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引っ越しと、寂しさと、親への感謝と。

人生2度目の引っ越しを経験している。
多くの感情でごちゃまぜになったが、最後に感じたのは、この地を離れる寂しさ、そして手伝ってくれた両親への感謝だった。

1,引っ越し

引っ越し2度目書いたが、前回は実家→一人暮らし先の移動だったため、「本格的」な引っ越しは初めて。荷物の搬入作業、私物をまとめる作業も少なく、どちらかといえばデスクや布団など、購入メインの引っ越しだった。また、数か月に1度、実家付近でアルバイトを行っていた経験から実家と往復する機会があり、足りないものも手軽に持ってくることができていた。

しかし今回の引っ越しでは、置いてある荷物をまとめ、部屋を空にしなければならない。何なら、ハウスクリーニングが行われるとはいえ、ある程度自分でも掃除をして原状復帰させなければならない。また、次の引っ越し先が遠方であるため、引っ越し業者を使う必要が生じる。

正直初めての経験だらけで、てんやわんやの状態だった。まず何からしなければならないのか。相見積もり?転居届?鍵の受け取り?大家さんへの連絡?知らない言葉やタスクの量に圧倒され、思考停止に陥ることもしばしば。まあ何とかなるだろうと思っていた一人暮らし3年分の資料をまとめる作業には膨大な時間とその数倍の疲労を憶え、感情を失ったタイミングも一日の中で1度だけではなかった。そんな圧倒的な経験不足に悩む自分に助けてくれたのは、紛れもなく自分の両親だった。

2,両親

僕が生まれる前には転勤族だった両親は、いわば引っ越しの「プロ」だった。引っ越しのノウハウや失敗談、準備のコツを一から教えてくれただけではなく、引っ越し前日・当日にわざわざ車でかけつけ、特に水回りの掃除や運びにくい食器の梱包など、自分ひとりでは難しい部分をいろいろと手伝ってくれた。

一人で作業していると孤独感に苛まれ、また他のことを考えてしまい結果として時間もやる気も削がれてしまっていたため、こうして手伝ってくれること自体とてもありがたい。もし一人でずっと作業していたら…なんて考えたくもないほど、親という存在は大きなものだった。自分一人の無力さを実感するとともに、必要なときに頼りになる親という存在のありがたさを再認識した。

3,寂しさ

さて、引っ越し準備も大詰めに差し掛かった今、気分転換も兼ねてこのnoteを執筆している。この部屋で過ごす夜も最後かと思うと、普段はあまり感情的にならない僕でも自然と涙があふれてくる。狭い部屋だったために友人を何人も呼んで語り合うなどの出来事はなかったが、オンライン授業やいろいろな団体のオンライン会議、就活の面接といった日常行事から、2年前の先輩からいただいた荷物の運搬、いろいろと料理を作った記憶といったその時その時の出来事まで、振り返ればこの部屋との思い出が多くよみがえってくる。学生マンション、かつ安価な割にはセキュリティも万全とのことで人気物件であるため、もうこの部屋で過ごすことはないだろう。そうした「もう二度と戻ってこない」という感覚が、自分を一層寂しい気持ちにさせる。

引っ越しという節目は、新たな旅立ちの0日目。
この地域ではなく、この土地、この部屋というレベルでの「寂しさ」という感情は経験したことがなく、自分にとって新鮮なものだった。
きっとこの先も引っ越しを繰り返すたびに、そういう感情になるのだろうか。大学生という、かけがえのない視野が大きく広げる瞬間を過ごしたからだろうか。
過去の思い出を段ボールと自分の心に詰め込んで、明日を待つ。




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