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随筆

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2024年9月の記事一覧

ただの映画感想『スオミの話をしよう』

ただの映画感想『スオミの話をしよう』

★★★☆☆

長澤まさみ演じるスオミを巡って振り回される男たちのコメディ映画。無理のあるシーンがいくつかあって、映画に没入するのを削がれたのだけれど、それでも修正してくるのが三谷幸喜(脚本・監督)。そして長澤まさみの凄み。スオミは5人の男との結婚と離婚を繰り返しており、夫によって性格を変えて夫婦生活を貫いてきたのだが、その演じ分けが素晴らしかった。同時に三谷幸喜もまた恐ろしい才能の持ち主と改めて認

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ただの映画感想『グラディエーター』

ただの映画感想『グラディエーター』

★★★☆☆

アウエリウス皇帝を演じたリチャード・ハリスが素晴らしい存在感を放っていた。あまりの熟練さにアウエリウス皇帝の息子であるコモドゥスを演じたホアキン・フェニックスが頼りなさ過ぎた冒頭。ところが憎悪と嫉妬とで狂っていったコモドゥスの葛藤は人間味溢れていて、ラストは狂気を感じた。その狂いっぷりには脊髄に冷凍液注射されたようにブルッとした。この映画はラッセル・クロウあっての作品ではないと言った

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ただの映画感想『THE FIRST SLAM DUNK』

ただの映画感想『THE FIRST SLAM DUNK』

★★★★☆

素直に良い作品だと言いたい。あまのじゃくなわたしだから、これまで観ないで来たのだけど、家族で観ようということになり、観た。きっと面白いんだろうなと言う期待はあった。漫画のスラムダンクはド*世代だから、映画化に少しの不安はあったが。その一抹の不安を井上雄彦先生は見事に振り払ってくれた。第一印象はプレイの動きが滑らかだなということ。NBAが好きでよく見るが、遜色ない迫力と技のスムースさだ

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