを見つけたり、良い出来事もある。自分がオフィスの一員となり一話ごとに一喜一憂する。忘れていた事を思い出すような感覚にもなる。

 好きな場面がいくつもある。中でも好きなだったのが、直属の上司オ次長の悪口を同期に言われ腹を立てたドンシクが、同期全員を飲み屋に集め「お前ら、オ次長の何を知ってあんな事を言った?謝れ!」と泥酔。結局同期(1名帰宅したがほぼ全員)でホテルに泊まる事になるが、「こんな事でもなければ集まれなかったな、昔はもっと近い存在だったのに」と皆で川の字で寝るという場面。近い存在だったけれど、立場や環境によって、自分のあり方すら変化してしまう。それが組織というものなんだな。と涙が止まらなくなった。

 そんな事を思いながら、甥っ子には必ず幸せで居て欲しいし、その他にも身近な所で心配な事はあるし、自分の事ならどうにかなるが、自分ではない誰かの、傍に居る大切な人たちがいつだって幸せで居て欲しいのに。と、思いながら未生を思い出し、色々な事がごちゃごちゃになって、また泣いた。

悲しい時にも嬉しい時にも、ポテト。これはロイホ。

 


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