『キュレーターの殺人』M・W・クレイヴン(著) 東野さやか(訳)
ワシントン・ポーシリーズ3作目。1,2作目はポーが事件に巻き込まれてるので、そろそろ別パターンが来るかなと思ってたら、まさかこう来るとは…。勘弁してくれと祈りつつページを捲ったよ…。
お話は、クリスマス明けに、別々の場所で3人分の指と謎のハッシュタグが発見されるというもの。指は生前に切り落とされたものと、死後に切り落とされたものがセットで置かれており…。
中盤まで、ポーの洞察とティリーの分析が冴え渡り、まさかそんなという繋がりが見えてくるも(読んでて何一つ予想できなかった)、FBIからの知らせで全てが一変してしまう、という構成がお見事。冒頭の事件は前哨戦で、キュレーターが登場してからが本編。その本編がまさかの展開で唖然ですよ。ネタバレなしに語れないので、下部で。
そして今作も犯人逮捕後が熱い。というか一番の見所。真実も衝撃だが、ポーの行動がまた衝撃。シリーズ1作目でこれをやられても、そういう人なのねで終わるが、シリーズ3作目でやられると、積み重ねがある分、驚きが全然違うし、皆を好きになってるので、よくやったと喝采を送るしか無い。
まぁしかし色々心臓に悪いので前作のほうが好きかな。事件にはポーが巻き込まれてくれ(笑)
本編と関係ないネタも豊富で楽しかった。
シークレットサンタやベビーシャワーなど、知らない文化をしれたし、バーのナッツと氷の話や、ゴミ収集が二週間に一度という話でイギリスの嫌なところが知れた(笑)
あと、ダッフルコートの留める牙みたいなやつ、トグルボタンっていうのね。
以下ネタバレ
ミステリィに妊婦が出てくるとロクなことが起こらない。ピエール・ルメートル作品しかり、ジョー・ピケットシリーズしかり。冒頭、フリンが妊婦の時点で恐怖しかなかったが案の定だし…。フリンが狙われた時点で、真犯人の目星は二択になり、どっちでも最悪だし…。
また、メタ的に怪しすぎる中途の警官が最高だった。ひっかけだったとは! 見事やられたよ。ティリーに近づいていくのが恐くてたまらなかったよ。
ポーが1mmも疑ってないの、私と違って見る目があるって事なのだろう。
しかしお話は無理があるよね。
あんな呼び寄せ方しないよ。拉致るよ。国防省の人間拉致れたんだから、警官一人余裕で拉致れるよ。
なりすましも、洞察力お化けのポーなら、足の筋肉で見破るよ。
もうファンだから許せるけども(笑)
過去の感想
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