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誕生日サプライズ
震災からひと月ほど経ち、わたしは誕生日を迎えました。
その年の誕生日は新宿のパスタ屋でアルバイトしていたのですが、
仕事中に店長から、「今から仕事を抜けて、徒歩数分の本社へ行って、本社の人と面談して」と言われました。
言われた通り、店から徒歩数分のオフィスビル内にある本社に行くと、会議室へ通され、座って待っていると人事部の偉い人と、スーパーバイザーの女性が入ってきました。
話の内容を要約すると、
「喫煙所でうちの店長の悪口を言いふらしているそうですね。あなた辞めてください。」
とのことでした。
そこの店長は少々問題がある方で、アルバイトをバカやデブ呼ばわりしたり、怒鳴りつけたりと、今ならすぐにパワハラ扱いされるような行いをしてる人でした。
そういう人なので、わたしがよくいた喫煙所でも、喫煙所の外でもスタッフからよく悪口を言われていました。
何故わたしが目立ってしまったのかというと、
実は震災の前に、10年勤めたパートの女性が店長に理不尽な形で辞めさせられそうになり、「有給は使わせない」と言われていたそうです。
その女性と仲が良かったわたしはネットで色々と調べて、
有給を使わせないのは法律違反であること、労基に相談するといいことをその女性に教えていました。
実際に相談したかまではわかりませんが、
それを喫煙所で大っぴらにやっていたので、他の店舗の人から店長に話が行き、こうなったのでしょう。
結果、わたしは即日退職することになりました。
後日、給料は働いた分より多めに振り込まれていましたが、とんだ誕生日プレゼントでした。
当時は全く納得いきませんでしたが、
仕事で人を使う立場になった今でこそ、雇ってくれた店長の悪口を言いふらしていたわたしが悪いと思えるようになりました。
そして、当時40代後半で独身だった店長が、わたしのような若い女性に悪口を言われていたことに、とても傷ついていたはないのかと思います。
あの時の店長、ごめんなさい。
画像提供元:https://instagram.com/debrabakerart?igshid=YmMyMTA2M2Y=
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