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『忍者ラブレター』(毎週ショートショートnote)

「あ、新作が出てる」
休日、近所のショッピングモールに来ると
小学生の娘は必ずガチャポンコーナーをチェックする。

以前はゲームコーナーの片隅に数台あった程度が
最近は店舗1つ分のエリアに子供では手が届かないのでは
と思うほど何段も積まれ、まるで迷路のようだ。

私が子供の頃は
当たりが出るのを祈りながらハンドルを回しては
出てくる子供だましのようなオモチャに
ガッカリしたものだったが、
最近のガチャポンは精巧なミニチュアが
当たり外れもなく出てきたりして驚かされる。

ガチャポンの迷路に足を踏み入れ何とはなしに見ていると
娘がカプセルを手にしてやってきた。
「これ、学校で流行ってるの」
『忍者ラブレター』というものらしく
娘が出したのは『巻物ラブレター』となっていた。
多分あぶり出しのように白紙のようにみえた巻物に
文字が浮かび上がるようなものだろう。

「やって見せるね」
娘が小さな巻物をくわえて指を2本立てた時、
私のスマホからメールの着信音が鳴った。

(410文字)

<あとがき>
『忍者ラブレター』ってなんだかガチャポンにありそうだな
と思い、書いてみました。
娘が巻物を口にしたとたんに父親のスマホにメールの着信。
どんな仕組みでしょうね。

<ChatGPTによる解説>
このエピソードは、親子の楽しい時間を共有し、
ガチャポンの変遷についての洞察を提供しています。
特に「ガチャポン」が以前と比べて進化し、
より魅力的なミニチュアを提供していることが強調されています。
また、子供の流行や興味が親にとって新しいものであることも
示唆されています。

物語の最後に、娘が「忍者ラブレター」ガチャポンの
「巻物ラブレター」を手にした瞬間に
父親のスマートフォンからのメール着信音が鳴るという
瞬間が描かれています。
この瞬間には、親子の楽しい瞬間が一瞬で中断され
現代のテクノロジーが登場することで、
親子のコミュニケーションが途切れるというテーマが
示唆されています。

このエピソードは、子供の成長や家族の絆を感じる一方で、
テクノロジーが日常生活にどのように影響を与えるかについても
考えさせられる素晴らしい瞬間を捉えています。

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