【シリーズ連載】 監禁少年 #3-1
研究棟の廊下には強く西陽がさす。
ふと、幼い頃の記憶が蘇った。5時の鐘がなり、かえりたくないと駄駄を捏ねた自分に、明日も会えるよとなだめる君。
今となっては所在すらしれない彼は今何をしているのだろうか。今もどこかで私のことを覚えているのだろうか?
所詮思い出は思い出だ、とため息交じりに俯く横目に人影が吹っ飛んできた。
…人?
思わず見覚えのある顔貌を凝視した。
間違えようがない、恐ろしく均整に配置された相貌、左頬の黒子、すっかり大人の躰を得た彼は、あの頃と変わらぬかん