22年の時を超えて。
22年前の2001年、僕は九州芸術工科大学の大学院生だった。
建築から芸術工学に専攻を変えて2年が経ち、そろそろ何か作品をつくらなければヤバいというよくわからない焦りに追い立てられていた。
周りの人達が絵が描ける人ばかりのなかで、絵の描けない自分は何をつくったら良いのだろうか。そもそもつくりたいものなんてあるのか。むしろみんなに描いてもらうことそのものが作品になるような仕掛けがつくれないだろうか。デジタルを介したら絵も音も文字もマウスクリックも全部01の電気信号なんだから、相互変換できちゃうんじゃないだろうか。
大学時代に建築CAD開発のバイトをしていて、描画系のプログラミングがなんとなくできた僕は、絵を描いたらそのストロークが音に変化される描画アプリをつくることを思いついた。
カオスパッドのような位置情報で音を鳴らすものではなくて、絵を描くことが先にあってその描画行為が音に変換され、時間軸で繋げればそれが音楽になるような。
ちょうど世の中ではWindowsTabletが出て、パソコンにペンで入力することが可能になったタイミング(このときのタブレットPCは流行らずに消えてしまいました)。きっと、デジタルで画面にペンで直接絵を描くことが将来当たり前のことになって、そのときに音楽も演奏できたら新しいパフォーマンスが生まれたりして。
そんな思いで、初めてつくったメディアアート作品が「色奏音画」だった。
描画のペン先の変化を音階の変化に変換し、色を楽器に割り当てるように開発した。ただ、音楽的素養が全くなかったので、出来上がる音楽はジャンルのない不協和音のような感じになってしまうことが多かったが。
PCの過去データを探したら当時の映像が残ってた。
こんな感じ。
この作品は、デジタルコンテンツグランプリ東北2001で部門賞を獲得、賞金をいただいたことで作品づくりによる賞金稼ぎにハマるきっかけとなった。
そして、2023年。
この作品のリメイクが、ワコムとの共同開発で実現するなんて。
あの、ペンタブすげーって感動してた学生時代の、そのペンの技術をつくっていたワコムと。
というわけで!
2023年11月18日に開催される、コネクテッドインクにて、しくみデザインのエンジニアとサウンドデザイナーと一緒にあたらしく作り直した「色奏音画(仮)」のパフォーマンスを行います!
描画アプリは、クリップスタジオを利用。
クリスタで描いているペンの動きをリアルタイムで音楽に変換していくシステムです。
ライブペインティングのパフォーマンスは、絵師のktymさん。
めっちゃくちゃカッコいい描画パフォーマンスをされるアーティストです。
登録すれば無料で参加可能みたい。
すごいアーティストがいっぱい出演するのでぜひ観に来てください。
パフォーマンスの前には、ワコムの井出社長と少し対談もする予定です。
なんか、すごくないですか?!
ちょっと変なテンションでnote書いちゃいましたが、ぜひ観に来てください!!
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