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なぜ今、若者たちは強盗するのか?

それは舐達麻のせいじゃないかと、本気で考えている。

舐達麻と書いて《なめだるま》、彼らは3人組のヒップホップグループだ。本気で音楽好きの若者なら、その名を知らない者はいないと思う。彼らの魅力は大麻や強盗といった犯罪のリアリティにある。過去には強盗後にパトカーに追われ、140km/hで逃走したが、車はコンクリートに突っ込み、仲間の一人をその大事故で失なった。一方で現在進行形で大麻を自ら育て、売りさばいているというリリックも散見される。

バールを使って強盗するーーーそんな乱暴な犯行に及ぶ若者には、舐達麻の犯罪に染まった生き方がカッコよく見えるのだろう。恥ずかしながら、わたしもそのうちのひとり、若くはないけれど。もうすぐ50歳だ。なのに憧れてしまう部分がある。その正直さ、まっすぐな気持ち、強固なメンタル、そして何者も恐れない姿に惹かれる。純粋な悪といったら矛盾するのか。というか、怖いもの見たさ? アウトサイダーな生き方には誰もが憧れるのではないだろうか。

若者たちは舐達麻になりたいのでは? 強盗をして捕まっても、それを武勇伝のように語ることにステータスを感じるのかもしれない。

犯罪はいけない。大麻もいけない。それはわかっている。それでもわたしたちは舐達麻が好きだ。わたしは若くはないから、闇バイト的なことはしないし、強盗もしない。でも、舐達麻のように誰でもない自分を自分らしく生きることに、憧れ以外のナニモノも感じない。

わたしたちは浅はかなのか。悪に惹かれるのは人間らしいと思うんだけどなあ。

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