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「仮説思考」のセンテンス、蔵書からたくさん集めてみました 2 /番外編#2.

昨日のnoteの続きです。2000冊超の書籍をほぼすべて電子化し、OCR処理(文字検索できる形)しているボクだからこそできる内容かな?と思います。

昨日の「超良書、絶対読むべき本!」がプラスで数冊ありました。後日、合体させるとして、とりあえずは、今日のnoteに乗せてみようと思います。

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本noteは、ポートフォリオワーカー*になった、外資系IT企業マーケティングマネジャーによる、『初めてマーケティングを学ぶキミに伝える マーケティングフレームワーク活用講座』の連載企画です。

*「ポートフォリオワーカーって何?」は、こちらを参照下さい。自己紹介とともに説明しています。

前回はこちら、最初から読まれる場合はこちらからどうぞ。
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超良書、絶対読むべき本!(つづき)

鬼速PDCAでは検証のフェーズで必ず「うまくいった原因」も分析する。「たまたま運が良かった」では得るものがないからだ。必ず何かしらの仮説を立て、「もう一回このアプローチで再現できるか、次のPDCAで確認しよう」と考える。
「うまくいかなかった原因」への対策が「改善案」であるとすれば、「うまくいった原因」の再現を試みるのが「伸長案」である。
私は、PDCAのAを、一般的に知られている日本語訳の「改善」ではなく「調整」としている。「改善」だけに目を取られて「伸長」を忘れないためである。

冨田和成氏はPDCA関連本を数冊書かれており、とても参考になります。

その営業の「仮説・検証のループ」を現在まで繰り返し続け、常に新しいやり方を模索してきたからこそわかった「営業」という仕事の新境地を、思考法から実践的スキルまで、個人から組織まで、理性から感性まで、あらゆる角度でひもといたのが本書である。

営業戦略をどうするか悩んでいた時に、この本に出会い、「あっ、ボクと同じ思考でやってる」と思い大変共感した本です。冨田氏の方が、より緻密に、そして徹底的にやられており、自分の営業戦略プランをブラッシュアップさせることができました。

私の経験では正しい戦略を持ち、それを全社員が理解して共有し、全社員参加で最速実行している会社は実に稀だ。
そこで戦略立案だが、そのポイントは、
①敵を知る(マーケット分析)
②味方を知る(現状分析)
③未来を予測して仮説を立てる(戦略立案)
の三つを、いかに正しく行えるかにかかっている。
また、最速実行のポイントは、『正しいリーダーシップ』であり、自らが変わり、周りを変えていくインサイド・アウトの姿勢だ。

元上司だからというのもあるかもしれませんが、読んだ瞬間「スゲーな、ここまで考えてやっていたんだ~」という感想を持ちました。アマゾンレビューを見ると、「文章が稚拙」とかありますが、それでこの本を評価してしまうのは愚かです。ここから何も読み取れないのは勿体ないの一言です。

私流の仮説思考とは、「いまここにある情報だけを頼りに、取りあえず現段階でのベストの答えを考えること」である。
それが、本当に正しい答えかはわからない。だから、「仮置きの説」なのだ。でも、いったん仮説ができたら、その仮説が正しいかどうかだけに絞って情報収集、分析作業をすれば良い。作業の結果、仮説が違うとわかったら、すぐに次の仮説を作る。仮説の方向は正しいが、どうも仮説が粗く、ぼんやりしているときは、どんどん仮説を具体的なものに落としこんでいく(これを、仮説を進化させると呼んでいる)。

著者の山本真司氏は他にもこんな本を出されており、こちらの方が「仮説思考」について詳しく書かれています。「仮説(思考)」が書かれすぎていて、ピンポイントの文章を探すのが大変だったので、「35歳~」の方から引用させてもらいました。どちらも超良書です。

良書、読むべき本!

読んで参考になるところもあり、「いい本だった」と記憶に残っている本達です。読んで、参考になる箇所は必ずあるはずです。

シナリオ分析は、将来に関する異なった仮説を探求するためのツールであり、 2~3の起こりうるシナリオの特定、個々のシナリオに対する戦略の立案、 シナリオの蓋然性の評価、結果として生まれた戦略の各シナリオにおける評価、などを内容とする。

もう絶版になってしまっているようです。「シナリオ分析」という視点は参考になりました。

わたしのお勧めは、取りあえずある程度信頼ができる情報だと判断した場合にはそれをいきなりうのみにせずに、仮説として捉えて淡々と実行してみることです。

ベタですが、勝間さんの本です。仮説(思考)については、この部分だけの記述でしたが、Out of Control思考(こんな言い方じゃなかったような)は、「あーそうだよね」と共感しました。つまり、「自分がコントロール出来ないことはほっといて、自分がコントロールできることのみに集中する。」という考えです。

ボクがSWOTのOWを「Out of Control」と位置づけているのに似ていると思いました。

ちなみに、勝間さんの本としては、仮説(思考)については、こちらに「仮説を立てる」として1.5ページ書かれています。

当たり前ですが、目的なく「分析しろ」と言われても筋のよい分析ができるはずがありません。具体的にどんな目的で、どんな仮説に基づいて企業を見るのかという視点が定まらない限り、闇雲にデータを集めても自己満足にしかならないのです。
大事なことは、市場・顧客、業界を分析したうえで、「このビジネスを行ううえではここが大事!」という重点ポイントをあらかじめ設定しておくことです。

ストーリー仕立てになっている本は、頭に入りやすいのでオススメです。こちらの本は、フレームワーク毎の短編ストーリー、その解説となっていた筈です。読んでいて、腑に落ちる、参考になる箇所があればラッキーでしょう。

「そうか。そういうことか。森崎、俺たちが見失っていたのは、〈仮説構築〉だ」
「でも局長、僕たちも仮説構築しましたよ」
「いや、違うんだ。俺たちがやってたことは、帰納法と演繹法の繰り返しであって、仮説構築じゃない」
(中略)
「たとえば、今回のシルキーの商品開発のコンセプトを構築するために、リサーチをしただろ。そのとき大多数の高校生が答えた結果を重視して、コンセプトを開発しなかったか?」
「しましたけど」
「それが帰納法だ。帰納法というのは、できるだけ多くの事実を集めて、その中から法則性を見つけ出すというアプローチだ」
(中略)
「にぶいヤツだな。だから、一番多い意見をそのまま聞いちゃダメなんだよ。女の子をくどくときと一緒だよ。相手の子が言っていることをそのままやってあげるだけじゃ、モテないだろ。モテるヤツは、相手の子が言っていることから、相手が本当に望んでいることを推理して、それを先回りしてやってあげるんだ。だから、サプライズがある」

そのまま小説仕立てのマーケティング本です。帰納法をわかり易く説明してくれていますね。読んでいて楽しかった記憶があります。

「そう、仮説を立てることが必要になるんだ。食べることだけが飲食店に行く目的ではないだろう?新しい視点がもてれば、お店が繁盛する可能性が高まることになるんだよ。
望海ちゃんは、漠然とした希望や勘だけで、お店の経営をしていないか?」

これも、小説仕立てのマーケティング本です。ボクのやり方とは違いますが、似たようなフレームワークのやり方をフランス料理店の立て直しをベースに学べます。ボクの知らないフレームワークも頻発し、ジムでランニングしながら、後でメモとろうと思い、忘れていたのを思い出しました!

そこで大切になるのが、消費者の立場に立って、その心理の仮説を思い浮かべられる「感性」なんだ。だから、いつも同じ仕事ばかりやっているんじゃなくて、いろいろな場所でいろいろな人たちの声にふれる「遊び心」が必要になると思うニャー。

小説仕立てのマーケティング本、ラスト、「女子高生ちえ」シリーズからの引用です。女子高生のちえが父の急逝に伴い社長になり、飼い猫にマーケティングを教えてもらうという、どこかで見たストーリーです(答えは雑感で!)。

深みは正直、あまり感じられませんが、普通の小説を読むなら、ついでにマーケティングも勉強できるかな、というぐらいの内容です。

雑感

本を紹介するのも結構大変ですね。予想以上に時間がかかります。あと7冊ぐらいピックアップした本があるのですが、今日もタイムアウトです。知りたいという方がいらっしゃいましたら、コメントいただけましたらご紹介したいと思います。

小説仕立てのマーケティング本では、佐藤義典さんが3冊出されています。いずれも名著で、現状の問題に対する分析、それに対する戦略、戦術の実行案がスパッと決まり、読んでいて、佐藤氏の思考の素晴らしさに脱帽するとともに、爽快で読後感がとても良いです。

今日のカテゴリーでいうと、「超良書、絶対読むべき本!」で紹介したい本です。リンクを一応貼っておきます。「新人OL」が先でも、「ネコ」が先でもどちらでもOKです。「新人OL」はこの順番で、読むとよいです。

上の「ネコ」の答えはこれです。



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