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小さな一コマから子どものレジリエンス(立ち直る力)を育んでみる

「先生!○○くんが叩こうとしてくる!」

そんな風に、子どもたちから言われることってありますよね?


最近、オンラインで、保護者向けの場を作っていっています。

その中で、これに似た質問があったんですね。

子どもが、自分の大切にしているものを、ほかのお友達に壊されてしまい、そのことを先生に伝えて言ったのに、流されてしまったことがあります。こんなとき、どうしたらいいでしょうか?

オンラインでの時間では、終わりの時間の関係上、そこまで突っ込んで話は出来なかったのですが、もしも僕がその時の先生だったらどうこたえるかな?なんて考えていました。


そして、先日の、クローバークラスの活動の中で、これと同じような場面があったんです。

「先生!○○くんが、叩こうとしてくる!」

そんな風に言いにきた子がいました。

こんな場面、日常生活でよくありますよね?

皆さんだったら、どんなふうに関わりますか?

改めて、自分がどんなふうに関わっていたのかを分析してみたいと思います。


「先生!○○くんが、叩こうとしてくる!」

そのときに、まず僕が考えているのは、その子が何を求めているかというその子の中にある目的を観察していきます。

その目的は、大きく分けて2つあるんじゃないかなと思います。

・話を聞いて共感をしてほしい

・困りごとを解決してほしい


目線や、表情、声のトーンなどを見ながら判断をしていきます。

とは言え、やっぱり話を聞いてみないと分からないので、こんな風に聞いていきました。

「そうなんだ。それは嫌だったね」

「うん」

ここからもうちょっと踏み込んで聞いてみます。

「なるほど~。そのあとどうなったの?」

「え?それを何回もしようとしてくる」

「そっかあ、それは嫌だよね。それでどうなったの?」

「やめてって言ったの」

「お!やめてって自分で言ってみたんだね」

「うん」

「そっかあ、自分たちでなんとかしようとしてみたんだ~。話してくれてありがとう」

このあたりから、表情がかなり明るく変わり始めました。

「りょうた先生が何かお手伝いした方がいいことってありそう?」

「ううん、大丈夫~」

そう言って、その子はまたみんなのところに走っていきました。


その様子を振り返って、その子が一番求めていたものは何だったんだろうと自分なりに考えてみました。


きっと解決をしてほしかったわけでは無いんだと思います。

どちらかと言えば話を聴いて共感をしてほしかったんでしょう。

では、何に共感をしてほしかったのか。

自分がされて嫌だった気持ちに共感をしてほしかったのか。


話を聴いていった上で僕が感じたのは、嫌のことをされていても自分で何とかしようとしてみたという自分の勇気に共感をしてほしかったんじゃないかなと感じました。


子どもたちの言葉の奥に、どんな気持ちが隠れているんだろうと考えてみることってすごく大事だな~と思います。

大人でも自分の言葉で、自分の気持ちを表現するのって難しいですもんね。

子どもたちは尚更。だからとっても難しい。


大人が解決をすることって簡単かもしれません。でも、それって本当の意味では解決になっていないことの方が多いのかもしれません。


今回改めて、子どもたちは、大人が思っている以上に、自分たちで乗り越えようと頑張っているんだなと感じました。


僕も、関わっているときは、無意識なのですが、自分の中にある芯としては、その子の問題を、その子自身が、どう乗り越えていきたいと思っているのか?を大切にして、すべての判断をしているような気がします。


そんな風に、子どもたちの周りに、子どもの力を信じて、トラブルを見守っていける環境を広げていけたらなと思います。


そして、これってレジリエンス(立ち直る力)を育むのに、めちゃくちゃ効果的な場面なんじゃないかなと思っています。


何か子どもたちの周りで問題が起こったときに、子どもたち自身の中にある解決する力を信じてあげる。つい、大人がうまいやり方やアドバイスをしてしまいがちなところをぐっと我慢して見守ってみる。

本来、レジリエンス(立ち直る力)は、すべての子どもたちの中に備わっている力だと思います。

しかし、良かれと思って、子どもの問題を大人が解決をすることで、自分では解決できないと勘違いをしてしまい、無力感を覚えてしまう。

だから、僕は、本当に子どもたちが必要としている最低限のサポートは何かをいつも探しています。

これって、アドラー心理学でいう「課題の分離」に通じるところがあるかもしれませんね。


そんな風に、自分で乗り越える体験を積み重ねていって、自分の中にある「生きる力」を発揮できるようになっていければ嬉しいですね!


今回は、そんな自分の無意識の子どもへの関わりを分析して、ブログにしてみました~












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