『7月のダークライド』ルー・バーニー(著)加賀山卓朗(訳)
ルー・バーニーどうしちゃったの!? というほどつまらない。『11月に去りし者』が大好きなので全部読むと決めたけど、その決意がゆらいでるよ。これなら『ガットショット・ストレート』の続編を訳してほしかった。
大麻づけの青年が根性焼きされた子供を目撃、気まぐれな善意から福祉施設に通報するも、忙しくて全然とりあってもらえない。子供が頭から離れない主人公は自分で救うことを決意するが…。というお話。
軽薄なハードボイルドというか、ただの力なき正義のお話で、ストーリーは平凡だし、各キャラも全然化学反応してない。なにより敵が薄っぺらすぎてリアリティ皆無。
ドン・ウィンズロウの探偵ニール・ケアリーをやりたかったのか? とも思うが、それにしては主人公がまったく格好良くない。
良かったのはゴス娘くらい。彼女を主人公にしたらよかったのに。
本編と全然関係ないが、”まだDVD が流行ってた時代だ。”という一文が一番衝撃を受けちゃったよ。
以下ネタバレ。
銃がなければこのラストはないだろう。なんちゃって右翼の大家が一番邪悪。自分の手は汚さないし。
銃だけでなく、なんの希望ももてない社会も死に至る病たり得るよ、ということが言いたかっのかもしれない。でも本編がつまらなすぎてメッセージが届かないよ。
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