『ネットワーク・エフェクト マーダーボット・ダイアリー』マーサ・ウェルズ（著）中原尚哉（訳）
【ネビュラ賞・ローカス賞受賞】かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されていた人型警備ユニットの“弊機”。紆余曲折のすえプリザベーション連合に落ち着くことになった弊機は、恩人であるメンサー博士の娘アメナらの護衛として惑星調査任務におもむくが、その帰路で絶体絶命の窮地におちいる。はたして弊機は人間たちを守り抜き、大好きな連続ドラマ鑑賞への耽溺にもどれるのか？ ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞・日本翻訳大賞受賞＆2年連続ヒューゴー賞・ローカス賞受賞『マーダーボット・ダイアリー』、待望の続編！
弊機シリーズ第2段。今度は長編で抜群の読み応え！ 相変わらず弊機は可愛いのだが、ARTの可愛さ（ヤンデレ）が上回った一冊。
今度はメンサーの娘を含む調査団の護衛をしていた弊機だが、帰り道謎の集団の襲撃を受け拉致されてしまう。そしてそこで目の当たりにするのは変わり果てたARTの姿で…。人間やARTを守るため弊機が奔走する！
一冊を通して謎の襲撃者たちとの攻防、由来の調査などミステリ要素高め。なんとか凌いでいくのだが、人間達が有能だし（誤解はするが）、敵の弱さにだいぶ救われてる。それでもギリギリだったので、敵がもっとマシな組織だったら、と考えると割と詰んでてヒヤヒヤする。
そんな中、いつもどおりぶっきらぼうな弊機と人間とのやり取りや、弊機を弄ぶARTが楽しい。地の文は今回も弊機の一人称。ほぼAIなのに「リストにあるのでいちおうやります」とか言うのが楽しい。
さらに今回、弊機が人間を嫌いな一因が判明する。「靴下みたいな匂いがするから」。酷すぎて笑った。お前の有機体も同様だよ！
ちょっと残念なのは、ドラマオタクっぷりの描写が控えめな所かな。前回は執念みたいにねじ込んでいたが、今回は少なめ。10回も無いかも。でもARTと一緒に見てたのが可愛いので許せる。
弊機2.0がドラマアーカイブ消失に嘆いていたのが笑えただけに顛末にしょんぼりしてしまった。
関係ないが、ART再登場と聞いていたので、表紙の女の子はARTがボディを手に入れたのかと思っていたが全然違った。多分アメナ。
前作のキャラ、ART以外もエピソードがちょくちょく出てくるので読み返したくなるなぁ。
⬇前作の感想
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