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農家は心でみる。

畑から帰ってきて、
「空をゆく巨人」を読んでいました。

この本は、自分のアイデアの元となっている本でもあります。

宇宙という壮大なテーマを現代美術でどう表現するのか。
表現のアプローチ法を学んでいます。

この本に出てくる蔡国強という美術家は、
火薬を宇宙のエネルギーの象徴と考え、
火薬画という作品を作りました。

火薬の爆発で、キャンパスに描かれる作品は、
作者でも予測のつかないものとなり、
自然の原理をそのまま作品に反映させています。

自然は予測のつかないもので、
野菜を育てていると、
自分の想像を超えた育ち方をします。

昨日まであんなに小さかったのに、
一日経っただけで、こんなに大きくなったのか
という驚きは、毎日繰り返していますし、

今まで元気だった野菜が、
急に萎れてしまう様子も目にしています。

なぜこんなにも楽しませてくれるのか。
あるいは、困らせてくれるのか。

野菜と接していると、
自分の思い通りに行くことはわずかで、
思い通りに行かないからこそ
野菜本来の姿で成長していけるのだと気づかされます。

今日畑に行くと、オクラの新芽が枯れていました。

何かの病気かと思い、調べてみると、
寒さが原因と書いてありました。

ですが、いまはご存じのように夏の真っ盛りであり、
さむさが原因とは考えられません。

他に原因があるのでしょうが、
まだ見つけられていません。

野菜に意識が向くと、
成長するにつれて、心配な要素が沢山あることに気が付きます。

もし、育てていて何も思わないとしたら、
それは不感症なのだと思います。

野菜にも個性があり、知性があると思っています。

マイクロキュウリを見ていると、
つるを伸ばして、草やネットに掴まり、
どんどん上に登っていきます。

太陽の光を求め、自分の身体を成長させていくために、
生存戦略を立てて、実践しています。

光を求める姿を見ると、
野菜にも知性があり、
生きることに貪欲であると分かります。

野菜は何も言葉を発しませんが、
姿形を毎日見るだけでも、
対話をしているような感覚になります。

おそらく、農家の人たちは、共通の感覚を持っていると思いますが、
野菜と対話するとは、言葉を使わずとも、
意識のレベルでやり取りが行われているという意味です。

野菜の心を知り、心眼でものを見る。

これからも対話を続けて、野菜の状態を気にかけ、
よりより美味しい野菜をつくり、
食べると、自然と笑みがこぼれるような、
対話が生まれて、豊かな空間・時間が育まれるような、
畑の豊かさを届けたいと思います。

それでは、また!


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