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第三回:麺屋こころ練馬店「他店舗の試みの組み合わせで唯一無二を生み出す」

テンポスバスターズ社発行のフリーペーパー「Smilers」で連載中の「フリ
ランス広報 葛西直樹の飲食探訪記 『超好吃(ツァオハオチー)」からの引用記事です。

練馬区は比較的チェーンの外食店が少なく、都内で唯一と言ってもいいほど個人 店が賑わっているエリアである。その中でも練馬駅の前は比較的チェーン店が並 び、創業の地でもある松屋フーズホールディングスの関連店舗が一際大きく目立 つ。また、個人店の入れ替わりが激しいエリアでもある。練馬駅周辺の駅と比べて も特にラーメンはチェーンの店舗が多い。その中で筆者のお気に入りは台湾まぜそ ばを専門とする「やまの」である。

アルコールも楽しめる居酒屋風なラーメン店と いうこともあり、毎日の夜や週末は行列を成すほどの賑わいがある。極太なトロ豚を活かし、パンチの効いた台湾まぜそばは、とにかく食べごた えがある。他にも新興勢力である横浜家系ラーメンの「見田屋」の手軽に食べられ る本格ラーメンも美味しい。その中で、今年2月にオープンした新たなラーメン店 に心奪われている。それは国内21店舗、海外9店舗(2023年6月現在)を構える「麺屋こころ」の練馬店だ。


「麺屋こころ」は、読者もご存じの方々も多いことが予測され、筆者が語る必要 のない人気店ではあるのだが、練馬店はフランチャイズのようでありながら独自の 試みを行っている。例えば、ラーメン店にしては珍しくハートランドを提供している。他の麺屋こころの店舗でもハートランドの提供は行っているようだが、そう多 くはない。キンキンに冷えたグラスとビールが提供され、徐々に体に冷たいビール を注ぎ込むと、体が自然と段々パンチの効いたラーメンを欲してくる。麺屋こころの比較的さっぱりとしたまぜそばの脂分とビールが調和し、自然な心地よさが生まれ る。比較的甘味があり、人懐っこいハートランドを選んでいるのも、店長の長年の 賜物なのだろう。


もう1つの独自の試みは、麺屋こころ練馬店の店長が修行元で会得した、歌舞伎町店 限定の極辛台湾まぜそばだ。店長が味見できないほどの辛さというこの台湾まぜそ ばを、辛さに耐えうることが唯一の強みである筆者が喫食すると、体に まぜそばが入った瞬間に、心臓以上に胃が震えて痙攣するほどの辛さであり、汗も 止まらず、正直人生初のラーメンを食べることを止めようかと思ったほどだ。

また、Uber Eatsの利用客にも店長の配慮がとても行き届いており、提供する麺の 量を店舗と同じにし、できる限り店舗での実食の体験と差異がないようにしている そうだ。前述の極辛台湾まぜそばは、同店のUber Eats利用客にもよく注文される メニューらしく、時にはこれでも辛さが足らないと言う顧客がいるそうだ。またト ッピングを多く注文される方も多く見受けられるようだ。店長も練馬区の飲食店の リサーチを長年行っていることから、そこから編み出されたものも多々あるに違いない。

筆者の妻も麺屋こころ練馬店の味を好んでいるのだが、最近足を運ぶ方が日々増え ていき、空席がない時間に訪れてしまい、食べることができないのがとにかく残念 である。ただ、お店が賑わい、より多くの方々に浸透していくことを顧客目線で見 るのもとても楽しい。フランチャイズという制約の多い形式において、他店舗の良 い取り組みをかけ合わせ、それで自分らしさを出していく良さを取り入れていくこ とも、フランチャイズオーナーにとって大事なのではないか。

葛西直樹へのお仕事依頼(営業・事業開発)は coin3trn@hotmail.co.jp まで、お願いします。 最初のメールに条件や詳細などがついていると幸いです。