読書記録 絵本『のりかえの旅』
読書記録
『のりかえの旅』長田真作/作 あすなろ書房
表紙はぽつねんとバス停。すでに可愛い。本屋で見かけて一目ぼれした。
どうやら主人公は旅へ出かけるようで、ページをめくるたびにいろんな乗り物に乗り換えていきます。それだけなんだけどすっごい面白かった。出てくる乗り物もどれも可愛らしい。描かれているのは乗り物と場所。立体じゃなくて平面で描いてあるからかなあ、想像する余白がたっぷりあって、今、乗り物がどんな場所を走っているのか考えてみたくなる。
私はその中でも気球、エレベーター、ロープウェイが好き。ロープウェイのページは見ていてとても気持ちが良かった。全体的に落ち着いた色合いで読んでいると穏やかな気持ちになる。海の中を行く潜水艦も良かったなあ。
みんなきっと気に入る乗り物が一つはあると思う。
不意打ちのモンスタートラックとさいしんののりものには笑っちゃった。
そんな可愛い絵本なんだけど、ラストシーンはすごくセクシーだなって私は思った。それまではずーっと「~にのりかえます」でこっちもニコニコ読んでいたんだけどラストが近くなったら急に
あの木あんなに大きくなったんだ
って言い出したもんだから、ドキドキしてしまった。
関係性を想像しちゃうよなああ!!
ラストシーンはだれかのおうち。テーブルにはカップが二つ。そして
おひさしぶりね
とおくからはるばるありがとう
か~っ! か~っ! ね、ね、ね、すごくセクシーじゃない?
ここへ来るまで本当にたくさんの乗り物を乗り換えてやってきたんですよ。山越えて谷越えて空飛んで海に潜ってね。そうしてやってきた私にね
おひさしぶりね。とおくからはるばるありがとう
って言うの、なんかすごい大人じゃないですか。そんなことないですか。わたしの考えすぎですか。そうですか。
ぜひ、最初から読んでここのページまでたどり着いてほしい。他の人はどう感じるんだろう。
か~っ! これは関係性を考えずにはいられませんぞ~! とか、急に言い出すことのない小さい子でも、いろいろな乗り物がでてくるから
「あ、これ乗ったことあるやつだ!」
とか
「あ、これ知ってるよー!」
とかなって、楽しいと思います。先にも言ったけど、乗り物と周りの景色の絵を見ているだけで、その場所を想像してすっごくワクワクしてくるから幅広い年代で楽しめる絵本だと思う。
……いやあ、それにしてもセクシーなんだよなあ。
今日はここまで。
読んでくださってありがとうございます。
のびでした。
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