パキスタンの経済成長見通し
ゴールドマン・サックスが発表した研究論文は、「適切な政策と制度」が整備されていれば、パキスタンは 2075年に世界で 6番目の経済大国になると予測しています。ゴールドマン・サックスは対象国を 104か国に拡大、予測期間を 2075年までに延長し、長期の経済成長見通しを予測しました。
経済学者による「2075年への道」と題したこの論文は、パキスタンが「気候変動」と「ポピュリスト・ナショナリズム」のリスクに対処できれば、人口増加により同国を最大の経済大国に入れる可能性があると予測しました。
ゴールドマン・サックスによると、パキスタンの将来の地位は人口増加を背景に予測されており、今後 50年でエジプトやナイジェリアと並んで世界最大の経済大国に入る可能性があります。その頃までに、パキスタンの実質 GDPは 12兆7000億ドルに成長し、一人当たり GDPは 2万7100ドルに達すると予測しています。
経済学者たちは、これらの予測に対する主要なリスクとして、特に「気候変動」と「ポピュリスト・ナショナリズム」を強調しています。持続可能な成長に向けた各国の取組みがなされない限り、特にパキスタンのような脆弱な国では、「気候変動」によってこれらの予測が大きく歪む可能性があります。また、多くの国で「ポピュリスト・ナショナリズム」が権力を掌握するにつれ、保護主義といった反グローバリゼーション志向を有するようになり、各国間の所得格差が拡大する可能性があります。
ゴールドマン・サックスによると、2075 年までの経済圏は次のようになります。2075年にはパキスタンは世界で 6番目の経済大国になる可能性があります。（日本は残念ながら順位が降下していくかもしれません。）
ゴールドマン・サックスの予測によると、2050年時点には中国、米国、インド、インドネシア、ドイツが世界の５大経済大国（実質ドルベース）となる見通しであり、2075年までに、適切な政策と制度が伴えばナイジェリア、パキスタン、エジプトが世界の経済大国の仲間入りを果たす可能性があります。
2075年までに、急速な人口増加が予想されるナイジェリア、パキスタン、エジプトなどの国が適切な政策や制度を伴えば世界経済大国の上位に食い込む可能性があります。
パキスタンが右肩上がりに経済成長し続けていくためには、同国への投資率を上げ、輸出を増やし、対外債務を削減し、財政黒字を創出する必要があるでしょう。また、ハイテク分野の向上と国内調和を実現し、南アジアの自由貿易圏の一部となる必要があるでしょう。