薬剤師の転職活動はどんなことするの？

こんにちは！大前です。
薬剤師さんの転職活動ってどんな内容かご存知ですか？
長年の薬剤師不足や、薬局の営業形態、
薬剤師さんが就職活動に慣れていないということから、
転職活動にも特殊な状況が起こっています。

10年以上のキャリアカウンセラー歴を持ち、
最近の5年は薬剤師向けの転職支援会社の経営者として働く、
私、大前が一般の方にもできるだけわかるように
お話しさせていただきます！

面接は１回だけ

多くの会社で、面接は一回だけで終わります。
1部上場の大手薬局から中小規模の薬局においても、
多くがこの形式となっています。
理由としては、

1.長年の薬剤師不足
2.業務内容があまり変わらない
3.処方箋枚数に制限がある

長年の薬剤師不足により、企業はできるだけ多くの薬剤師を
雇いたいという理由から、選考を簡略化しており、
免許さえあれば採用というような状況が続いていました。
（コロナ以降は変わりつつあります。）

また、一回で選考を終わらせて業務に支障は出ないの？
という疑問が出るかもしれませんが、
薬剤師の業務内容はどこの会社でも共通していることが多く、
病院と調剤薬局等の施設が違わない限りは、
ある程度の仕事はしてもらえるという理由があります。

処方箋枚数に制限があることもポイントです。
薬剤師には1日40枚という処方箋の上限があります。
40枚を1人でこなすのは、なかなか難しいですが、
中には50枚以上捌いてしまう猛者がおりまして、
グレーではあるのですが、店舗内で帳尻を合わせることが
あると聞いたことがあります。
極端に言えば、免許さえさればOKという状況も発生していたため、
選考が簡略化されているのです。

面接時間も30分くらいやって、「内定！」ということもあり、
「もう少し会社説明してくださいよ…」ということもありますが、
新卒の就職活動の際にも、
教授推薦の1社を受けて入社したという人も多く、
薬剤師さんが就職活動慣れしていないこともありまして、
それで決まってしまうことも多いです。

どういう内容を聞かれるの？

薬剤師の転職支援をする際には、
面接にコンサルタントが同行することが多く、
私も何度も面接を聞いています。
面接の際に聞かれる内容は様々ですが、
主にこちらの内容かとおもいます。

1.業務経験
2.希望条件
3.退職理由、志望理由
4.趣味などプライベート

1.業務経験

業務経験で聞かれることが多いのは、
・前の店舗は門前？面対応？
・店舗には何枚くらい処方箋が来ていて
・薬剤師は何名体制？
・その中で処方箋を1日何枚担当していた？
・処方科目の経験は？
こんな感じです。

門前は病院の門前にある薬局、面対応は街中にある様々な
医療機関の処方箋を受け付ける薬局です。
門前薬局でも大学病院などの近くにある場合は、
難しい処方箋が来たり、多くの処方科目が来るので、
経験としては重宝されます。

例えば、皮膚科専門クリニックの近くにある薬局は、
皮膚科の処方箋が多くなりますので、
未経験の分野多いということになります。

ただし、科目や作業内容は覚えればいいという面もあるので、
それほど重要視はされず、しっかりテキパキと仕事が
できるかの方が見られることは多いとおもいます。

2.希望条件

薬剤師の場合は逆に希望条件を聞かれることがあります。
これは薬局側はできる限り薬剤師を採用したいので、
希望に添えるように聞くことが多いです。

・年収はいくら希望？
・何時に帰りたい？
・店舗移動はできる？
・在宅はできる？
・車は運転できる？
・管理薬剤師やりたい？
・1人薬剤師できる？

薬剤師という職種は仕事のやりがいが難しく、
条件面での選考になることが多いと言えます。
特に年収は重要で、各社競い合って条件提示することも多いです。

一般の選考で「何時に帰りたい？」
とかは聞かれないとおもいますが、
薬局は病院が閉まった後に閉まるので、
18時〜20時頃に営業終了となるところが多いのと、
女性も多いため配慮してくれているのですね！

1人薬剤師というのは店舗を1人の薬剤師だけで運営することです。
処方箋のダブルチェックが出来なかったり、
お客さんからのクレームなどにも対応する必要があり、
大変なことが多いため敬遠される方が多いです。

3.退職理由、志望理由

薬局はできるだけ長く勤めてもらいたいとおもっているので、
退職の理由や志望した理由を聞かれます。
退職の理由は言いにくいことが多いですよね…。
狭い薬局コミュニティならではの
人間関係から退職ということは多いのですが、
本人にも問題があるのでは？
とかと勘ぐられることもありますし、
私も言い方をアドバイスすることもあります。

あと、志望理由は結構難しく、「年収が高いので…」
とか本音を言いにくい場合が多いです。

一般の企業であれば、だいたいは商品やサービスに
特徴があったりしますので、
志望理由はいくらでも思い浮かぶのですが、
嘘を言う訳にもいかないので、
ここで詰まる方は結構おります。

4.趣味などプライベート

薬局は狭いコミュニティですので、
自社のメンバーと合うかという部分が重要になります。
店舗のボスである管理薬剤師と相性が合うかなど、
面接担当は結構気にしているのです。
休日は何してる？
などプライベートな質問をされることも多いです。

今後の選考方法は変わる？

この面接の簡略化というのは、薬剤師不足が主な原因の一つでした。
薬剤師の就職バブルが、コロナ禍で終わってしまったため、
既に変わり始めています。
何より、前は応募は1人も来ない状況から、
数名応募がくる状況に変わったことで、
薬局は人柄や考え方を注意深く観察し、
比べることができるようになりました。

質問の内容も薬剤師の希望をできる限り叶えよう！
という状況から、お互いにとってメリットのある方でないと
採用しないという方針に変わってきています。

これは一方的に「薬剤師転職冬の時代」ということではなく、
様々な業種の転職支援経験がある私からすると、
やっとお互いに対等な良い選考の時代が始まるのだとおもっています。

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