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NISAは年末年始に再点検してね!Q&A

年末・年始が迫ってきた今、株式投資参加者が最優先で検討・再点検すべきことはNISAだと思います。

Q1. 投資初心者です。何から始めればよいですか?(番外)

この順番で投資を検討してください。
 (1) 確定申告:元本不要・ノーリスク・確実なリターン
 (2) iDeCo:先に税控除を得る(60才まで現金化できない)
 (3) NISA:後に税控除を得る(いつでも現金化できる)
 (4) 個別株など自由な投資(最もハイリスク)

 まず最初に、ノーリスクでリターンが得られることを考えて下さい。一番身近なものは税控除だと思います。例えば確定申告です。これは法律で認められた権利ですので、最初に行使しましょう。

 次にローリスクで早くリターンが得られることを考えて下さい。それは例えばiDeCoです。iDeCoは(給与収入のある人については)年末調整or確定申告により税の還付が得られます。つまり、投資したらすぐにリターンが得られるという事です。但し元本と運用益は60歳まで戻りませんが、その分長期投資が保証されており、元本割れのリスクは比較的低いです。

※iDeCoは個人が入るものなので、所属する企業によっては加入しずらいケースがあります。

 次にNISA。NISAは利益にかかる税金が控除させるので、投資してもすぐにはリターンは得られませんが、これを満額使うことで、将来の運用益に対して税控除が得られます。

 個別株などを自由に売買したい人は、上記の儀式を全て通過してから行ってください。自由はリスクと隣り合わせ、しっかりした基盤を作ったうえでリスクに挑戦してください。

詳しい説明が知りたい方は以下のnoteをご覧ください。

Q2. なぜ、年末年始にNISAなんですか?

年末年始はNISA検討に大事なのは以下の理由によります。
(1) 年末に、翌年のNISAをどうするか決める必要があるから
  (例えば、一般NISAとつみたてNISAの切り替えは年末に申請が必要)
(2) 年末に余ったNISA枠を使い切ってほしいから
(3) 年始にNISAの買い付けをした方がお得だから

Q3. つみたてNISAと一般NISAで迷っています

A3. 大原則としてつみたてNISAがお勧めです。少しでも迷った人はつみたてNISAを選択すれば間違いないです。

Q4. つみたてNISAと一般NISA、どちらのリターンが多いですか?

A4. 資金が十分にあるケースでのリターンを試算してみると、短期でも長期でもリターンはほとんど同じになります。(但し条件として、毎年約120万円を5年間入金できる資金余力が必要です。)

十分に余裕資産がある場合での試算では2037年までは一般NISA有利、以降は積立NISA有利ですが、差は僅かです。

リターン比較の具体的な試算結果と分析については、下記をご覧ください。

Q5. どんな人に一般NISAはお勧めなのですか?

A5.
下記全てが当てはまる人にお勧めです。
(1) お金に余裕のある人(目安600万円以上、年120万円買付け出来る)
(2) 個別株で損しがちな人(センス)
(3) 自分を律することが出来ない人(習慣)

※一般NISAは、2024年から新NISAに移行します。 

Q6. 一般NISAなのに投資信託を買うのですか?

A6.
はい。一般NISAで個別株を買う人は情弱です。

(1) NISAは資産運用の基礎を作るための制度。少額投資非課税制度です。

NISAを利用した株式投資では一定のリスクは避けようがなく、保守的であればあるほど良いです。個別株での高リスクな投資は、NISA(&投資信託)で資産の基礎を築いたあとから始めても遅くないと思います。

(2) 個別株は5年間の長期投資に向きません。

例えば3銘柄を購入した場合、そのうち少なくとも1,2銘柄は5年以内に売却すべき瞬間が来ると考えるべき。「売り」が必要な銘柄をNISA枠で買うことはナンセンス。一般NISAは年1回の積み立てと考えた方が良い。

Q7. ETFと投資信託、どちらを買えばよいですか?

A7. 個人的には投資信託を買うのが良いと思っています。
(1) ETFは満額ピッタリ買えない。
投資というのは、年間1%程度の小さな差が降り積もって後からから大きなリターン差になって帰ってくるゲームだと思っています。日本円で買える投資信託で気持ちよく満額ピッタリ買いましょうよ。

例:米国VTI(ETF) 26,719円/株だと、1,175,636円分(44株)しか買えない。SBI・V・全米株式だと、1,200,000円ピッタリ購入可能。
→24,364円(約2%)の差!

※投資信託とETFで運用成績が全く同じであるという前提です。実際の運用成績は少し差が出る可能性があります。運用成績によってはETF有利となる可能性もあります。

(2) 投資信託だと日本円・日本語のみでの資産運用が可能。売買コスト・為替両替コストがかからないなどの細かいメリットがある。(投資信託がノーロードの場合)例えば米国ETFは米ドルで買う必要あり。要するに簡単。

Q8. 年初に一括で買えばお得って本当ですか?

机上計算では、年初に一括で買う方が高いリターンが得られます。
NISAの制度設計は「1月ー12月」という年度単位でなされていますので、1月に買い付けたものと12月に買い付けたものは同じ年度の扱いになり、期限日が同じとなってしまいます。

(1) 一般NISAの場合
机上計算では、かなり優位に年初一括購入のリターンのほうが高くなります。

2022年1月3日に購入した場合、2026年12月末まで非課税。
 →実質5年間の運用期間が得られる
2022年12月25日に購入した場合、同様に2026年12月末まで非課税。
 →実質4年間の運用期間しか得られない

 →ほぼ1年分の損!

という事になるからです。一般NISAでは「積み立て」という考え方は希薄ですので、売買タイミングという当たらないことを考えるのではなく、統計的に勝てる1月初旬での買い付けが最もお得です。

(2) つみたてNISAの場合
証券会社によって、ボーナス月設定が可能です。それを利用すれば1月初旬に全額あるいはそれに近い金額を一括で積み立てることが可能なはずです。

※実際に一括で買い付けた経験はありません。実際の買い付けは各自の証券会社で調べて下さい。

具体的なパフォーマンス比較結果は以下を参考にして下さい。

Q9. なぜ一般NISAと年初一括購入にこだわるのですか?

A9. 余剰資金を一日も早く・多く健全な資産運用先に振り向けることが、資産運用の心得だと思うからです。

 余剰資金を預金のままにしておくこと、資産形成をしっかり行わないままハイリスクな個別株ばかりに目が行ってしまうこと、浪費癖がついてしまうことが、もっとも不健全だと思います。

慎重に投資に取り組んでいたはずが、自分で気づかないままに、いつの間にか非常にリスキーな個別株投資を行ってしまっているケースは、ときどき見られるように思います。

 それが真に余剰資金であれば良いのですが、実は老後にはなくてはならない必須の貴重な原資産であるかもしれません。だとすれば、まずは一刻も早く不自由な場所に移動し堅実に資産運用をすることがの最優先の行動だと思います。人間である限り、余った現金をじっと眺めていれば良からぬことを考え正当化していくのは無理もないことです。ですがそれはあくまでも十分な資産形成基盤を作ってからするべきだと思います。

 実のところ、少しだけ早く・多く投資することによる理論上のリターンの差はそんなに大きくないし大事な事ではないと思っています。しかし、目の前から一日でも早く余剰資金を消し去ることは、結果的に長期での真のリターンを大きく増やすことになると思います。

己の愚かさを測り、良い習慣をもってこれを律していけたら、と思います。

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