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春宵(しゅんしょう)詩

溜め息の花が雨と一緒に散っていた

かあるく吐いたの ただそれだけよ

溜め息の花 あなたの胸をしめつけた

だから吐いたの ただそれだけよ

溜め息の花 かあるく吐いて

沢山咲いた

煙る霧雨に浮かんで

ゆっくりと暮れていく春宵に

沢山咲いた

もう、何もいうことはなかった 

だから吐いて散ったの 薄闇に

ただそれだけよ

薄紅色達にありがうと

そういって咲きたかった溜め息の花

夜に優しく溶け込みながら

さくらはもう散っていく

だから伝えたいの

眠りに落ちる前に

揺れ動く小さな灯りに

溜め息が出るほど

あの人が大切なんだって

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