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パキスタン🇵🇰について発信しています。南アジア地域文化専攻、ウルドゥー語卒、パキスタン関…

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パキスタン🇵🇰について発信しています。南アジア地域文化専攻、ウルドゥー語卒、パキスタン関連機関の職員です

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パキスタンと日本の共通点

パキスタンと日本は、宗教も習慣も食べ物も全然違うのに共通点なんてあるの?と思われますが、意外とたくさんの共通点があります。今回の記事では両国の共通点を紹介したいと思います。 お米 パキスタンは日本と全く異なる食文化ですが、お米を食べるのは共通点だと言えます。パキスタン料理で使うお米は「バスマティ米」と呼ばれる長粒種が中心で、最近は日本でも手に入るようになりました。 小麦文化 パキスタンには、スパイスが効いた野菜や肉をたっぷり詰めた、具入りのパラーターというパンがありま

    • パキスタンと日本の外交関係

      パキスタンと日本の外交関係は 1952 年 4 月 28 日に設立され、国交樹立後、両国は貿易や投資から教育やテクノロジーに至るまで幅広い分野を網羅し、大きく発展してきました。1951 年、サンフランシスコ講和会議において、パキスタンは南アジアから唯一の重要な国として出席をし、寛大な講和を支持しました。パキスタンは講和会議の直後に日本に商工会議所を設置した数少ない国の一つであり、また、日本は 1952 年に、まだ大使館を開く国が少なかったカラチに大使館を開きました。 外交関

      • シンド州の特産品

        パキスタン最南端にあるシンド州は豊かな歴史や文化だけでなく、その伝統と職人技から生まれる手工芸品が有名です。また、シンド州はその温暖な気候と環境により農業がさかんで、サトウキビ、マンゴー、ナツメヤシ、バナナなどが生産されています。この記事では、伝統的な手工芸品から農産物に至るまでシンド州の特産品をいくつか掘り下げてみます。 シンディ・トピ シンド人の男性が被る帽子「トピ(Topi)」です。アジュラックと一緒に着用されることが多いこの帽子はシンド文化の重要な要素となっていま

        • パキスタン「イード」

          イードは正式にはイード・アル=フィトルと言い、イスラム暦の第10 月の 1日に当たり、ラマザン(断食月)の終了を祝う祝日です。イードは、世界中のイスラム教徒にとって大変喜ばしい一大イベントで、パキスタンにおいても文化的・宗教的に非常に重要な意味を持ち、家族や親戚が集まり一緒にお祝いする日です。日本でいうお正月に近いものであり、人々は新調したばかりの服を着てモスクや、親戚、友人を訪問し、子供達はお年玉を受け取ります。 イードの到来 ラマダンの終わりを告げる新月が観測されると

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          パキスタンの家族制度

          パキスタンの文化において、家族制度は伝統、価値観、社会的結束の中核として深く根付いています。世代を超えて、家族はパキスタン社会の中心であり、個々のアイデンティティ、社会的規範、共同体の結びつきを形作ってきました。パキスタンの家族制度を理解することにより、この国の社会的構造も理解することができるかもしれません。 伝統と構造 パキスタンの家族制度の核心には、集団主義と相互依存があります。パキスタンの家族は通常、家族の長である父親や祖父などの最年長男性に権威があり、これによって

          パキスタンの家族制度

          パキスタンのストリートフード

          パキスタンの活気に満ちたストリートフード。にぎやかなカラチから歴史的なラホールまで、人々が集まるあらゆる街かどで、パキスタンの伝統的で魅惑的な味や香りが楽しめます。今回の記事では、パキスタンで人気のあるストリートフードを紹介します。 サモサ 餃子のような、この黄金色の三角形のパイ生地に、スパイスの効いたじゃが芋、ひき肉、グリーンピースなどさまざまな具材が詰められています。外はカリカリ&サクサク、中はモッチリ、風味豊かなサモサは、甘辛なタマリンドソースやスパイシーなチャツネ

          パキスタンのストリートフード

          3月23日パキスタンナショナルデー

          毎年 3 月 23 日、パキスタンでは「ナショナルデー」を祝います。この日は、パキスタン建国の基礎となった極めて重要な出来事である 1940 年のラホール決議の採択を記念する深い意味を持っています。 ラホール決議は、1940 年 3月 ラホールで開催された歴史的な決議です。それは、反英運動が展開していた英領インドにおいて、全インド・ムスリム連盟とインド国民会議との政治的緊張が高まる中、イスラム教徒の独立国家設立を求めるものでした。インド亜大陸のイスラム教徒が多数を占める北西

          3月23日パキスタンナショナルデー

          パキスタン自然に優しい「竹の家」

          パキスタンでは、2022年6月から続くモンスーンの記録的な大雨に、北部の山間部の氷河融解が追い打ちをかけ、同国の全域で大洪水が発生しました。国土の3分の1が水没し、多くの人々が家や財産を失いました。 洪水からの復興の中、世界的に有名なパキスタン人建築家であるヤスミン・ラリにより、洪水に耐えられる「竹の家」が被災地に建設されました。破滅的な影響を受けた地域では、伝統的な家は土壁と竹でできています。洪水後に建てられた「竹の家」は先住民の知識と近代的な工学を組み合わせて設計されて

          パキスタン自然に優しい「竹の家」

          パキスタンの漆工芸

          レイキ・カ・カーム(Lacquer work)と呼ばれる漆細工は、パキスタンで伝統的に受け継がれている工芸技法のひとつです。漆工芸は約 2000 年前に中国で生まれ、アジア全土に広がり、インド亜大陸にも到達しました。ムガル帝国時代、アクバル皇帝の治世中にペルシャ職人によって導入され、王族や貴族の宮廷や家を飾りました。そして、漆細工の伝統は亜大陸にしっかりと根付いていきました。 漆細工は、とくにパキスタン北部地域で知られる芸術の一つです。パンジャーブ州のムルタニ・レイキ・カ・

          パキスタンの漆工芸

          パキスタンの象嵌細工

          大理石を使う象嵌細工(ぞうがん)は、パキスタンで伝統的に受け継がれている工芸技法のひとつです。大理石に半貴石を埋め込み見事な模様を作り出す象嵌細工の歴史は、ムガル帝国時代にまでさかのぼります。 大理石を使う象嵌細工はムガル帝国時代には最高潮に達し、熟練職人たちが王宮、砦、霊廟のために息を呑むような芸術作品を数多く制作しました。パキスタンのジャハーンギール廟や、インドのタージマハルなどの並外れた装飾は象嵌細工の代表作品であり、職人の絶妙な美しさと技術を誇示しています。 ジャ

          パキスタンの象嵌細工

          古代王国ガンダーラの都市タキシラ

          パキスタンの北西部に位置するタキシラは、古代王国ガンダーラ時代に始まる遺構であり、この国の歴史と遺産の豊かなタペストリーを垣間見ることができる考古学の街です。この記事では、ユネスコの世界遺産に登録されている歴史的名所、タキシラの魅力について探ります。 タキシラは歴史的に3つの重要な交易路が交差する場所にありました。1つは古代インドの都パータリプトラから続く道、もう1つが中央アジアがある北西から続く道、最後の1つがシルクロードへと続く道です。タキシラはその戦略的な位置により、

          古代王国ガンダーラの都市タキシラ

          パキスタンの人形村

          パキスタン、パンジャーブ州の肥沃な平原の中に、タッタ・グラムカという小さな集落があります。賑やかな都市部から離れたこの趣のある集落は伝統的な職人技の宝庫であり、日干しレンガの家から活気に満ちたコミュニティーまで、パキスタンの豊かな伝統文化を垣間見ることができます。 パキスタンの人形村としても知られるタッタ・グラムカは、パンジャーブ州のオカラ地区にあり、この村で手作りされた伝統的なパンジャーブ人形やおもちゃは世界中に輸出されています。しかし、1990年の運命的な出会いまではタ

          パキスタンの人形村

          パキスタン春に訪れたい場所

          パキスタンの地形は、海抜ゼロメートルの砂漠から、世界で2番目に高い標高 8,611 メートルあるK2の頂上まで多岐にわたり、この国の気候条件は非常に幅広いのが特徴的です。訪れるのに最適な時期は、極北の雪山の風景に惹かれるか、それとも南の低地のモスク、バザール、遺跡に惹かれるかによって大きく異なります。 今回の記事では、3月中旬から4月中旬の春にかけて訪れたい、パキスタンの渓谷を紹介します。 雪解けが始まる春は、パキスタン北部の渓谷に美しい花が咲く時期です。体を動かすハイキ

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          ウルドゥー語のロゴマーク

          パキスタンには、イスラムの芸術と文化に深く根ざしたカリグラフィー(書道)があります。カリグラフィーは、芸術的な筆運びから作られる美しく複雑なレタリングで構成されるビジュアルアートです。 パキスタンの国語であるウルドゥー語のカリグラフィーをロゴマークに組み込むことが、企業、組織、ブランドにとって、地元の顧客とより深いレベルでつながるための強力なツールとなります。この記事では、ウルドゥー語のカリグラフィーを用いたロゴマークついて紹介します。 ウルドゥー語を用いたカリグラフィー

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          パキスタン・カシミールの食事

          パキスタン北東部に位置するカシミール地方は、非常に洗練された料理技術を発展させ、他の世界の料理とは全く異なる料理を進化させてきました。アフガニスタンや中央アジアとの交差点に位置するカシミールは、食文化を含む文化のるつぼとなりました。 この記事では、誰もが一生に一度は試してみたい、大変人気のあるカシミールの伝統料理をいくつか紹介します。 ワズワン(Wazwan) ワズワンはカシミール地方のコース料理です。羊肉、子羊、牛肉、鶏肉を使用した肉料理で、カシミール地方全域で人気が

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          地上の楽園アザド・カシミール

          パキスタン北東部にひろがるアザド・カシミールは、その息をのむような美しい景観から「地上の楽園」と呼ばれています。雪に覆われた美しい山々、緑ゆたかな渓谷、ターコイズブルーに輝く湖、そしてめずらしい野生動物に出会える、地上の楽園です。 ムガル帝国のジャハーンギール皇帝は『もし地上に楽園があるなら、それはここにある、ここにある、ここにある』という有名な詩を詠みました。実際に訪れてみると、それが大げさなものではないことが明らかです。カシミールには畏敬の念を抱かせる調和があります。

          地上の楽園アザド・カシミール