自分の色を出すには?
つい先日、数年前に関わっていたスタッフと出会いました。
当時彼がまだ大学生だったときに、関わっていたスタッフです。
今年度から社会人になって、子どもたちの前に立っていて、なんだか歴史の積み重ねを感じました。
そこでこんな話をしたんです。
「頑張っているみたいだね。最近どう?」
「いや~、難しいですね。なかなか自分の色が出せなくて、、、」
「自分の色って?」
「自分らしさというか、自分に魅力が出るような感じです」
「なるほど~。自分の色か~」
その話を聞きながら思ったんです。
自分の色を出すって何だろうと。
僕は教育者として、子どもたち一人一人が自分らしさを発揮できるようになってほしいと思っています。
だからこそ、その話を聞きながら、どうすれば自分らしさを発揮できるようになるんだろう?と改めて考えてみたんですね。
まずは、自分の経験を踏まえて考えてみました。
僕自身、今でも迷いながらではありますが、今ではなんとなく自分の色みたいなものは確かにつかんでいます。
あなたの色はなんですか?と聞かれれば、状況に合わせてそれっぽい答えを返せる自信は確かにあるんです。
子どもたち一人ひとりを見る目線であったり、相手の背景を考えながら関わることであったり、問いかけと伝え方の工夫であったり、自分の中に確かにこうありたい!と思う姿が存在しています。
ある意味で自分のことをよく知ったうえで、何ができて何が苦手なのかを知り、それを生かそうという考え方ができているように思います。
そうなると、自分の色を出すためには、自分自身のことをよく知らないといけないわけですね。
でも、僕自身、過去ふりかえってみても、これが最初からできていたのかな?と思うと、全くそんなこと無かったように思うんです。
教育の道を志して、気づけば10年以上が経過しました。
僕がまだ新人だったころを思い起こしてみると、、、、
当時は本当に空回りして、どうすれば自分の色を出せるかなんて器用な考えは、全くもってできなかったように思います。
本当にガムシャラに、子どもたちのために、自分に何ができるんだろうと考え続けていました。
当時、民間の野外保育の仕事をしていて、2歳の子どもたちの担任をしていたんですね。
大学で教育を学んで形だけ免許を持っていました。それも幼小中高と一通りもっていたんです。それでも実際に2歳の子どもたちと関わってみると、経験も知識もまだまだ未熟で、自分に出来ることなんてほとんど無かったんです。
それでも思いだけは強かったように思います。
自分は教育の道を歩くんだ。関わる子どもたちがこれからの社会を生きていくための支えになりたいと。
まずは日本一の教育者を目指そう、なんて思っていました。
別に誰かと比べて優れた教育者になりたいとか、誰と比べて日本一かとかは実際どうでも良かったんですけどね。ただただそう思ったんです。
だからこそ実際の自分とのギャップは人一倍大きかったなと思います(笑)
自分が大学時代に学んできたことが、実際の子どもたちと関わる上でほとんど使えない!と。
そして2歳の子どもたちと関わっていくときに、自分の伝え方が難しく、全然子どもたちに伝わっていない。
はたまた一人一人の発達が違いすぎて、杓子定規に年齢ごとの発達段階なんかで測れない!と。
そこからは本当に地道な戦いでした。
まずはコミュニケーションを改善しようと思い、「コミュニケーション 名古屋」と検索をかけます。
そこで一番上に出てきたコミュニケーション講座に通いました。
必死過ぎて気づけば半年で60万円以上もする講座に通っていたんですね。
ただ実際に学んだのが、ビジネスコミュニケーションが中心だったので、今思えばなぜそこに通ったんだろう?と不思議な感覚になります(笑
それで終わらず、いや、もっと伝え方を学ばないととなり、今度は「話し方 名古屋」と検索をかけます。
今度は3か月で30万円ほどの話し方講座へ。
もはや頭が悪いとしか言いようがないなと自分でも思います。
2歳の子どもたちへの伝え方を改善しようと思ったのに、、、
それでも今、その学びはものすごく生きているので良しとしましょう(笑
そのあと「講師オーディション」なるスピーチ大会まで出場したので、もはや別の意味で楽しんでいた気もしますが、、、
ちなみにしっかり予選落ちしました(笑
そして次の年、クラスを受け持ったお子さんの保護者の方から、発達に遅れがあるという相談が入りました。
発達について知識では学んでいたものの、実際にかかわってみると、その子のために自分が何もできないことを実感します。
その子のために自分は何ができるだろう?
そこで思ったのが
「そうだ、もっと発達支援の現場に入って学ばないといけない!」という考えです。
そこから今度は「発達障害 研修 名古屋」で検索をかけます。
それでも実際に名古屋で現場に入って、研修を受けられるところは見つかりませんでした。
それならばと思い「発達障害 研修 全国」で検索をかけたところ、東京の療育現場で実際に子どもたちと関わりながら、研修を受けさせてもらえるところが見つかったんですね。
迷わず行きました。
その年は日曜日がお仕事の休みだったので、毎週日曜日に日帰りで東京まで。合計3か月間、毎週東京まで通ったのを覚えています。お金の節約のために夜行バスを使って~
研修費で15万ぐらいでしたが、東京までの往復の交通費だけで考えてもなんぼ飛んだだろうか~とこれも今思えば、なかなかの頭の悪さだったように思いますw
給料の大半はこれらに消えました。
こんな感じのものを考えてみると、枚挙にいとまがありません。
何が言いたいかというと、
その間にどうしたら自分の色を出せるかなんて気持ちは、全く持つ余裕が無かったということです。
ただただその繰り返しだったように思います。
そうしていたら、自然と自分の色が出ていきました。
別に色を出そうなんて思ったことはないです。
それでも、僕の色が自然と周りに伝わっていったように思います。
そして気づけば、自分でもなんとなく自分の色みたいなものが分かるようになっていったんです。
そこから考えると、
自分の色を出すために必要なのって
目の前のものに没頭して、自分のできることを考え続けること
なんじゃないかなと思います。
多分、自分の色を出そう出そうと思っても、逆に自分の色が何なのか分からなくなる。
そんなことよりも、
・目の前の誰かのために、自分は何ができるのかを考えたり
・目の前の目標のために、自分は何ができるのかを考えたり
そんな風に試行錯誤を積み重ねることが、自分の色を出すための一番の方法なんじゃないのかなと思います。
試行錯誤する中で、自分のやりやすいやり方が見えてきたり、自分の大切にするこだわりが見えてくる。
その積み重ねをたくさんしてきた人こそ、自分の色を自分で理解しながら出していける人なんじゃないかなと感じています。
目の前にいる相手のために自分は何ができるだろうか。
僕にとっては、これこそ自分の色を見つけるための原点だったのかなと改めて思いました。
今は、それが少しだけ広がって、社会であったり、教育全体であったりと、自分には何ができるかと考える範囲が広がっていきましたが、あくまでも原点にあるのは、目の前にいる相手のために、何ができるだろうかというところですね。
話が少しだけそれましたね。
だからこそ、子どもたちには、様々な体験の中で自分が没頭できるものを見つけてもらえればと思います。
野外教育や探究学習もそのための体験であり、そのための学びの場だと思っています。
体験を通して人と関わりながら、目の前のことに没頭していく。
これこそ自分の中にある個性(色)の生かし方を学ぶことにつながっていくのではないでしょうか?
だからこそ知識だけでなく、自分の体験からそんな学びを積み重ねていってもらえると嬉しいですね~!!
そんな教育を広げていければと思います。
僕もまだまだギャップの中で考え続けています。
今のところ達成度は10%ぐらいのところでしょうか~
まだまだより良いものを作り続けていければと思います。
今日はこの辺りで!
何か参考にしていただければ幸いですね。
ありがとうございました~
曽雌
株式会社EDUCAMP
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