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『7月のダークライド』ルー・バーニー(著)加賀山卓朗(訳)

遊園地で働く青年ハードリーはある日、煙草の火傷痕の残る幼い姉弟を見かける。
行きがかり上、虐待を通報するも当局に相手にされなかった彼は、証拠を掴むため素人探偵まがいの調査を開始する。
見えてきたのは裕福なのに荒れ果てた家と、弁護士の父親の背後にちらつく麻薬組織の影。
23年間、面倒を避け気ままに生きてきたハードリーは、幼い命を救うため人生で初めて壮大な賭けを仕掛けるが……。

ルー・バーニーどうしちゃったの!? というほどつまらない。『11月に去りし者』が大好きなので全部読むと決めたけど、その決意がゆらいでるよ。これなら『ガットショット・ストレート』の続編を訳してほしかった。

大麻づけの青年が根性焼きされた子供を目撃、気まぐれな善意から福祉施設に通報するも、忙しくて全然とりあってもらえない。子供が頭から離れない主人公は自分で救うことを決意するが…。というお話。

軽薄なハードボイルドというか、ただの力なき正義のお話で、ストーリーは平凡だし、各キャラも全然化学反応してない。なにより敵が薄っぺらすぎてリアリティ皆無。
ドン・ウィンズロウの探偵ニール・ケアリーをやりたかったのか? とも思うが、それにしては主人公がまったく格好良くない。

良かったのはゴス娘くらい。彼女を主人公にしたらよかったのに。

本編と全然関係ないが、”まだDVD が流行ってた時代だ。”という一文が一番衝撃を受けちゃったよ。



以下ネタバレ。

銃がなければこのラストはないだろう。なんちゃって右翼の大家が一番邪悪。自分の手は汚さないし。

銃だけでなく、なんの希望ももてない社会も死に至る病たり得るよ、ということが言いたかっのかもしれない。でも本編がつまらなすぎてメッセージが届かないよ。

#読書感想 #読了 #ネタバレ #海外小説

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