銀河鉄道の夜
◯です。
自分のいまハマっていることとして、中田のあっちゃんのYouTube大学があります。
喋りのプロである人がアカデミックな授業を展開する様は、いやでも引き込まれるし内容も入ってくる。
教養が最近めきめきとついている気がします。
ある日、いつも通り隙間時間に授業を見ていたのですが、その時に見たのが宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の授業。
イーハトーヴ、ジョバンニ、カムパネルラ
この辺りのワードは色々な線から知っていたのですが、銀河鉄道の夜自体がどんな話であるのかは知らず、もちろん読んだこともありませんでした。
内容を授業で知った時、なんて悲しくて、なんて綺麗な話なんだろうって思ったわけです。
そんな中、たまたま羊文学がGOING STEADYの銀河鉄道の夜をコピーしていたのを聴き、アウトプットを残したくなりました。
音楽としての銀河鉄道の夜
まず、ぼくが初めて聴いた銀河鉄道の夜はamazarashiのスターライトという曲でした。
円盤が発売された際、特典に小説が付いていていて、それを読みながらこのスターライトを聴きました。
最初はamazarashiの文学的センスによる小説だと思っていましたが、歌詞に出てくるジョバンニやカムパネルラの意味を調べているうちに、銀河鉄道の夜が根底にあることを知りました。
ジョバンニとカムパネルラは、物語の登場人物です。
片道切符は承知だジョバンニ、愛する人は守れカムパネルラ。
これらの歌詞がなんだかすごく印象に残りました。あまり聞いたことない名詞だったからでしょうか。
それでも、ここで銀河鉄道の夜の登場人物を読まずして知ることになります。
そして羊文学。ゴイステの銀河鉄道の夜をつい先日コピーしていました。
丁度YouTube大学を見ていた後だったので、なんだか余韻に響く曲でした。
銀河鉄道の夜を帰宅途中の電車で聴いた時、汚い街にもイーハトーヴのような美しさを感じました。
この後、ゴイステと銀杏boyzの銀河鉄道の夜を聴いて、もういてもたってもいられなくて、寝台特急に乗ってイーハトーヴを目指したい欲に駆られたのですが、寝台特急ってあまりもう動いていないんですね。悲しい。
遅れましたがイーハトーヴとは、宮沢賢治が岩手県につけたユートピアのようなものです。
最後に。銀河鉄道の夜の間奏の、バッハの主よ、人の喜びと望みよ。これが最高にいいんです。
これだけは言いたかったのです。
寝台特急カシオペアで夜中に岩手目指したかったなあ、、、
銀河二輪の夜
銀河鉄道がどのようなものか。
それは、生と死をつなぐ鉄道です。
亡くなった人を、天に運ぶ鉄道。
ジョバンニは、親友カムパネルラと共に鉄道で旅をしますが、最後にカムパネルラがこの世を旅立つことを知ります。
ぼく自身も銀河鉄道ではないけれど、こんな体験をしたことがあります。ちょっと湿っぽくなりますが。
嘘のようで、実話のお話。
幼稚園からの親友である人が、大学生の頃に亡くなりました。
彼はとても面白いやつで、学校の放課後にいつも遊んだり、部活の後に家の前で何時間も喋り倒したりしていました。
スマブラとかモンハンとか、一緒に何時間プレイしたんだろうかってくらい一緒にやってました笑
高校は違ったものの、漫画貸したりしてちょいちょい会ってました。
大学では親友が一人暮らししたこともあり、あまり会う機会は無くなってしまったのですが、それでも成人式は一緒にいたりと仲はとても良かったです。
親友ってあんまり考えたことないけれど、こいつはそんな感じなんだろうなあって考えてました。
そんなある日の夜、ポケモンGoが流行っていて、近所の公園にレアなポケモンが沸いていました。
近いし捕まえにいこうと外に出たら、玄関を出た瞬間、家の前にバイクが止まりました。あいつでした。
本当にたまたま。偶然。奇跡みたいなもん。
なんでいんの?一人暮らしじゃん!って聞いたら、久々に昔住んでたとこや地元を見に来たって言われて、ポケモンのことなんか忘れてバイク2ケツして地元観光をしました。
田舎なので全然車も走ってなくて、静かな夜道をバイクで駆け抜けて。親友が昔住んでたとこや一緒にたむろしていた場所を巡って。いろんな友人にも久しぶりに会いに行きました。
ぼくは課題に追われていたこともあり、いい時間になって、そろそろ家帰るわ!と言って家まで送ってもらって帰りました。また遊ぼうと言って。
彼の死を聞いたのはその後です。
なにを思い詰めていたのか、どんな状況に置かれていたのかはわかりません。どのように亡くなったのかも知りません。
あの時にはもう既に決めていて、故郷を最後に見にきたのだろうと思います。
ただ、銀河鉄道の夜の話を知り、このことをふと思い出しました。
ジョバンニとカムパネルラは、二人で夜を旅し、カムパネルラは天に行きました。
この親友と過ごした最期の日も、なんだかそんなような気がして。
二人で夜をバイクで旅し、彼はバイクでぼくを下ろし天に向かいました。
あの頃に銀河鉄道の夜を知っていたら。
彼は銀河鉄道の夜を読んで、故郷に帰ってきたのかもしれません。
もし彼にとってのジョバンニがぼくであったら、あいつはあの日のことを忘れないでいてくれるのでしょうか。
また会う日に聞いてみよう。あの日って銀河鉄道の夜みたいな夜だったねって。
綺麗で悲しい生死をつなぐ鉄道
銀河鉄道の夜というお話を知らないことが、ものすごく悔やまれる限りです。
こんなに美しくてはかない話を、ぼくはまだ読んだことがなかった。
だからこそ、今初めて読めることが幸福なんだと勝手にこじつけて、本屋さんで購入したい衝動に駆られています。
ついでに、アニメ版の銀河鉄道の夜も見ようかと思います。猫のやつ。
そして銀河鉄道の夜を片手に、眠る親友に久々に会いにいこうと思います。
あの日の出来事は、銀河鉄道の夜だったのでしょうか。
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