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ロケット&サブマリン〜僕の双極性障害デイズ〜就労移行を使う編

突然だけど就労移行支援事業所というのをご存知でしょうか?

おそらく健常者と呼ばれている方には無縁なので…という表現はいささか棘がありますね。

すいません、パンクスなもので。

就労移行支援事業所というのは障害者福祉サービスの一つで文字通り就労のために訓練を行う施設です。

就労系の障害者福祉サービスには他にもあって、

比較的、誰でも耳にすることがある「作業所」というのも正確には「就労継続支援B型事業所」と言います。

もちろん「就労継続支援A型事業所」もあって大きな違いとしては雇用契約の有無でしょう。

就労継続支援A型というのは雇用契約を結ぶので最低賃金で働くことができるのに対して

就労継続支援B型は工賃と呼ばれる自主製品や請負作業で発生した売上を分配する形になるので収入はかなり下がります。

参考までに僕が住んでいる神奈川県の令和元年度の工賃調査https://www.pref.kanagawa.jp/docs/yv4/kouchinr1.html

によると就労継続支援B型の平均工賃は1万5千円ほどなので時給にすると200円切ってます。

これで食ってけるわけ無いですよね。

こうした現実を……

おっと、この話をするのはもう少しあとにします。

今日は僕が就労移行支援事業所を使ったことの話をしたいと思います。

いつにも増して長い前置きでした。さーせん。

さて僕は少しずつ希望を見出したこと精神障害者と生きるにはどうしたらいいのかを調べ始めた。

ガラケーだったからちょっと大変だったんだよなぁ…

そこでよく出てくるのは「生活保護」だけどまた同じ対応をされたら胸ぐら掴むくらいはしちゃいそうだし、

そもそもカミさんは働いているので却下。

なかなか情報が集まらない中、オカンからたまには運動しなさいってことで横浜市が運営しているスポーツセンターのリンクをメールに貼り付けてきた。

その近くに就労移行支援事業所があった。

説明を読むとまさに僕に必要な施設だと確信して電話で見学を申し込んだ。

初めて見る施設の中は学校のような仕事場のような不思議な場所だった。

聞けば請負の軽作業と名刺などの印刷をやっていて希望の進路に合わせて訓練を受けることができる。

僕はこのときゼロベース。

やりたいことはない。

何ができるかも分からなかったからね。

とりあえず通ってみようと思った…が…

福祉サービスなので役所に申請しなければならない。

また役所かよってね。

んでまた制度ってのはめんどくさいなと思うわけです。

この福祉サービスを使うには区分認定というのをします。

僕は今までサービスを使ったことがなかったのでケースワーカーが自宅訪問して収入などのヒアリングを行い、

その後の会議を経て区分認定が下りてサービス開始できるようになった。

一応リンクを貼りますが何のことやらさっぱり分からないくらいややこしいのでオススメしません。


まぁ…急いでないからいいやと待っていたんだけどそれなりに時間がかかった上に役所通いで少し疲れてしまった。

だってまた役所まで取りに来いっていうんだもん…。

本当に融通が利かないなって思ったものです。

でもこれでやっと使えると思ったら利用前の面談で生育歴をこれでもかってくらい聞かれた。

後々、僕はピアスタッフになってケアカンファレンスでこうした聞き取ったものを目にするのだけど…

なんつーか…ヘビーなことも多いです。

おっとその辺も追々にしておきます。

さてようやくサービスが使えるようになったのだけど…

多くの就労移行支援事業所にはこんな売り文句が書いてある。

「多くの方が無料で利用できます!」

当たり前だ。

これから働こうと思ってる人からお金を取るってどういうことよ…。

つーか働いてないんだからお金はない。

なんでこんなことをわざわざ書くのかなと思っていた。

基本無料って胡散臭い出会い系の売り文句じゃねぇか…と。

悪態をついた因果なのか僕はこの「多くの方」から外れて毎月、利用料を払いながら使うことになった。

これは別に抽選から漏れたとかそういうことじゃないですよ。

この利用料というのは世帯収入に応じて決まる仕組みになっているので相応の収入がある場合は無料にはならないんです。

これは就労移行支援事業所に限らず就労継続支援B型でも発生します。

「要するにあんた、金持ってるから払えってことだよ」と思われたかもしれません。

ではここで言う収入のラインってどのあたりだと思いますか?

世帯収入で5百万?

いやいや、そんなもんじゃないです。

正解は…

住民税課税世帯です。

幅、広すぎるよね…。

うちは余裕がなくて障害年金を取ったくらいなので毎月9千3百円はけっこう痛い。

けど払わにゃ使えないし障害者としての道筋が立たない。

背に腹は代えられないというやつです。

だからでしょう。

僕は絶対に就職して取り返してやると思いながら訓練を始めました。

さて制度の説明ばかりしていたら長くなってきたので今回はこの辺にして次回は就労移行支援事業所での日々を綴っていきます。

僕自身、初めて精神障害者と接した場所なので色々ありました。

そんな色々をどうぞお楽しみに。

とても賢く優秀な官僚の皆さまが良かれと思って寸暇を惜しんで作ってくださったややこしくて大変に分かりづらい制度の話はしませんのでご安心を。

なんだか急に寒くなりましたのでくれぐれもご自愛ください。

んじゃ、アディオース!


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