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『ブーメラン発言道』(毎週ショートショートnote)

辺鄙な山道を女性が一人歩いている。
つい先日までテレビで見ない日はないというほど
大人気だった女子アナだが、手にはハンディーカメラを持ち
予備のバッテリーや替えのテープの入った重いバッグを
自ら抱えている。
(なんで、私がこんなところにロケに来なきゃなんないのよ。
しかもこんな格好までして、これじゃ新人よりも酷い扱いじゃないの)
アボリジニに扮した自らの体を見て怒りがこみ上げる。

やがて山門が見えてきた。
門の前に立つ男性を前にブーメランを取り出す。
「ここがブーメラン道場でお間違いないですか?」
「いやいや、ここはブーメラン道場ではなく
ブーメラン発言道場ですよ」
「ブーメラン発言道場?」
「ブーメラン発言道を極めるべく日夜修行に明け暮れております」

呆然とする女子アナに男性が言った。
「あなたのブーメラン発言も素晴らしかった。
テレビ局から連絡を頂いた時はうれしく思いました。
さぁ、その可笑しな格好から着替えたら
さっそく修行を始めましょう」

(410文字)

<あとがき>
恥ずかしながら『ブーメラン発言』というものを知らず、
最初、一生懸命に説得すればするほど相手の反発を受けて
逆の行動に導いてしまうという『ブーメラン効果』のことかと
思ってしまいました。

<ChatGPTによる解説>
この物語は、偽りに迷い込んでしまうことの危険性を示唆しています。
女性がブーメラン道場を探し求めた理由は明らかではありませんが、
それは彼女がテレビ局で働いていることに関係しているかもしれません。
また、男性が「ブーメラン発言道場」という場所を作った理由や、
彼が女性に修行を勧めた背景についても言及されていません。
しかしながら、この物語は、自分の行動や言葉に責任を持つことの
大切さを考えさせるものとなっています。

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