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新国立劇場 初台アート・ロフト 新・舞台衣裳展示『生命の木展』開催

― 生きているものすべてのなかに神秘がある ―

古来より人間は動物や植物によって生かされてきました。彼らは人々の暮らしを助け、精神世界に影響を与え、多くの絵画や物語のモデルになりました。また、彼らは神話や寓話、おとぎ話に現れ、人々を諭し、励まし、この世界の神秘について語ります。
そうした神話やおとぎ話の世界は、多くの文学、美術、演劇、オペラ、バレエにもとりあげられてきました。

この度の『生命の木展』では、新国立劇場で上演された舞台作品に現れた動物、妖精や精霊たちに光を当てます。蝶々、蟹、小鳥、鶴、ライオン、サル、羊、ヤギに姿を変えた精霊たち。
新たに舞台衣裳をまとった彼らは、再び命を吹き込まれ、瑞々しく美しい空間をつくり上げています。

ダーウィンは進化の過程で多種多様な生き物が生まれたこの世界を、「生命の木」となぞらえ、その美しさに感嘆するとともに、人間もその一部にすぎないことを示唆しました。また、グスタフ・クリムトは、「生命の木」と題した抽象画を描き、見る者を生命力溢れる神秘的な世界へいざないました。

いつの時代も、人々はあたたかく、よりよき世界を求めています。世界的な困難の中、私たちは人間社会のことのみを考えがちですが、この展示が、今一度生き物たちの世界に目を向けるきっかけとなり、未来への希望として、一条の光となれば幸いです。

<最新情報>
2022年3月オペラ『椿姫』公演にあわせ、ヴィオレッタの衣裳を展示しました!(2022年2月15日)

展示紹介

「初台アート・ロフト」は、新国立劇場のオープンスペースやギャラリーが会場となっています。高い天井から差し込む日光、夜の照明と展示物の影が織りなす神秘的な空間は、建築上の大きな魅力です。この空間では、展示された精霊たちはいきいきとし、その創造する世界により深い物語性が生まれてきます。

今回の展示では、生の植物がギャラリーを飾っています。また、舞台作品から飛び出してきた精霊たちの頭部は段ボールアートで表現されています。昼と夜の空間の印象の違い、「蝶々夫人」の貴重な着物の刺繍、特殊な工法で製作された小道具や動物着ぐるみなど、お楽しみください。

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2021年オペラ『蝶々夫人』公演に合わせ、生命の木展に、長門美保歌劇団・長門美保が着用した衣裳が登場します!―2階ブリッジ奥 ギャラリースペースにて

長門美保は、戦後の日本のオペラを牽引した立役者のひとりです。1946年に『蝶々夫人』で自身の歌劇団の旗揚げ公演を行いました。その長門美保が着用した衣裳をただいま展示中です。

衣裳は白と橙色の2色あり、どちらにも蝶々の刺繍が施されています。蝶々夫人の後ろには金色の屏風や鳥かごが飾られ、また同じ空間には鳥をモチーフとしたキャラクター達が並び、明るい空間となっています。


また、開場では下記のパネル展示も行っております。ぜひご覧ください。
 ・蝶々夫人 戦後のオペラを牽引した3人の日本人 ― 長門美保 砂原美智子 青山圭男
 ・新国立劇場 歴代の蝶々夫人

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展示一覧はこちら

2022年オペラ『椿姫』公演に合わせ、ヴィオレッタの衣裳を展示中です!―1階メインロビーにて(2022年2月15日更新)

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ヴィオレッタが第1幕に着用するものと同じ衣裳を間近でご覧いただける貴重な機会です!

展示期間:2022年2月15日(火)~3月21日(月)まで

オペラ『椿姫』の原題『ラ・トラヴィアータ』とは「道を踏み外した女」という意味で、パリの"裏"社交界(ドゥミ・モンド)に住むヒロイン・ヴィオレッタの虚構の日々と純愛とを鮮烈に描いたヴェルディ中期の作品。

衣裳デザインは本プロダクションの演出家でもあるヴァンサン・ブサールが担当し、パリの工房で製作されました。男性の衣裳は歴史に忠実なデザインであるのに対し、女性は多彩なデザインで役の人物象と、19世紀の女性の思いを物語ります。

このヴィオレッタの衣裳は、逆さまの花をイメージしたもの。印象的なバラ色と黄緑色のドレスは、鮮やかに発色するよう、こだわりのプリントが施されています。「ヴィオレッタをその時代のパリの象徴として描きたい」という演出家の思いが込められた衣裳をぜひこの機会にご覧ください。

公演情報はこちら

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2015年『椿姫』公演写真より

初台アート・ロフトとは。「生命の木展」ご紹介動画はこちら。(2022年1月21日更新)

初台アート・ロフトは、2019年のプロジェクト発足以来、2回の舞台衣裳展示「ファンタジー展」「パラード展」を行ってまいりました。

こちらの動画では、最新「生命の木展」を含む、これまでの活動内容と歩みをご紹介いたします。

参加型企画「生命の木のドレス~みんなで一緒にドレスをつくろう~」の告知も公開いたします!
※本企画はただいま休止しております。(2021年2月15日更新))

2021年「初台アート・ロフト」生命の木展

■会期:ただいま開催中。2022年3月中旬まで
■会場:新国立劇場 1階メインエントランスホールおよび、2・3階ギャラリー
※現在展示スペース内への立ち入りが一部制限されている区域があります。
情報センター開室日に限り、5階情報センター閲覧室にて受け付けいただければ、ギャラリー全域へのご案内が可能です。

事前にお問合せいただくか、開室日に直接お越しください。情報センターカレンダーはこちら
■ご観覧料:無料

 キュレーション:桜井久美
 インスタレーション :アトリエヒノデ
 写真撮影:田中亜紀
 映像撮影:森脇孝
 マネキン製作:株式会社七彩
 小道具:技術総括室
 制作:新国立劇場 情報センター

関連情報
【情報センター閲覧室】初台アート・ロフト「生命の木展」書籍・パネル展示「ようこそ、精霊たちがいざなうおとぎの世界へ」コーナーのご紹介

初台アート・ロフト『生命の木展』:まもなく上演のオペラ『さまよえるオランダ人』『椿姫』の舞台衣裳展示について/初台アート・ロフトご紹介ビデオ公開

メディア掲載情報
2021/12/6 美術展ナビにご紹介いただきました!→こちら
2021/2/9 エントレにご紹介いただきました!→こちら

お問い合わせ
新国立劇場 情報センター
TEL 03-5351-3011(代)11:00~17:00(※)
休室日:月・火曜日、年末年始、特別休室日
※ご来場の際は、開室カレンダーをご確認ください。開室時間は変更になる可能性があります。詳しくはホームページをご覧ください。

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